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公開番号2023119628
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-08-29
出願番号2022022588
出願日2022-02-17
発明の名称シリンダ装置
出願人KYB株式会社
代理人個人
主分類B61F 5/24 20060101AFI20230822BHJP(鉄道)
要約【課題】大型化を招かずにアクチュエータとしての機能を発揮しつつも、ダンパとして機能する際に減衰係数を向上できるシリンダ装置を提供する。
【解決手段】本発明のシリンダ装置Cは、伸縮ユニット1と、タンク7と、伸縮ユニット1におけるシリンダ2とタンク7との間に設けられるアクチュエータ回路Aとダンパ回路Dとを備え、アクチュエータ回路Aは、ロッド側室5とタンク7とを連通する制御通路40に設けられた推力調整部FTを有し、ダンパ回路Dは、ピストン側室6を推力調整部FTに接続する圧側減衰通路26に圧側リリーフ弁27を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
シリンダと、前記シリンダ内に移動可能に挿入されるロッドと、前記シリンダ内に移動可能に挿入されるとともに前記ロッドに連結されて前記シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンとを有する伸縮ユニットと、
タンクと、
前記タンクから前記シリンダに液体を供給可能なポンプと、前記ロッド側室と前記タンクとを連通するとともに途中に可変リリーフ弁が設けられる調整通路と、前記ロッド側室と前記タンクとを連通するとともに途中にリリーフ弁とバイパス通路開閉弁とが直列に設けられるバイパス通路とを有して前記伸縮ユニットを伸縮駆動させ得るアクチュエータ回路と、
前記ロッド側室と前記ピストン側室とを連通する伸側減衰通路と、前記伸側減衰通路に設けられて前記ロッド側室から前記ピストン側室へ向かう液体の流れに抵抗を与える伸側リリーフ弁と、前記ピストン側室を前記バイパス通路の前記リリーフ弁と前記バイパス通路開閉弁との間に接続する圧側減衰通路と、前記圧側減衰通路に設けられて前記ピストン側室から前記タンクへ向かう液体の流れに抵抗を与える圧側リリーフ弁と、前記タンクと前記ピストン側室とを連通する吸込通路と、前記吸込通路に設けられて前記タンクから前記ピストン側室へ向かう液体の流れを許容する吸込チェック弁とを含むダンパ回路とを備え、
前記可変リリーフ弁と前記バイパス通路開閉弁とは同一のソレノイドによって駆動される電磁弁であって、
前記可変リリーフ弁は、前記ソレノイドの通電時に開弁圧の調整が可能であって、
前記バイパス通路開閉弁は、前記ソレノイドの通電時に閉弁するとともに前記ソレノイドの非通電時に開弁し、
前記ポンプを駆動するアクチュエータモード時に前記バイパス通路開閉弁を閉弁させてバイパス通路を遮断し、前記ポンプを停止させるダンパモード時に前記バイパス通路開閉弁を開弁させて前記バイパス通路を開放させる
ことを特徴とするシリンダ装置。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
シリンダと、前記シリンダ内に移動可能に挿入されるロッドと、前記シリンダ内に移動可能に挿入されるとともに前記ロッドに連結されて前記シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンとを有する伸縮ユニットと、
タンクと、
前記タンクから前記シリンダに液体を供給可能なポンプと、前記ロッド側室と前記タンクとを連通する制御通路と、前記制御通路に設けられた推力調整部とを有して、前記伸縮ユニットを伸縮駆動させ得るアクチュエータ回路と、
前記ロッド側室と前記ピストン側室とを連通する伸側減衰通路と、前記伸側減衰通路に設けられて前記ロッド側室から前記ピストン側室へ向かう液体の流れに抵抗を与える伸側リリーフ弁と、前記ピストン側室を前記推力調整部に接続する圧側減衰通路と、前記圧側減衰通路に設けられて前記ピストン側室から前記タンクへ向かう液体の流れに抵抗を与える圧側リリーフ弁と、前記タンクと前記ピストン側室とを連通する吸込通路と、前記吸込通路に設けられて前記タンクから前記ピストン側室へ向かう液体の流れを許容する吸込チェック弁とを含むダンパ回路とを備え、
前記推力調整部は、前記制御通路の途中に設けられた調整通路と、前記ロッド側室側の圧力が開弁圧に達すると開弁するリリーフ弁と、通電により開弁圧の調整が可能な可変リリーフ弁とを有し、前記調整通路に前記ロッド側室側から順に前記リリーフ弁と前記可変リリーフ弁とが直列に配置され、
前記圧側減衰通路は、前記ピストン側室を前記調整通路の前記リリーフ弁と前記可変リリーフ弁との間に接続する
ことを特徴とするシリンダ装置。
【請求項3】
前記伸側リリーフ弁の開弁圧は、前記可変リリーフ弁が前記アクチュエータモード時に採り得る最大開弁圧より高い
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、シリンダ装置は、推力を発揮し、推力を作用させる対象を駆動したり、対象の変位を助成したり、前記対象の振動を抑制したりする。たとえば、鉄道車両における車体を対象とする場合、シリンダ装置は、鉄道車両の車体と台車との間に水平に介装されて、車体の進行方向に対して左右方向の振動を抑制する目的で使用される。そして、シリンダ装置には、たとえば、積極的に推力を車体へ与えて車体の振動を抑制するアクチュエータとしても、車体の振動によって伸縮する際に減衰力を発生して車体の振動を抑制するダンパとしても機能できるものがある。
