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公開番号2024172700
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023090579
出願日2023-06-01
発明の名称軌条車両およびその製造方法
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人第一国際特許事務所
主分類B61D 27/00 20060101AFI20241205BHJP(鉄道)
要約【課題】排気流路への異物の混入の抑制と、流路を伝わって伝達する空調換気装置からの騒音の低減を安価で簡素な構造で実現できる軌条車両およびその製造方法を提供する。
【解決手段】軌条車両は、下方筒部と上方筒部と座席と座席台の開口又は切欠とにより形成された折り返し流路構造を有し、前記折り返し構造を介して空気が車室内から、床下の排気流路につながる排気口へと流れるとき、前記下方筒部の外周と前記上方筒部の内周との間を通過する流れの方向が、前記下方筒部の内側を通過する流れの方向と逆である。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
車室の床上に配置され、開口又は切欠を備えた座席台と、
前記座席台の前記開口又は前記切欠に対向して配置された座席と、
床下に配置された排気流路と、
前記座席台の前記開口又は前記切欠に対向して前記床に形成され、前記排気流路と車室内とを連通する排気口と、
前記床に設置されて、前記排気口を内包する下方筒部と、
前記座席台の下方に配設され、前記下方筒部の一部を内包する上方筒部と、を有する軌条車両において、
前記下方筒部と前記上方筒部と前記座席と前記座席台の前記開口又は前記切欠とにより、折り返し流路構造が形成され、
前記折り返し構造を介して空気が前記車室内から前記排気口へと流れるとき、前記下方筒部の外周と前記上方筒部の内周との間を通過する流れの方向が、前記下方筒部の内側を通過する流れの方向と逆である、
ことを特徴とする軌条車両。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
請求項1に記載の軌条車両において、
前記座席は、前記開口又は前記切欠に対向する面に座席吸音部材を有する、
ことを特徴とする軌条車両。
【請求項3】
請求項1に記載の軌条車両において、
前記開口又は前記切欠に吸音材を配設した、
ことを特徴とする軌条車両。
【請求項4】
請求項1に記載の軌条車両において、
前記下方筒部および前記上方筒部のうち一方の少なくとも内周面の一部に吸音材を配置した、
ことを特徴とする軌条車両。
【請求項5】
請求項1に記載の軌条車両において、
前記座席台は、第1の脚部と、第2の脚部と、前記第1の脚部と前記第2の脚部とにより支持される頂壁とを有し、前記頂壁に前記開口又は前記切欠が形成されており、
前記下方筒部は、複数の上方壁と、前記上方壁に接続される前記第2の脚部とにより周壁が構成され、
前記上方筒部は、複数の下方壁と、前記下方壁に接続される前記第2の脚部とにより周壁が構成される、
ことを特徴とする軌条車両。
【請求項6】
請求項5に記載の軌条車両の製造方法であって、
前記第1の脚部と前記第2の脚部と前記頂壁とを接合するとともに、前記複数の上方壁を前記第2の脚部に接続することにより前記上方筒部を備えた座席アッセンブリを形成し、
前記排気口に隣接して前記複数の下方壁を前記床に立設し、
前記座席アッセンブリの前記第2の脚部を、前記複数の下方壁に接続して前記下方筒部を形成する、
ことを特徴とする軌条車両の製造方法。
【請求項7】
請求項5に記載の軌条車両の製造方法であって、
前記排気口に隣接して前記床に前記複数の下方壁と前記第2の脚部を立設して前記下方筒部を形成し、
前記第1の脚部と前記頂壁とを接合するとともに、前記複数の上方壁を備えた座席アッセンブリを形成し、
前記座席アッセンブリの頂壁に前記第2の脚部を接続するとともに、前記複数の上方壁を前記第2の脚部に接続することにより前記上方筒部を形成する、
ことを特徴とする軌条車両の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軌条車両およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
