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公開番号2024106362
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-08
出願番号2023010584
出願日2023-01-27
発明の名称固定具
出願人北村精工株式会社
代理人個人
主分類F16B 25/00 20060101AFI20240801BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】デッキプレート上に断熱材を固定した屋根構造において、有効な緩み防止効果が得られる固定具を提供する。
【解決手段】自己穿孔ねじ10と座金プレート30とを備え、上記座金プレート30は、上記自己穿孔ねじ10を挿通させるための下穴35を有し、上記下穴35は、その内径Hが上記自己穿孔ねじ10の谷径Vよりも小さく設定され、上記下穴35に上記自己穿孔ねじ10が挿通される際の座金プレート30の変形を容易にする変形容易化構造が設けられ、上記自己穿孔ねじ10は、上記変形した下穴35の内側が引っ掛かって抜け止めされる抜け止め構造が形成されている。座金プレート30の下穴35を自己穿孔ねじ10が押し広げて変形させて挿通され、変形した下穴35の内側が抜け止め構造に引っ掛かって抜け止めされるため、座金プレート30から自己穿孔ねじ10が抜けにくく、たとえ自己穿孔ねじ10が回転したとしても緩まない。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
自己穿孔ねじと座金プレートとを備え、
上記座金プレートは、上記自己穿孔ねじを挿通させるための下穴を有し、上記下穴は、その内径が上記自己穿孔ねじの谷径よりも小さく設定され、上記下穴に上記自己穿孔ねじが挿通される際の座金プレートの変形を容易にする変形容易化構造が設けられ、
上記自己穿孔ねじは、上記変形した下穴の内側が引っ掛かって抜け止めされる抜け止め構造が形成されている
ことを特徴とする固定具。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
上記抜け止め構造は、上記座金プレートが上記自己穿孔ねじの頭部の座面に位置した状態で上記抜け止めを行う
請求項1記載の固定具。
【請求項3】
上記抜け止め構造は、上記座金プレートの上面と上記自己穿孔ねじの上面とが大略面一に位置した状態で上記抜け止めを行う
請求項1記載の固定具。
【請求項4】
上記自己穿孔ねじは、軸部の頭部側にねじ無し部が設けられ、上記ねじ無し部に上記抜け止め構造が形成されている
請求項2または3記載の固定具。
【請求項5】
上記抜け止め構造は、上記自己穿孔ねじの軸部に設けられた環状突部である
請求項2または3記載の固定具。
【請求項6】
上記抜け止め構造は、上記自己穿孔ねじの軸部に設けられたねじ山である
請求項2または3記載の固定具。
【請求項7】
上記変形容易化構造は、上記下穴の内周から周囲に延びる複数のスリットを含んで構成される
請求項2または3記載の固定具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば屋根の施工においてデッキプレート上に断熱材を固定する際に使用することができる固定具に関するものである。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
建築物の屋根を施工する際には、鉄骨梁に架設したデッキプレート上に、断熱材を敷設して固定具(固定装置)で固定することが行われる。上記固定装置で固定した断熱材の上を、さらに防水シートで覆って防水することが行われる。このようにして得られる屋根構造は、軽量で建物の負担が軽減され、工期も短いというメリットがあるため、近年では広く採用されている。
【0003】
上記屋根構造に使用する固定装置には、円盤状のプレート(ワッシャー)と、タッピングねじ(自己穿孔ねじ)とからなるものである。このような固定装置に関する先行技術文献として、出願人は下記にあげる特許文献1を把握している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-42404号公報
【0005】
上記特許文献1は、薄板金属用ドリルねじ及びこれを使用した構造体並びに固定装置に関するものである。
【0006】
上記特許文献1には、つぎの記載がある。
[0035]
(1).ドリルねじの構造
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、ドリルねじに適用している。ドリルねじは鋼やステンレス等の金属製であり、図1(A)(B)に示すように、軸1とその先端(一端)に設けたドリル部2(自己穿孔部)と、軸1の基端(他端)に設けた頭3とから成っており、軸1には1条のねじ山4より成るねじ部が形成されている。以下では、方向を特定するため便宜的に上下の文言を使用するが、ドリル部2が下に位置して頭3が上に位置していると定義している。従って、平面視では頭3の頂面が現れる。
[0036]
ドリル部2は従来から知られた形状のものであり、一対の縦溝5を形成して一対の切り刃6を形成しており、ドリル部2の先端にはチゼルエッジが形成されている。縦溝5はねじ部の先端部に掛かっており、ねじ山4の始端部が縦溝5によって分断されている。
[0037]
頭3は下窄まりテーパ形の座面を有する皿タイプになっており、頂面にはドライバビット(図示せず)が係合する四角形の係合溝(リセス)7を形成している。係合溝7は十字形などの他の形態であってもよい。また、頭3は、六角頭や鍋頭、平板状のタイプなど、用途に応じて任意の形状に設定できる。
