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公開番号2023181823
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-12-25
出願番号2022095174
出願日2022-06-13
発明の名称レール破断検知装置
出願人大同信号株式会社
代理人個人
主分類B61L 23/00 20060101AFI20231218BHJP(鉄道)
要約【課題】鉄道の軌道をなすレール対の左右レールを適宜短絡してインピーダンスボンドを不要にした軌道回路に対して帰線電流とは異なる検査信号を流してレールの破断状態と列車在線の有無とを検出しうるレール破断検知装置を実現する。
【解決手段】レール対11&12等に付設された区間端短絡ライン22等や区間内短絡ライン21aa等と、該ラインに接続された巡回電路形成部材30と、該ラインに検査信号を送出する送信部40と、ライン21aa等から検査信号の分流信号k1等を測定する計測部81等と、不平衡化手段25とを備え、対をなす分流信号k1&k2等の測定値から不平衡率αを算出する判定部82等が、不平衡率αの経時変化から時間当たり変化率γを算出し、更に、それらα,γの変化に応じて在線状態と非在線状態とレール破断状態とのうち何れか一つの状態を選ぶようにする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
鉄道の軌道をなすレール対の複数箇所に付設されて夫々の付設箇所で前記レール対の左右レールについて帰線電流を短絡させる複数の区間端短絡ライン及び区間内短絡ラインと、前記区間端短絡ライン及び前記区間内短絡ラインに接続されて前記レール対と共に巡回する電路を形成する巡回電路形成部材と、前記巡回電路形成部材を介して前記区間内短絡ラインに対して帰線電流とは異なる検査信号を送出する送信部と、前記区間内短絡ラインについて巡回電路形成部材の接続箇所の両側で前記検査信号に係る一対の分流信号を測定する計測部と、対をなす前記分流信号の釣り合い状態をレール破断の無い状態では平衡状態から遠ざける又は不平衡状態にする不平衡化手段と、対をなす前記分流信号の測定値に基づいてレール破断と列車在線とに係る判定を行う判定部とを備えているレール破断検知装置において、
前記不平衡状態の度合いを比率で示す不平衡率を前記分流信号の測定値から算出する手段と、前記不平衡率の経時変化に基づいてその時間当たり変化率を算出する手段とを具備し、前記判定手段が前記不平衡率と前記時間当たり変化率との変化に応じて在線状態と非在線状態とレール破断状態とのうち何れか一つの状態を選択するようになっている、ことを特徴とするレール破断検知装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記判定手段が、動作開始時には、前記不平衡率に係る大中小の分類に応じて前記在線状態と前記非在線状態と前記レール破断状態とから何れか一つを選出して初期状態に採用するようになっている、ことを特徴とする請求項1記載のレール破断検知装置。
【請求項3】
前記判定手段が、前記不平衡率に係る大中小の分類に加えて、前記時間当たり変化率に係る大小の分類も、遷移先状態の選択要因とするものである、ことを特徴とする請求項2記載のレール破断検知装置。
【請求項4】
前記判定手段が、前記在線状態のときには、前記不平衡率の分類が小の間は前記在線状態を維持し、前記不平衡率の分類が中になっても前記時間当たり変化率が小であれば前記在線状態を維持し、前記不平衡率の分類が中になり而も前記時間当たり変化率が大になったときには前記非在線状態に状態遷移し、前記不平衡率の分類が大になったときには前記レール破断状態に状態遷移するようになっている、ことを特徴とする請求項3記載のレール破断検知装置。
【請求項5】
前記判定手段が、前記非在線状態のときには、前記不平衡率の分類が中の間は前記非在線状態を維持し、前記不平衡率の分類が小になっても前記時間当たり変化率が小であれば前記非在線状態を維持し、前記不平衡率の分類が小になり而も前記時間当たり変化率が大になったときには前記在線状態に状態遷移し、前記不平衡率の分類が大になったときには前記レール破断状態に状態遷移するようになっている、ことを特徴とする請求項3記載のレール破断検知装置。
【請求項6】
前記判定手段が、前記レール破断状態のときには、前記不平衡率の分類が大の間は前記レール破断状態を維持し、前記不平衡率の分類が中になったときには前記非在線状態に状態遷移し、前記不平衡率の分類が小になったときには前記在線状態に状態遷移し、
前記在線状態のときには、前記不平衡率の分類が小の間は前記在線状態を維持し、前記不平衡率の分類が中になっても前記時間当たり変化率が小であれば前記在線状態を維持し、前記不平衡率の分類が中になり而も前記時間当たり変化率が大になったときには前記非在線状態に状態遷移し、前記不平衡率の分類が大になったときには前記レール破断状態に状態遷移し、
前記非在線状態のときには、前記不平衡率の分類が中の間は前記非在線状態を維持し、前記不平衡率の分類が小になっても前記時間当たり変化率が小であれば前記非在線状態を維持し、前記不平衡率の分類が小になり而も前記時間当たり変化率が大になったときには前記在線状態に状態遷移し、前記不平衡率の分類が大になったときには前記レール破断状態に状態遷移するようになっている、ことを特徴とする請求項3記載のレール破断検知装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、列車が走行するためのレールについてその破断状態と列車等の在線状態とを検出するレール破断検知装置に関する。
詳しくは、レール対からなる鉄道の軌道における通電区間の通電状態に基づいて該当区間に係るレール破断状態や列車在線状態を判別するレール破断検知装置に関する。
