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公開番号2025150961
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024052137
出願日2024-03-27
発明の名称光触媒を用いた水素ガス製造装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類C01B 3/04 20060101AFI20251002BHJP(無機化学)
要約【課題】 光触媒を用いた水素ガス製造装置に於いて、水槽部が複数の容器を継ぎ合わせて形成されている場合に、その継ぎ目又は接合部から水素ガスが漏洩しないようにする。
【解決手段】 水素ガス製造装置は、水を貯留する水槽部と、水槽部内の水中に分散又は配置された光触媒体にして、光が照射されると、励起電子と正孔を発生し、水分子を水素と酸素とに分解する水の分解反応を起こし水素ガスを発生する光触媒物質を有する光触媒体と、光触媒体へ照射されて水の分解反応を惹起する光を発する光源装置とを含み、水槽部が複数の容器を継ぎ合わせて形成されており、その継ぎ目が水槽部の水の液相に接触するよう構成されている。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
水素ガス製造装置であって、
水を貯留する水槽部と、
前記水槽部内の水中に分散又は配置された光触媒体にして、光が照射されると、励起電子と正孔を発生し、水分子を水素と酸素とに分解する水の分解反応を起こし水素ガスを発生する光触媒物質を有する光触媒体と、
前記光触媒体へ照射されて前記水の分解反応を惹起する光を発する光源装置と
を含み、
前記水槽部が複数の容器を継ぎ合わせて形成されており、その継ぎ目が前記水槽部の水の液相に接触するよう構成されている装置。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
請求項1の装置であって、更に、前記水槽部内の水の液相の水位を検出する水位検出手段と、前記水槽部内へ水を供給する水供給手段とを有し、前記水位検出手段により検知された前記液相の水位が前記水槽部の継ぎ目よりも上方にあるように前記水供給手段が水を前記水槽部内へ供給するよう構成されている装置。
【請求項3】
請求項1の装置であって、更に、前記水槽部内の水の液相の水位を検出する水位検出手段を有し、前記水位検出手段により検知された前記液相の水位が前記水槽部の継ぎ目より上方の所定の高さの位置に以下となったときには、前記光源装置の発光を停止するよう構成されている装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素ガス製造装置に係り、より詳細には、光触媒を用いた水の分解反応により水素ガスを製造する装置に係る。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
燃焼しても二酸化炭素を生じないクリーンな次世代の燃料としての利用が期待されている水素ガスは、光触媒を用いた光エネルギーによる水の分解反応により生成できるので、光触媒を用いた水素ガスの製造技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、水を受容する容器部と、容器部内の水中に分散又は配置された光触媒体にして、光が照射されると、励起電子と正孔を発生し、水を水素と酸素とに分解する水の分解反応を起こし水素ガスを発生する光触媒物質を有する光触媒体と、光触媒体へ照射されて水の分解反応を惹起する光を発する光源と、光源を担持する筐体とを含み、筐体が容器内の水中に配置されて、水が筐体の表面から放出される光源の排熱によって加温されると共に、筐体の水に接触する表面が光触媒物質にて被覆されている構成の水素ガス製造装置が提案されている。特許文献2には、光により水を分解する助触媒担持水分解用触媒を有し、水分解用触媒に水を供給することにより、水素及び/又は酸素を発生させる光触媒モジュールの運転方法に於いて、光触媒の活性が低下したときに、助触媒の前駆体である含金属化合物の液を該モジュール内に存在させ、光照射により光触媒上に光触媒用助触媒を析出させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-094488
特開2023-106958
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水槽内に光触媒の分散又は配置された水を貯留し、その水へLEDなどの光源装置からの光を照射して水分解反応を惹起して水素ガスを製造する装置の場合、任意の場所に設置できる点で、有利である。また、かかる構成の水素ガス製造装置に於いて、水素ガスの単位時間当たり又は適宜設定されてよい所定時間当たりの水素ガスの発生量(以下、単に「水素発生量」と称する。)は、水に照射される光の強度によって変化するので、照射光強度を調節することにより装置に於ける水素発生量を調節することが可能である。更に、水槽内の水は、水分解反応による水素ガスの発生と共に低減するので、連続的な水素ガスの製造を可能にすべく、水素ガス製造装置に於いては、水槽内へ水を連続的に供給するための機構(貯水タンク、タンクから水槽へ水を送出するための配管とポンプ等)が備わっていると便利である。(図1参照)。
【0005】