[0043]
軸1の首下部にはねじ山4が形成されていないねじ無し部13が存在しているが、図1の(B)では(A)よりもねじ無し部13が少し長くなっている。従って、厳密には、図1の(A)と(B)とは同一と云えないが、ねじ無し部13の有無やその長さは用途に応じて選択するものであり、発明の本質には影響しない要素であるので、図1(A)の形態も図1(B)の形態も同じ実施形態と見做して差し支えない。なお、図4(A)に別例として示すように、かなり長いねじ無し部13を有するドリルねじもある(図4(A)では切欠き溝14は明示していていないが、ねじ部は図1(A)(B)と同じ形態になっている。)。図4(B)では、切欠き溝14の全体を表示している。
[0047]
(2).施工状態
本実施形態のドリルねじは、様々な現場(構造体)に使用できる。例えば、図2(A)(B)に示すように、断熱材17をデッキプレート18(相手材10)に押さえ固定することに使用できる。施工には円形のワッシャー19が使用されており、ワッシャー19は、ドリルねじにおける頭3の座面に重なる下窄まりテーパ状の受け座19aを備えている。ねじの頭3と断熱材17は、防水シート16で覆われている。
[0053]
更に、本実施形態では、切欠き溝14のうちねじ込み方向に向いた進み側端面14bが切り刃として作用することにより、ねじ込みに要する力を低減できると共に、内周縁部21の厚肉部21aに対するねじ山4の食い込みを良好ならしめて、雌ねじ形成機能を向上できる。この場合、切欠き溝14は8条形成されており、隣り合った切欠き溝14の軸方向の高さはP/8になるため、半周程度の範囲で、少なくとも3条又は4条の切欠き溝14がデッキプレート18における下穴20の内周に重なっている。
[0054]
このため、切欠き溝14は下穴20の内周面と頻繁に重なって、切欠き溝14の進み側端面14bによる切削機能を確実化できる。図3ではバリ23が見えるが、このようにバリ23が発生することは、切欠き溝14の進み側端面14bが切り刃として機能していることの証左であると云える。また、切欠き溝14の追い側端面14cは緩みに対して抵抗として作用するが、複数の切欠き溝14の追い側端面14cが特に厚肉部21aの箇所で下穴20に突っ張っているため、高い緩み止め効果を発揮できる。
[0060]
図5では、ドリルねじとワッシャー19と組み合わせに係る固定装置の例を示している。ドリルねじは基本的には既述の実施形態と同じであり、相違点は、頭3の座面3aが平断面多角形(8角形)になっている点のみである。そして、ドリルねじにおける頭3の座面3aが多角形になっていることに対応して、ワッシャー19の受け座19aも、座面3aと相似形の平断面多角形(8角形)になっている。
[0062]
他方、固定後にはドリルねじが緩み回転しようとすると、座面3aの稜線が受け座19aの平面を乗り越えねばならず、従って、ねじの緩みに際しては、ワッシャー19は断熱材17を圧縮変形させねばならないが、ワッシャー19は大きな面積があることにより、ワッシャー19を断熱材17に押し込むことに大きな抵抗が発生するため、格段に高い緩み止め効果を得ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したようなデッキプレート上に断熱材を敷設固定して防水シートで覆う屋根構造は、風圧により断熱材に軸方向の力や水平方向の力が繰り返し加わることにより、固定するためのドリルねじが緩んでくるという問題がある。上記ドリルねじに緩みが生じると、ドリルねじの頭部が飛び出し、風圧でバタついた防水シートに破れが生じ、防水シートの破断、漏水、飛散等トラブルの原因となる。上記屋根構造では、このようなフラッタリング現象が問題となっている。
【0008】
上記特許文献1の固定装置では、ドリルねじのねじ山4に切欠き溝14を設けたり、ドリルねじの頭3の座面3aおよびワッシャー19の受け座19aを多角形に形成したりすることにより、デッキプレート18にねじ込んだドリルねじを緩みにくくしている。しかしながら、上記特許文献1の固定装置は、ワッシャー10とドリルねじが分離する構造であるため、断熱材に軸方向の力や水平方向の力が繰り返し加わると、ワッシャー10とドリルねじが上下左右に振られ、やがてはデッキプレート18に形成されたねじ穴が拡がって、ドリルねじの頭3が飛び出し、固定強度が弱くなる。このように、上記特許文献1の技術では、ドリルねじの緩みが生じるのを遅らせることはできるが、上述したフラッタリング現象を根本的に解消しうるものではない。
【0009】
〔目的〕
本発明は、上記課題を解決するため、つぎの目的でなされたものである。
たとえばデッキプレート上に断熱材を固定した屋根構造において、有効な緩み防止効果が得られる固定具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の固定具は、上記の目的を達成するため、つぎの構成を採用した。
自己穿孔ねじと座金プレートとを備え、
上記座金プレートは、上記自己穿孔ねじを挿通させるための下穴を有し、上記下穴は、その内径が上記自己穿孔ねじの谷径よりも小さく設定され、上記下穴に上記自己穿孔ねじが挿通される際の座金プレートの変形を容易にする変形容易化構造が設けられ、
上記自己穿孔ねじは、上記変形した下穴の内側が引っ掛かって抜け止めされる抜け止め構造が形成されている。
(【0011】以降は省略されています)

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