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公開番号2024020892
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-15
出願番号2022123431
出願日2022-08-02
発明の名称地上子
出願人日本信号株式会社
代理人個人,個人
主分類B61L 23/14 20060101AFI20240207BHJP(鉄道)
要約【課題】周波数の異なる複数のATS信号に対する受信レベルの低下を抑えて信号対雑音比を改善できる地上子を提供する。
【解決手段】地上子1は、列車から送信されるATS信号を受信可能な受信コイル2を含む。受信コイル2は、0の字状に巻かれた第1コイル部21と、第1コイル部21と同じ巻き方向で第1コイル部21よりも小さな0の字状に連続して巻かれた第2コイル部22と、を有している。第1および第2コイル部21,22は、上下方向に重ねて配置され、かつ、各々の中心が列車の進行方向Dtと直交する方向にずらして配置されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
列車から送信されるATS信号を受信可能な受信コイルを含む地上子であって、
前記受信コイルは、0の字状に巻かれた第1コイル部と、該第1コイル部と同じ巻き方向で前記第1コイル部よりも小さな0の字状に連続して巻かれた第2コイル部と、を有し、
前記第1および第2コイル部は、上下方向に重ねて配置され、かつ、各々の中心が前記列車の進行方向と直交する方向にずらして配置されている、地上子。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記第2コイル部のコイル面は、前記第1コイル部のコイル面の1/2の面積を有し、
前記第2コイル部は、平面視で、前記第1コイル部の内側、かつ、前記第1コイル部における前記列車の進行方向と直交する方向の中心を通る中心線の片側に配置されている、請求項1に記載の地上子。
【請求項3】
前記第2コイル部は、前記第1コイル部の下方側に配置されており、
前記受信コイルは、前記第1コイル部の下方側、かつ、前記中心線に対して前記第2コイル部とは反対側に配置され、前記第1コイル部を支持する支持部を有し、該支持部によって前記第1および第2コイル部の各コイル面が略水平に保持されている、請求項2に記載の地上子。
【請求項4】
前記第2コイル部は、前記第1コイル部の上方側に配置されている、請求項2に記載の地上子。
【請求項5】
前記受信コイルは、前記列車から情報波として送信されるATS-S信号と、該ATS-S信号とは周波数が異なり、前記列車から電力波として送信されるATS-P信号と、を受信可能に構成されている、請求項1に記載の地上子。
【請求項6】
前記受信コイルで受信された前記ATS信号の受信状態を示す信号を踏切用列車検知装置に出力可能に構成されている、請求項1に記載の地上子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、列車から送信されるATS信号を受信可能な受信コイルを含む地上子に関し、特に、ATS信号を利用した列車検知に用いられる地上子に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、踏切道に設置された踏切警報機や踏切遮断機等を自動的に制御するために列車を検知する方式として、車軸によるレール短絡を利用した軌道回路による連続制御方式と、踏切制御子による点制御方式が一般に使用されている。踏切制御子には、レールを電流帰還回路の一部に使用した発振式と、高出力・高短絡電流の送受信式(H形)とがある。また、軌道回路や踏切制御子による列車検知のバックアップとして、列車に設置されたATS車上装置から送信されるATS信号(常時発振信号)を受けて列車を検知する方式も知られている。
【0003】
列車からのATS信号を地上側で受信するために使用される地上子は、元来、ATS車上装置の車上子から情報波として送信される周波数が103kHzのATS-S信号を受信するために、該車上子の送信コイルの形状に合わせて0の字状に巻かれた受信コイルを有していた。そして、車上子から地上子用電力波として送信される周波数が245kHzのATS-P信号が登場すると、ATS-S信号およびATS-P信号を地上子で受信するために、該地上子の受信コイルは、ATS-P信号に対応した送信コイルの形状に合わせて8の字状になるように巻かれていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2001-343456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような8の字状に巻かれた受信コイルを有する従来の地上子は、ATS-P信号を効率よく受信できるものの、ATS-S信号については、元来の0の字状に巻かれた受信コイルを有する地上子と比較すると受信レベルの低下が生じていた。このような従来の地上子により受信されるATS信号を利用して列車を検知する踏切バックアップ装置等では、列車からのATS信号とは別に、地上子の故障を検知するための照査信号が受信コイルに常時送信されている場合がある。この場合、該照査信号のレベルをATS-S信号の低下した受信レベルに合わせて調整する必要があり、元来の0の字状に巻かれた受信コイルの場合と比較して信号対雑音比(SN比)が悪化してしまい、帰線ノイズ等への対策が困難になるという課題があった。
【0006】
本発明は上記の点に着目してなされたもので、周波数の異なる複数のATS信号に対する受信レベルの低下を抑えて信号対雑音比を改善できる地上子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の一態様は、列車から送信されるATS信号を受信可能な受信コイルを含む地上子を提供する。この地上子における前記受信コイルは、0の字状に巻かれた第1コイル部と、該第1コイル部と同じ巻き方向で前記第1コイル部よりも小さな0の字状に連続して巻かれた第2コイル部と、を有し、前記第1および第2コイル部は、上下方向に重ねて配置され、かつ、各々の中心が前記列車の進行方向と直交する方向にずらして配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る地上子によれば、周波数の異なる複数のATS信号に対して良好な受信レベルを実現することができ、信号対雑音比の改善を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に係る地上子の概略構成を示す図である。
上記実施形態における受信コイルおよび照査コイルを組みつけた状態を上方側から見た平面図である。
上記実施形態におけるATS-P信号の受信時の動作を説明するための概念図である。
上記実施形態におけるATS-S信号の受信時の動作を説明するための概念図である。
上記実施形態に関連する変形例の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る地上子の概略構成を示す図である。また、図2は、図1の地上子における受信コイルおよび照査コイルを組みつけた状態を上方側から見た平面図である。なお、以下で説明する各図面において、矢印Dt方向は、地上子の上方を通過する列車の進行方向を示している。また、矢印D1方向は、地上子における列車の進行方向Dtと平行な方向(前後方向)を示している。さらに、矢印D2方向は、地上子における列車の進行方向Dtと直交する方向(幅方向)を示している。加えて、矢印D3方向は、地上子における前後方向D1および幅方向D2のそれぞれと直交する方向(上下方向)を示している。
(【0011】以降は省略されています)

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