【0003】
このようなシリンダ装置は、たとえば、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、シリンダ内に移動可能に挿入されるとともにロッドに連結されるとともにシリンダ内を作動油が充填されたロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、作動油を貯留するタンクと、ロッド側室とピストン側室とを連通する第1通路に設けられた第1開閉弁と、ピストン側室とタンクとを連通する第2通路に設けられた第2開閉弁と、ロッド側室へ液体を供給するポンプと、ポンプを駆動するモータと、ロッド側室とタンクとを連通する排出通路と、排出通路に設けられた開弁圧を変更可能な可変リリーフ弁と、ピストン側室からロッド側室へ向かう液体の流れのみを許容する整流通路と、タンクからピストン側室へ向かう液体の流れのみを許容する吸込通路とを備えている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
このように構成されたシリンダ装置は、ポンプを停止して第1開閉弁と第2開閉弁とを閉弁させるとダンパモードとなり、外力を受けて伸縮作動すると作動油がタンク、ピストン側室、ロッド側室を順番に巡ってタンクへ到達するユニフロー型のダンパとして機能する。そして、シリンダ装置は、伸縮作動時にシリンダ内から排出通路を通じてタンクへ排出される作動油の流れに可変リリーフ弁により抵抗を与えて、伸縮を妨げる減衰力を発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-060438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように従来のシリンダ装置は、必要に応じてアクチュエータとしてもダンパとしても機能できるが、ダンパモードでは、ユニフロー型のダンパとして機能する。ダンパモードのシリンダ装置では、伸長作動時に縮小するロッド側室内から作動油が可変リリーフ弁を通じてタンクに排出されるとともに拡大するピストン側室には吸込通路を介してタンクから作動油が供給される。よって、ダンパモードのシリンダ装置は、伸長作動する場合、ピストンのロッド側室に臨む受圧面に可変リリーフ弁によって上昇するロッド側室内の圧力が作用し、ピストンのピストン側室に臨む受圧面にタンク圧が作用する。タンク圧を0と看做すと伸長作動時のダンパモードのシリンダ装置は、ロッド側室内の圧力にピストンのロッド側室側の受圧面積を乗じた値の減衰力を発生する。
【0007】
他方、ダンパモードのシリンダ装置が収縮作動を呈すると、縮小されるピストン側室から整流通路を通じてロッド側室へ作動油が移動するとともに、シリンダ内にロッドが侵入する体積分の作動油がシリンダ内から可変リリーフ弁を通じてタンクへ排出される。よって、ダンパモードのシリンダ装置は、収縮作動する場合、ピストンのロッド側室側の受圧面積とピストン側室側の受圧面とにそれぞれ等しく可変リリーフ弁によって昇圧されたシリンダ内の圧力が作用する。ピストンのロッド側室側の受圧面積とピストン側室側の受圧面積との差は、ロッドの断面積に等しいので、収縮作動時のダンパモードのシリンダ装置は、シリンダ内の圧力にロッドの断面積を乗じた値の減衰力を発生する。
【0008】
シリンダ装置は、車体の台車に対する左右方向の振動を抑制するものであるから、伸長作動時の減衰力と収縮作動時の減衰力とに偏りがあると伸縮を繰り返すうちに、台車に対して車体が減衰力の小さい方の作動方向へ偏ってしまって好ましくない。そこで、ユニフロー型のダンパとして機能するシリンダ装置は、ロッドの断面積をピストンの断面積の二分の一に設定して、伸長作動しても収縮作動してもシリンダ内でのストローク量が同じであれば等しい流量の作動油が可変リリーフ弁を通過するようにしており、伸長作動時と収縮作動時とで等しい減衰力を発生可能とされている。このように従来のシリンダ装置では、ロッド径とピストン径とに設計上の制約がある。
【0009】
ここで、シリンダ装置の作動媒体である作動油は、粘弾性を有しており、シリンダ装置の減衰係数を高くして大きな減衰力を発生させるには、油柱剛性を高くする必要がある。油柱剛性を高くするには、ピストンの受圧面積を大きくする必要があるので、シリンダ径を大きくすればよいのであるが、そうするとロッド径も大きくなって鉄道車両の他の機器との干渉する恐れがあって、シリンダ径の大径化は難しい。
【0010】
他方、伸長時にロッド側室からピストン側室へ移動する作動油の流れに伸側のリリーフ弁で抵抗を与えて伸側減衰力を発生し、収縮時にピストン側室からタンクへ移動する作動油の流れに圧側のリリーフ弁で抵抗を与えて圧側減衰力を発生するバイフロー型のダンパでは、伸側減衰力と圧側減衰力とをそれぞれ伸側のリリーフ弁と圧側のリリーフ弁で任意に設定できるので、シリンダ径の大型化を招かずに減衰係数を高くできる。しかしながら、バイフロー型のダンパでは、ピストン側室に作動油を供給すると圧側のリリーフ弁からタンクへ作動油が逃げてしまってアクチュエータとして利用することが難しい。
(【0011】以降は省略されています)

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