鉄道車両には客室内の温度や湿度、圧力を快適に保つために、空調換気装置が搭載されている。空調換気装置で温度や湿度・圧力が調整された調整空気は、調整空気流路を通じて車室内に送り込まれ、また、車室内で滞留している空気は、排気流路を通じて換気装置へと送られる。主に国内の高速鉄道車両では低重心化の観点から、空調換気装置は床下に搭載されるのが一般的であり、その場合、調整空気流路や排気流路は、床部の外構体と内装床の間の空間に設置される。
【0003】
このようなレイアウトの流路を採用したときは、車室内の気流による快適性の観点から、調整空気は窓の間を立ち上がって荷棚下部に設けられた吹き出し口から車内へ送られ、また、排気は床に設けられた排気口から排出される。このとき、床に落下した異物が床に設けられた排気口へと入り込み、混入した異物が流路を通じて空調換気装置へ移動して空調換気装置を損傷する懸念がある。また、空調換気装置には空気を吸引/送出するファンが設けられているため、その動作により空調換気装置内部で騒音が発生する。ここで、前記の排気流路は空調換気装置で発生した音の伝達経路ともなり得るため、車室内快適性の確保の観点から、排気流路を通じて車室内へ伝達される空調換気装置の騒音を抑制することが望まれる。
【0004】
このように床下に排気流路が設けられた空調流路構造を採用した鉄道車両では、排気流路への異物の混入による空調換気装置の損傷のリスク抑制と、流路を伝わって伝達する空調換気装置からの騒音の低減が課題となるが、このような課題に対する解決策として、特許文献1や特許文献2に開示されているような技術が提案されている。
【0005】
特許文献1では空調装置に連通する開口が内装床に設けられた車両において、開口の上に床と接触しないように支持されたカバーを配置し、床とカバーと支持部材により囲まれた空間を形成したうえで、該カバーに対して吸音材を張り付ける構造が提案されているほか、床にこぼれた液体の流入を防ぐ保護板についても提案されている。
【0006】
また、特許文献2では2列ないしは3列の座席の継ぎ目の直下に、内装床に設けられた排気口が位置しないように位置関係を調整したうえで、床の開口から鉛直方向に伸びた保護枠を設け、さらにこの保護枠のある位置が並列する座席の継ぎ目の真下に位置しないように配置することで、流路内への異物の混入を抑制するとともに、流路を極力直線的に設定することで流れが乱れることによる流体騒音を抑制する構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2023-14863号公報
特開2022-99446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1では、内装床に設けられた排気口に対して吸音材を具備したカバーを設けることで排気口を通じて空調換気装置から車室内へ伝達する騒音の抑制を行っている。しかしながら空調換気装置で発生する騒音は、500Hz以下の低周波騒音が支配的であり、このような低周波の騒音を低減するには吸音材に十分な厚さが必要となるため、車室内スペースとの間で取り合いが生じることとなる。仮に、カバーの厚さに対して車室内スペースを優先した場合には、吸音材の設置による騒音低減効果は高周波に限られるため、大きな効果は得られない可能性がある。
【0009】
このように空調換気装置そのもので発生した低周波成分が支配的となる騒音を積極的に抑制するには吸音材の適用が効果的であるが、排気口のカバーに吸音材を搭載するという対策では、吸音材を設置するスペースが不足するという問題がある。
【0010】
また、特許文献2に記載の床の開口から鉛直方向に伸びた保護枠は、騒音伝達経路を稼ぐことによって騒音低減効果を得られる効果は見込まれるものの、積極的な吸音材の適用については言及されていない。また流体騒音の発生を抑制することを目的として流路が極力直線的になるよう設定することが特許文献2に記載されているが、空調換気装置や流路に関連した車内騒音で支配的なのは、流路を空気が流れることによって発生する流体騒音ではなく、空調換気装置そのもので発生した騒音が流路を経由して車室内に伝達する成分である。
(【0011】以降は省略されています)

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