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公開番号2024024850
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-26
出願番号2022127781
出願日2022-08-10
発明の名称列車検知装置
出願人日本信号株式会社
代理人個人,個人
主分類B61L 3/12 20060101AFI20240216BHJP(鉄道)
要約【課題】過渡的なノイズを受けても確実に列車を検知することができ、脱変周式を含む多様なATS信号に対応可能な小型かつ低コストの列車検知装置を提供する。
【解決手段】列車検知装置1では、列車から送信されるATS信号が地上子10で受信され、当該受信信号がバンドパスフィルタ32で周波数弁別された後に、直流化回路34で直流電圧に変換され、該直流電圧のレベルがウィンドウコンパレータ35により監視される。直流電圧レベルが下限しきい値より大きく且つ上限しきい値より小さい場合に、列車無しが検知されて列車検知リレー37が扛上される。一方、直流電圧レベルが下限しきい値以下または上限しきい値以上の場合に、列車有り(または機器故障有り)が検知されて列車検知リレー37が落下される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
列車から送信されるATS信号を受信可能な地上子での前記ATS信号の受信状態に応じて列車の有無を検知する列車検知装置であって、
前記地上子の受信信号を周波数弁別後に直流化して直流電圧を生成する信号処理部と、
前記信号処理部で生成された直流電圧のレベルが所定範囲内にある場合に列車無しを検知する一方、所定範囲外にある場合に列車有りを検知する列車検知部と、を含む、列車検知装置。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記信号処理部は、
前記地上子の受信信号より前記ATS信号に対応した周波数帯域の成分を抽出するバンドパスフィルタと、
前記バンドパスフィルタで抽出された信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器で増幅された信号を整流および平滑化して直流電圧を生成する直流化回路と、を有し、
前記列車検知部は、
前記直流化回路で生成された直流電圧が入力され、該直流電圧のレベルが下限しきい値より大きく且つ上限しきい値より小さい場合に交番信号を出力するウィンドウコンパレータと、
前記ウィンドウコンパレータから交番信号が出力されている間、接点が閉じた状態となる一方、前記ウィンドウコンパレータから交番信号が出力されなくなるとディレー時間の経過を待って接点が解放された状態となるリレーと、を有する、請求項1に記載の列車検知装置。
【請求項3】
前記地上子および前記信号処理部の故障を検知する故障検知部を含む、請求項1に記載の列車検知装置。
【請求項4】
前記地上子は、前記列車から情報波として送信されるATS-S信号と、前記列車から電力波として送信されるATS-P信号と、複数の周波数信号成分を含む脱変周式のATS信号とを受信可能に構成されている、請求項1に記載の列車検知装置。
【請求項5】
踏切に対応して列車の有無を検知する踏切バックアップ装置に使用される、請求項1に記載の列車検知装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、列車から送信されるATS信号を地上子で受信して列車の有無を検知する列車検知装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来の列車検知装置として、例えば、踏切道に設置された踏切警報機や踏切遮断機等を自動的に制御するために、軌道回路による連続制御方式または踏切制御子による点制御方式によって列車を検知する踏切用列車検知装置が知られている。また、軌道回路や踏切制御子による列車検知のバックアップとして、列車に設置されたATS車上装置から送信されるATS信号(常時発振信号)を受信して列車の有無を検知する踏切バックアップ装置も使用されている。従来のATS信号を利用した列車検知装置(踏切バックアップ装置)としては、閉電路形に構成されて機器故障時に安全側の動作が行われるフェールセーフ性を備えた装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記のような閉電路形に構成された列車検知装置では、ATS信号を受信可能な地上子の受信コイル近傍に送信コイルが設置されており、該送信コイルから、断線等の機器故障を検知するための照査信号が受信コイルに向けて常時送信されていた。そして、照査信号が受信できた場合、機器の正常を検知してリレーを扛上(励磁状態、動作状態)させ、照査信号が受信できない場合には、機器の故障を検知してリレーを落下(非励磁状態、復旧状態)させる故障検知動作が行われる。この故障検知動作と並行して、列車が地上子の上方を通過する際には、受信コイルで受信される列車からのATS信号により照査信号が抑圧され、該照査信号の受信レベルが低下することで「列車有り」を検知してリレーを落下させる列車検知動作が行われる。このようなATS信号を利用した抑圧方式の列車検知が行われる列車検知装置では、リレーの落下が「列車有り」に対応付けられていることで、機器故障時でも安全側の動作が行われるフェールセーフ性が実現されていた。
【0004】
また、上記従来の列車検知装置には、地上子の受信コイルで受信した信号に含まれる、照査信号およびATS信号の各周波数に対応した信号成分とノイズ成分とを弁別するための周波数弁別回路(バンドパスフィルタ)が設けられていた。この周波数弁別回路は、近年、ATS-S信号(103kHz)の他に、ATS-P信号(245kHz)などの周波数が異なる複数のATS信号に対応するために、周波数弁別範囲が広げられる傾向にあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4592453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来のATS信号を利用した抑圧方式の列車検知が行われる列車検知装置については、周波数弁別回路の広帯域化によって過渡的なノイズが侵入しやすくなっていた。このため、ATS信号を受信していないにも関わらず過渡的なノイズによって照査信号が抑圧された状態が一時的に発生する可能性があった。また、ATS信号を受信しているにも関わらず過渡的なノイズによって照査信号が抑圧されていないのと同等な状態が一時的に発生する可能性もあった。このような本来の想定とは異なる状態が発生した場合、抑圧方式を前提とした論理演算の条件に狂いが生じてしまい、列車や故障の誤検知が発生し得るという課題があった。
【0007】
また、従来のATS信号を利用した抑圧方式の列車検知装置は、脱変周式のATS信号に非対応であるという課題もあった。すなわち、直接拡散方式(Direct Sequence:DS)でスペクトラム拡散(Spread Spectrum:SS)されたATS信号や、周波数の異なる複数の信号成分が重畳または時分割多重されたATS信号などが地上子で受信された場合に、従来の抑圧方式によって列車検知を行うことが困難であった。脱変周式のATS信号に対応するためには、各々の周波数に対応した回路を個別に設けるなどの方法が考えられるが、既存の装置との兼ね合いから、それらの回路を小型且つ低コストに実現する必要があり、ATS信号を利用した列車検知に関して抑圧方式以外の新たな方式の実現が期待されていた。
【0008】
本発明は上記の点に着目してなされたもので、過渡的なノイズを受けても確実に列車を検知することができ、脱変周式を含む多様なATS信号に対応可能な小型かつ低コストの列車検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため本発明の一態様は、列車から送信されるATS信号を受信可能な地上子での前記ATS信号の受信状態に応じて列車の有無を検知する列車検知装置を提供する。この列車検知装置は、前記地上子の受信信号を周波数弁別後に直流化して直流電圧を生成する信号処理部と、前記信号処理部で生成された直流電圧のレベルが所定範囲内にある場合に列車無しを検知する一方、所定範囲外にある場合に列車有りを検知する列車検知部と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る列車検知装置によれば、地上子の受信信号を信号処理部で直流化し、その直流電圧のレベルが所定範囲内にある否かを列車検知部で監視するようにしたことで、過渡的なノイズを受けても確実に列車を検知することができるとともに、脱変周式を含む多様なATS信号に対応して列車検知を行うことが可能になる。また、ATS信号に含まれる複数の周波数に対応した回路を個別に設ける必要がないので、小型化および低コスト化が可能である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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