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公開番号2024178526
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-25
出願番号2023096711
出願日2023-06-13
発明の名称圧力容器の製造方法および圧力容器の製造装置
出願人株式会社FTS
代理人弁理士法人グランダム特許事務所
主分類F16J 12/00 20060101AFI20241218BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ベース部材の内面にバリア層を形成するための加熱工程において、ベース部材とバリア層との界面にボイドが発生することを抑制し得る技術を提供する
【解決手段】加熱により気化する気化成分を含むベース材料を有する胴部基体22と、胴部基体22の内面に塗布したバリア性材料を加熱処理することにより形成されるバリア層24と、を備える圧力容器10の製造方法である。この製造方法は、バリア層24の形成時に、胴部基体22の内面を加熱処理すると同時に、胴部基体22の外面を冷却する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
加熱により気化する気化成分を含むベース材料を有するベース部材と、前記ベース部材の内面に塗布したバリア性材料を加熱処理することにより形成されるバリア層と、を備える圧力容器の製造方法であって、
前記バリア層の形成時に、前記内面を加熱処理すると同時に、前記ベース部材の外面を冷却する
圧力容器の製造方法。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記バリア層の形成時における前記内面と前記外面の温度差を、10℃以上160℃以下にする
請求項1に記載の圧力容器の製造方法。
【請求項3】
前記ベース部材は筒状であり、
前記バリア性材料の加熱時における前記ベース部材の軸方向中央側の温度よりも軸方向端部側の温度の方を高くする
請求項1又は請求項2に記載の圧力容器の製造方法。
【請求項4】
前記バリア層の形成時に、前記ベース部材の外面を冷却装置で急冷する
請求項1又は請求項2に記載の圧力容器の製造方法。
【請求項5】
前記バリア性材料を前記内面に塗布する前に、前記ベース部材を加熱することによって前記ベース材料の気化成分を気化させる事前加熱処理を行う
請求項1又は請求項2に記載の圧力容器の製造方法。
【請求項6】
加熱により気化する気化成分を含むベース材料を有するベース部材と、前記ベース部材の内面に塗布したバリア性材料を加熱処理することにより形成されるバリア層と、を備える圧力容器の製造装置であって、
前記ベース部材の内面を加熱するヒーターと、
前記ベース部材の外面を冷却する冷却装置と、
を備える圧力容器の製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力容器の製造方法および圧力容器の製造装置に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される高圧タンクは、高圧の水素ガスを貯留するタンクであり、円筒状(シリンダ状)の胴部と、胴部の両端に設けられた一対の半球状のドーム部と、を備えている。胴部は、アルミニウム合金等の金属材料からなる中空の補強層と、補強層の内側に設けられるバリア層と、を有している。バリア層は、内側から外側への水素ガスの流出を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-108937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように胴部の内側の層(ベース部材の内側の層)としてバリア層を設ける構成では、例えば、ベース部材の内面にバリア性材料を塗布し、加熱処理で熱溶融させた後に固着することでバリア層を形成する方法がある。しかし、ベース部材に気化成分が含まれることで、加熱処理で気化成分が気化し、ベース部材とバリア層との間にボイドが生じるおそれがある。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ベース部材の内面にバリア層を形成するための加熱工程において、ベース部材とバリア層との界面にボイドが発生することを抑制し得る技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つである圧力容器の製造方法は、
加熱により気化する気化成分を含むベース材料を有するベース部材と、前記ベース部材の内面に塗布したバリア性材料を加熱処理することにより形成されるバリア層と、を備える圧力容器の製造方法であって、
前記バリア層の形成時に、前記内面を加熱処理すると同時に、前記ベース部材の外面を冷却する。
【0007】
本発明の1つである圧力容器の製造装置は、
加熱により気化する気化成分を含むベース材料を有するベース部材と、前記ベース部材の内面に塗布したバリア性材料を加熱処理することにより形成されるバリア層と、を備える圧力容器の製造装置であって、
前記ベース部材の内面を加熱するヒーターと、
前記ベース部材の外面を冷却する冷却装置と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の圧力容器の製造方法および圧力容器の製造装置によれば、ベース部材の内面にバリア層を形成するための加熱工程において、ベース部材の外面を冷却することで、ベース部材の外面側における気化成分の気化を抑制することができる。そのため、バリア層形成時にベース部材全体としての気化成分の気化を低減することができ、ベース部材とバリア層との界面にボイドが発生することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1の圧力容器をあらわす斜視図である。
圧力容器の断面図である。
胴部基体の製造工程を説明する説明図である。
恒温槽を用いて加熱対象物を加熱する構成を示す説明図である。
赤外線ヒーターを用いて加熱対象物を加熱する構成を示す説明図である。
赤外線ヒーターおよび冷却装置を用いて加熱対象物を加熱する構成を示す説明図である。
図4の構成で加熱処理した際の各種温度の時間経過を示す説明図である。
図5の構成で加熱処理した際の各種温度の時間経過を示す説明図である。
図6の構成で加熱処理した際の各種温度の時間経過を示す説明図である。
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を材料とする部材における気化成分と、温度に応じた気化成分の発生量との関係を示す分析結果の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の圧力容器の製造方法において、前記バリア層の形成時における前記内面と前記外面の温度差を、10℃以上160℃以下にすることが好ましい。
この構成によれば、ベース部材の内面側の温度を高めて気化成分の気化を進めつつ、ベース部材の外面側の温度を低くしてベース部材の劣化を抑制できる。
(【0011】以降は省略されています)

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