更に詳しくは、レール対の左右レールを適宜通電可能にしてインピーダンスボンドを不要にした軌道回路に対して電車走行時の帰線電流(電車電流,電気車電流)とは異なる検査信号を流してレールの破断状態に加え列車在線の有無をも検出しうるレール破断検知装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【0002】
なお、レール破断状態を示す情報としては、左右のレール(海側レール/山側レール,)に係る二つの測定値について「差を和で割った不平衡率α」や「電圧比をデシベルで表した平衡度」が典型的であるが、軌道回路の平衡状態・不平衡状態の具合・程度を表す物理量・数値であれば例えば両測定値の差など他の算出値であっても良いので、それらを総称して本願では「平衡状態値」や「平衡状態値k0」などと呼ぶ。
【背景技術】
【0003】
軌道回路を使用した従来のレール破断検知装置は(例えば非特許文献1参照)、帰線電流の流れていない夜間や架線停電時でもレール破断を検出することができるという利点があるものの、軌道の検知対象区間に対して一方の区間端から信号を送信して該信号を左右レールで一巡的に伝達させながら他方の区間端で受信することで軌間電圧の有無すなわち左右レール間の電圧の有無を調べてレール破断検知を行うものなので、左右のレールを単純に短絡することが出来ないという制約がある。
そのため、無線の使用等にて軌道回路を用いないで列車検知を行う列車制御システムを導入する際には、インピーダンスボンドの無い又は不要な無絶縁軌道回路に対しても使用することができるレール破断検知装置が望ましい。
【0004】
そこで、左右のレールを帰線電流に対して適宜短絡してインピーダンスボンドを不要にした軌道回路に帰線電流とは異なる検査信号を流してレール破断状態を検出しうるレール破断検知装置を実現することが望まれていた。
もっとも、無線等利用にてインピーダンスボンド不要になった列車制御システムであっても、制御対象から外れがちな保守用車の置き忘れなども防ぐことが望まれることから、レール破断状態の検出にとどまらず、列車や保守用車の在線の有無をも簡便かつ適切に検出できるようにすることも望まれる。
【0005】
そして、そのような要望を解決するものとして、レール破断の有無に加えて列車在線の有無をも簡便に検出しうるレール破断検知装置が開発されている(例えば特許文献1,2参照)。
本願発明は、そのようなレール破断検知装置の更なる改良に係るものなので、本欄においては、先ず、従前の改良を施した単線用の公知なレール破断検知装置20を説明し(例えば特許文献1,2の実施例1も参照)、次いで、やはり従前の改良を施した複線用の公知なレール破断検知装置70を説明する(例えば特許文献1の実施例5や特許文献2の実施例4も参照)。
【0006】
[単線用の公知改良例1]
単線用の公知改良例1であるレール破断検知装置20について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
【0007】
図6(a)は、鉄道の軌道の典型例である複線10における四本のレール11~14の配置例を示している。また、図6(b)は、下りの単線部分(11&12)に設置されたレール破断検知装置20に係る概要ブロック図であり、図6(c)は、その計測部50と判定部60とに係る詳細ブロック図である。さらに、図7は、分流信号i1,i2の測定値k1,k2に基づいて得られる平衡状態値k0を軌道回路の不平衡率α(=|k1-k2|/(k1+k2)×100%)で示す模式図である。
【0008】
レール破断検知装置20の設置先である鉄道の軌道は、下り線と上り線とが少し離れて並走する複線10が典型的なものであり(図6(a)参照)、そのうち下り線は、山側(進行列車からは左側)のレール11と海側(進行列車からは右側)のレール12とが並走するレール対11&12からなり、上り線は、山側(進行列車からは右側)のレール13と海側(進行列車からは左側)のレール14とが並走する別レール対13&14からなる。なお、単線では、何れか一方のレール対だけが設けられていて、それが上り下りに共用され、複々線等ではより多くのレール対が設けられていて、それらが使い分けられる。
【0009】
レール破断検知装置20は(図6(b)参照)、複線10のうちレール対11&12に対して適用された基本構成のものであり、レール対11&12の複数箇所に例えば1kmといった適宜距離だけ離れて付設された複数の区間端短絡ライン21,22と、そのうちの区間端短絡ライン21に付設された不平衡化手段25と、一端が区間端短絡ライン21に接続され他端が区間端短絡ライン22に接続された巡回電路形成部材30と、この巡回電路形成部材30に対して検査信号i0を送出する送信部40と、巡回電路形成部材30を接続された区間端短絡ライン22のうち巡回電路形成部材30の接続箇所22cで両側に分けられる部分ライン22a,22bそれぞれについて検査信号i0に係る一対の分流信号i1,i2を測定する計測部50と、それらの測定値k1,k2から算出された平衡状態値k0に基づいてレール破断に係る判定を行う判定部60とを備えている。
【0010】
区間端短絡ライン21は(図6(b)参照)、電線や銅板などの良導体からなり、一端が区間端11aの所でレール11に接続され、他端が区間端12aの所でレール12に接続されていて、区間端11a,12aの所で左右レール11,12を短絡するものとなっている。この区間端短絡ライン21には接続箇所21cの所で巡回電路形成部材30の一端が接続されていて、区間端短絡ライン21は、レール11の区間端11a寄りの部分ライン21aと、レール12の区間端12a寄りの部分ライン21bとに分けられる。
(【0011】以降は省略されています)

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