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公開番号
2024169966
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-06
出願番号
2023086853
出願日
2023-05-26
発明の名称
鉄道車両の床構造
出願人
近畿車輌株式会社
代理人
個人
主分類
B61D
17/10 20060101AFI20241129BHJP(鉄道)
要約
【課題】防音性と耐火性能を有する軽量な床構造を簡便に形成する。
【解決手段】台枠上に配置された下板と、
前記下板上に配置された下側断熱材と、
前記下板上に支持台で保持された制振板と、
前記制振板上に配置された耐火パネルと、
前記下板と前記下側断熱材との間、前記下側断熱材と前記制振板の間の少なくとも1カ所に、膨張性耐火塗料が塗布されている鉄道車両の床構造。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
台枠上に配置された下板と、
前記下板上に配置された下側断熱材と、
前記下板上に支持台で保持された制振板と、
前記制振板上に配置された耐火パネルと、
前記下板と前記下側断熱材との間、前記下側断熱材と前記制振板の間の少なくとも1カ所に、膨張性耐火塗料が塗布されている鉄道車両の床構造。
続きを表示(約 460 文字)
【請求項2】
さらに、
前記制振板上に配置された上側断熱材を有し、
前記耐火パネルは前記上側断熱材の上に配置され、
前記下板と前記下側断熱材との間、前記下側断熱材と前記制振板の間、前記制振板と前記上側断熱材との間若しくは前記上側断熱材と前記耐火パネルとの間の少なくとも1カ所に、膨張性耐火塗料が塗布されている請求項1に記載された鉄道車両の床構造。
【請求項3】
前記上側断熱材の密度は、前記下側断熱材の密度より小さい請求項2に記載された鉄道車両の床構造。
【請求項4】
前記制振板は樹脂板の両面を鋼板で挟んで固定したものである請求項1乃至3の何れか一の請求項に記載された鉄道車両の床構造。
【請求項5】
前記制振板は、リブが設けられた鋼板である請求項1乃至3の何れか一の請求項に記載された鉄道車両の床構造。
【請求項6】
前記支持台がエラストマーで構成されている請求項1乃至3の何れか一の請求項に記載された鉄道車両の床構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は鉄道車両の床構造に関するものであり、特に防音性と耐火性能を有する床構造を簡便に製造することができる構成を提供するものである。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の場合、床下には、車輪を駆動するモータおよびその制御回路が懸架されており、大電流が流れるため火災の可能性がある。そのため、鉄道車両は万一火災が生じた場合に一定時間延焼を遅延できるような耐火性能が求められている。
【0003】
このような耐火性能を実現する耐火構造として、特許文献1には、台枠の下方にサブフロアを形成し、そこに断熱材を配置する構成が知られている。このような構造は、耐火性能を有する上に、断熱材自体が防音材ともなり、耐火性能と防音性を兼ね備える構造と言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-130953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サブフロアを形成し、断熱材を配置する構成は、耐火性能および防音性を発揮させることができるので、効果的であると言える。しかし、サブフロアを形成する分だけ車体重量は重くなり、工数の増加とそれに伴うコストアップといった課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みて想到されたものであり、耐火性能と防音性を兼ね備え、さらに軽量にできる鉄道車両の床構造を提供するものである。
【0007】
より具体的に本発明に係る鉄道車両の床構造は、
台枠上に配置された下板と、
前記下板上に配置された下側断熱材と、
前記下板上に支持台で保持された制振板と、
前記制振板上に配置された耐火パネルと、
前記下板と前記下側断熱材との間、前記下側断熱材と前記制振板の間の少なくとも1カ所に、膨張性耐火塗料が塗布されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る鉄道車両の床構造は、台枠上の下板と、下板より上に配置さえた耐火パネルの間に制振板を配置し、その下方に膨張性耐火塗料と断熱材を配置したので、制振板と断熱材によって防音性を発揮させ、台枠下方からの火災に関しては、膨張性耐火塗料が膨張し炭化することで変化した耐火材と、断熱材と、膨張性耐火塗料が膨張する際に断熱材中に浸み込み炭化することで得られる耐火断熱材の3層による耐火および断熱効果で客車への火災の延焼や高熱の伝導を抑制することができる。
【0009】
また、本発明に係る鉄道車両の床構造において、さらに制振板上にも断熱材と膨張性耐火塗料を配置したので、制振板の下側の構成と合わせ、通常時には防音性に寄与し、火災時には制振板の下側だけの構成でなく上側の構成とともに、さらに耐火および断熱効果が高まる。
【0010】
また、制振板の上下に断熱材と膨張性耐火塗料を配置するので、下方からの炎に対し、制振板の下側での耐火効果と上側での耐火効果が時間差を持った2段階で作用するため、客室内への延焼と温度上昇を効果的に遅延させることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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