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公開番号2024108368
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-13
出願番号2023012692
出願日2023-01-31
発明の名称鉄道車両用制振装置
出願人カヤバ株式会社
代理人個人
主分類B61F 9/00 20060101AFI20240805BHJP(鉄道)
要約【課題】地震発生時に要求される必要減衰力の発生を可能としつつも製品コストを低減可能な鉄道車両用制振装置を提供する。
【解決手段】本発明の鉄道車両用制振装置Sは、鉄道車両の車体Bと台車Tとの間に並列して介装されるダンパDとセミアクティブダンパSD或いはアクチュエータAの一方とを有しており、地震発生時に想定される所定ストローク速度で伸縮する際に要求されるダンパDとセミアクティブダンパSD或いはアクチュエータAの一方とが発生する減衰力の総和を必要減衰力として、ダンパDは、所定ストローク速度以上で伸縮すると必要減衰力以上の減衰力を発生する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
鉄道車両の車体と台車との間に並列して介装されるダンパとセミアクティブダンパ或いはアクチュエータの一方とを有する鉄道車両用制振装置であって、
地震発生時に想定される所定ストローク速度で伸縮する際に要求される前記ダンパと前記セミアクティブダンパ或いは前記アクチュエータの一方とが発生する減衰力の総和を必要減衰力として、
前記ダンパは、前記所定ストローク速度以上で伸縮すると前記必要減衰力以上の減衰力を発生する
ことを特徴とする鉄道車両用制振装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記ダンパは、
シリンダと、
前記シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるロッドと、
前記ロッドに装着されて前記シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されて前記シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、
タンクと、
前記ロッド側室と前記ピストン側室とを連通する第1減衰通路に設けた第1オリフィスと、
前記ピストン側室と前記タンクとを連通する第2減衰通路に設けた第2オリフィスと、
前記ロッド側室と前記タンクとを連通する圧側吸込通路に設けられて前記タンクから前記ロッド側室へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェックバルブと、
前記ピストン側室と前記タンクとを連通する伸側吸込通路に設けられて前記タンクから前記ピストン側室へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェックバルブとを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用制振装置。
【請求項3】
前記ダンパと前記セミアクティブダンパ或いは前記アクチュエータの一方とは、それぞれ、シリンダと、前記シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるロッドと、前記ロッドに装着されて前記シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されて前記シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンとを有し、
前記ダンパのシリンダの内径は、前記セミアクティブダンパ或いは前記アクチュエータの一方のシリンダの内径より大径である
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用制振装置。
【請求項4】
前記ダンパと前記セミアクティブダンパ或いは前記アクチュエータの一方とは、それぞれ、シリンダと、前記シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるロッドと、前記ロッドに装着されて前記シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されて前記シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンとを有し、
前記ダンパのシリンダの肉厚は、前記セミアクティブダンパ或いは前記アクチュエータの一方のシリンダの肉厚より厚い
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用制振装置。
【請求項5】
前記ダンパと前記セミアクティブダンパ或いは前記アクチュエータの一方とは、それぞれ、シリンダと、前記シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるロッドと、前記ロッドに装着されて前記シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されて前記シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンとを有し、
前記ダンパのシリンダ、ロッドおよびピストンの材料の強度は、前記セミアクティブダンパ或いは前記アクチュエータの一方のシリンダ、ロッドおよびピストンの材料の強度よりも高い
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用制振装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両用制振装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種のダンパは、鉄道車両の車体と台車との間に介装されて、鉄道車両に車体の進行方向に対して左右方向の振動を抑制する鉄道車両用制振装置として利用される。鉄道車両用制振装置は、ダンパの他にアクチュエータを備えており、ダンパとアクチュエータとが発揮する力で車体の振動を抑制する。
【0003】
ところで、鉄道車両が走行中に強い地震が発生する場合、車体が大きく揺れて脱輪する恐れがあるので、このような場合には、鉄道車両用制振装置にあっては、ダンパとアクチュエータとで高い減衰力を発揮させて脱輪を未然に防ぎたい。
【0004】
そこで、従来の鉄道車両用制振装置では、地震発生時にダンパとアクチュエータとに発生を要求される減衰力の総和を必要減衰力とすると、地震発生時にダンパとアクチュエータとが必要減衰力を等しく分担するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-043297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来の鉄道車両用制振装置では、ダンパとアクチュエータとが地震発生時に必要減衰力を等しく分担していたので、ダンパとアクチュエータとを高圧に耐え得るように設計せざるを得ず、また、地震発生時に使用するバルブをダンパとアクチュエータの双方に設ける必要があり構造が複雑化して、製造コストが嵩んでしまうといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、地震発生時に要求される必要減衰力の発生を可能としつつも製造コストを低減可能な鉄道車両用制振装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の鉄道車両用制振装置は、鉄道車両の車体と台車との間に並列して介装されるダンパとセミアクティブダンパ或いはアクチュエータの一方とを有しており、地震発生時に想定される所定ストローク速度で伸縮する際に要求されるダンパとセミアクティブダンパ或いはアクチュエータの一方とが発生する減衰力の総和を必要減衰力として、ダンパは、所定ストローク速度以上で伸縮すると必要減衰力以上の減衰力を発生する。このように構成された鉄道車両用制振装置によれば、地震発生時に想定される所定ストローク速度で伸縮する際にダンパのみで鉄道車両用制振装置の全体が地震発生時に要求される必要減衰力を発生するので、セミアクティブダンパ(アクチュエータ)は、地震発生時に想定される所定ストローク速度で伸縮する際に必要減衰力を分担しなくて済み、セミアクティブダンパ(アクチュエータ)を高圧に耐え得る仕様にせずに済む。
【0009】
また、鉄道車両用制振装置におけるダンパは、シリンダと、シリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されるロッドと、ロッドに装着されてシリンダ内に軸方向へ移動可能に挿入されてシリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、タンクと、ロッド側室とピストン側室とを連通する第1減衰通路に設けた第1オリフィスと、ピストン側室とタンクとを連通する第2減衰通路に設けた第2オリフィスと、ロッド側室とタンクとを連通する圧側吸込通路に設けられてタンクからロッド側室へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェックバルブと、ピストン側室とタンクとを連通する伸側吸込通路に設けられてタンクからピストン側室へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェックバルブと、ピストン側室とタンクとを連通する圧側吸込通路に設けられてタンクからピストン側室へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェックバルブとを備えてもよい。
【0010】
このようにダンパが構成された鉄道車両用制振装置によれば、ダンパの収縮作動時に、第1オリフィスによって、ピストン側室内の圧力を上昇させつつもロッド側室内の圧力を圧側チェックバルブが開弁してタンク圧にすることができるので、ダンパは収縮作動時に減衰力を発生するのに有効となるピストンの受圧面積がピストンの断面積そのものとなり、ユニフロー型のダンパと比較して、受圧面積を大きく確保できるから同じ大きさの減衰力を発生する際に必要となるピストン側室内の圧力は小さくて済むとともに、ダンパを構成する各部品の耐圧性を低くすることができるから製品コストを低減できる。
(【0011】以降は省略されています)

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