ところで、上記の如き水素ガス製造装置に於いて生成される水素ガスは、分子量の最も小さい分子であるので、水素ガスが生成され封入された容器や流通経路に於ける継ぎ目或いは接合部から漏洩しやすい。この点に関し、装置に於ける水を貯留して水素ガスを発生させる水槽部から水素ガスを蓄積又は貯留する水素ガスタンクまで水素ガスを搬送する経路に於いて、途中の配管の継ぎ目などに於いては、水素ガスの漏洩を防止するための種々の処置が施されるところ、水槽部を複数の容器を継ぎ合わせて形成する場合、例えば、石英ガラスで形成された筒状部材の端どうしが接着剤等を用いて継ぎ合わされる場合、容器又は筒状部材の継ぎ目又は接合部が水素ガスの気相に接触していると、その継ぎ目又は接合部から水素ガスが漏洩する可能性がある。従って、上記の如き水素ガス製造装置に於いて、水槽部は、その継ぎ目又は接合部が水の液相に接触し、水素ガスの気相に接触しないようにするなどの対策が施されていることが好ましい。
【0006】
かくして、本発明の主な課題は、光触媒を用いた水素ガス製造装置に於いて、水槽部が複数の容器を継ぎ合わせて形成されている場合に、その継ぎ目又は接合部から水素ガスが漏洩しないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、上記の課題は、水素ガス製造装置であって、
水を貯留する水槽部と、
前記水槽部内の水中に分散又は配置された光触媒体にして、光が照射されると、励起電子と正孔を発生し、水分子を水素と酸素とに分解する水の分解反応を起こし水素ガスを発生する光触媒物質を有する光触媒体と、
前記光触媒体へ照射されて前記水の分解反応を惹起する光を発する光源装置と
を含み、
前記水槽部が複数の容器を継ぎ合わせて形成されており、その継ぎ目が前記水槽部の水の液相に接触するよう構成されている装置によって達成される。
【0008】
上記の構成に於いて、「光触媒物質」は、上記の如く、光を照射されると、水の分解反応を惹起して、水を還元して水素ガスを発生することのできる物質であってよい。「光触媒体」は、かかる光触媒物質から成り、水中に分散される粒子、或いは、光触媒物質そのもので形成された部材又は任意の基板又は基質上に光触媒物質を固定してなり、水中の任意の位置に配置されたもの、若しくは、それらの両方であってよい(以下、本明細書に於いて、単に「光触媒」という場合には、光触媒物質を指すものとする。)。「光源装置」は、典型的には、電力の供給を受けて、光触媒物質に吸収されて水の分解反応を惹起させる光を発する任意の形式の装置であってよい。光源装置の発光波長は、光触媒へ照射される光が効率的に光触媒に吸収されて励起電子と正孔とを生成するように、好適には、光触媒の量子収率が(任意に選択されてよい)所定の閾値を超える波長帯域に入るように選択される。この点に関し、典型的な光触媒の量子収率は、照射光の波長が或る波長付近を下回ると急激に増大する。従って、光源の発光波長が、かかる光触媒の量子収率の急激な増大が生ずる波長よりも短波長側となるように、光源が選択されてよい。本発明に於いて利用可能な光触媒としては、例えば、SrTiO3(チタン酸ストロンチウム)、La2Ti2O7(チタン酸ランタン)、Ga2O3(酸化ガリウム)、GaN(窒化ガリウム)、NaTaO3(タンタル酸ナトリウム)、TiO2(酸化チタン)などが利用可能である。なお、これらの光触媒は、適宜、助触媒が付加されて使用されてよい。光源装置の発光素子としては、種々の発光ダイオード(LED)が採用されてよく、具体的には、インジウム窒化ガリウム(InGaN)、ダイヤモンド(紫外)、窒化ガリウム(GaN)/アルミニウム窒化ガリウム(AlGaN)(紫外、青)、セレン化亜鉛(青)、酸化亜鉛(近紫外、紫、青)を用いたものが利用可能である。
【0009】
そして、本発明の装置に於いては、上記の如く、水槽部が複数の容器を継ぎ合わせて形成されており、その継ぎ目が水槽部の水の液相に接触するよう構成される。かかる構成によれば、水槽部の継ぎ目が水素ガスの気相に曝されることがなく、水槽部の継ぎ目からの水素ガスの漏洩が防止されることとなる(水の液相中で発生した水素ガスは、速やかに液面の上方まで移動するので、液相中に位置する継ぎ目から殆ど漏洩しない。)。水槽部は、例えば、石英ガラス製又は水素ガスを透過しない樹脂製の複数の筒状の容器がそれらの端部にて専用の接着剤を用いて接着されることにより継ぎ合わされて形成されてよい。
【0010】
上記の本発明の装置に於いて、水槽部に於ける複数の容器の継ぎ目を水の液相に接触させるための構成の一つの態様として、水槽部内の水の液相の水位を検出する水位検出手段と、水槽部内へ水を供給する水供給手段とが設けられてよく、水位検出手段により検知された液相の水位が水槽部の継ぎ目よりも上方にあるように水供給手段が水を前記水槽部内へ供給するよう構成されていてよい。光触媒による水分子の分解によって水素ガスと酸素ガスの生成が進むと、その分、水量が低減して、水槽部内の水位が低下することとなる。そこで、本発明に於いては、上記の如く、液相の水位が水槽部の継ぎ目よりも上方にあるように水供給手段が水を前記水槽部内へ供給するよう作動されてよい。「水位検出手段」は任意の手法にて水槽部内の水位を測定する手段であってよい。「水供給手段」としては、既に触れた如く、水槽部とは別に水を貯留する貯水タンクと、タンクから水槽へ水を送出するための配管とポンプ等が設けられてよい。
(【0011】以降は省略されています)

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