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公開番号2024166146
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2024079126
出願日2024-05-15
発明の名称植物性ミルク発酵物及びその製造方法
出願人合同酒精株式会社
代理人
主分類A23C 9/127 20060101AFI20241121BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】豆乳等の植物性ミルク発酵物において、冷蔵保存日数が経過しても、植物性ミルク発酵物中の乳酸菌生菌数の低下が生じにくい、豆乳等の植物性ミルク発酵物、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】植物性ミルクと、乳酸菌と、プロテインホスファターゼと、リン酸と、を含有する植物性ミルク発酵物。前記リン酸含量が、植物固形分を基準として10~40μmol/gであることが好ましい。前記リン酸が、植物性ミルクに含まれるリン酸と、植物性ミルクを構成するリン酸化タンパク質から遊離したリン酸と、フィチン酸から遊離したリン酸であることが好ましい。
【選択図】図18
特許請求の範囲【請求項1】
植物性ミルクと、乳酸菌及び/又はビフィズス菌と、プロテインホスファターゼと、リン酸と、を含有する植物性ミルク発酵物。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記リン酸含量が、植物固形分を基準として10~40μmol/gである請求項1に記載の植物性ミルク発酵物。
【請求項3】
前記リン酸が、植物性ミルクに含まれるリン酸と、植物性ミルクを構成するリン酸化タンパク質から遊離したリン酸と、フィチン酸から遊離したリン酸である請求項1又は2記載の植物性ミルク発酵物。
【請求項4】
前記プロテインホスファターゼが失活した状態で存在する請求項1~3いずれか1項に記載の植物性ミルク発酵物。
【請求項5】
請求項1~4いずれか1項に記載の植物性ミルクが、豆乳である豆乳発酵物。
【請求項6】
前記植物性ミルク発酵物を冷蔵保存31日後の前記乳酸菌生存率が、冷蔵保存0日後の乳酸菌生存数を基準として30%以上である請求項1~4いずれか1項に記載の植物性ミルク発酵物または請求項5に記載の豆乳発酵物。
【請求項7】
前記植物性ミルク発酵物の破断荷重が2.0N以下である請求項1~4いずれか1項に記載の植物性ミルク発酵物または請求項5に記載の豆乳発酵物。
【請求項8】
植物性ミルクを調製する第1工程と
植物性ミルクと、乳酸菌及び/又はビフィズス菌と、を混合し、混合液を得る第2工程と、
上記混合液を発酵させる第3工程と、
を順次行う植物性ミルク発酵物の製造方法であって、
第3工程が終了する前に、プロテインホスファターゼを添加する工程を行うことを特徴とする植物性ミルク発酵物の製造方法。
【請求項9】
前記プロテインホスファターゼ添加工程を前記第2工程と略同時に行うことを特徴とする請求項8記載の植物性ミルク発酵物の製造方法。
【請求項10】
前記プロテインホスファターゼの添加量が、前記植物性ミルクの全質量を基準として、0.01~50U/gである、請求項8又は9記載の植物性ミルク発酵物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、植物性ミルク発酵物及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、食品ロス削減のため、食品業界において賞味期限延長の技術が求められている。生菌タイプの発酵乳、乳酸菌飲料等の発酵乳製品では、未開封にて10度以下で保存した場合、賞味期限内は、菌数、栄養価、風味など品質に変わりはないとされており、乳酸菌の生菌数は賞味期限に関わる要素の一つである。発酵乳製品における乳酸菌の生菌数は、製造後から賞味期限までの間、一定レベル以上を保つことが要求される。しかし、乳酸菌生菌数は、発酵乳製品の保存日数の経過と共に減少する傾向にある。
【0003】
これまで、発酵乳製品中の乳酸菌の生菌数維持を目的に、特許文献1にはプロピオン酸菌の発酵物を乳酸菌スターターと同時に添加する方法が開示されている。特許文献2には原料乳に乳酸菌スターターを摂取して発酵させた後、乳酸菌をさらに添加する方法が開示されている。
【0004】
最近では、健康志向の高まり、嗜好性の多様化などを背景に、発酵乳の原料乳として豆乳等の植物性ミルクを利用した植物性ミルク発酵物の開発が進んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-097081号公報
特開2019-118311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
豆乳等の植物性ミルクを利用した植物性ミルク発酵物は、原料乳が牛乳である発酵乳製品に比べ、製造後の冷蔵保存中における乳酸菌生菌数が特に減少しやすい課題があった。本発明は、豆乳等の植物性ミルク発酵物中の乳酸菌の生菌数を長期間維持する新規の技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、植物性ミルク発酵物において、豆乳等の植物性ミルクに添加したプロテインホスファターゼの作用により脱リン酸化したタンパク質が、上記発酵物中のタンパク構造に変化をもたらすことにより乳酸菌の保護に関わり、冷蔵保存中の乳酸菌数の低下を長期間抑制することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の(1)~(10)を提供するものである。
(1)植物性ミルクと、乳酸菌及び/又はビフィズス菌と、プロテインホスファターゼと、リン酸と、を含有する植物性ミルク発酵物。
(2)前記リン酸含量が、植物固形分を基準として10~40μmol/gである(1)に記載の植物性ミルク発酵物。
(3)前記リン酸が、植物性ミルクに含まれるリン酸と、植物性ミルクを構成するリン酸化タンパク質から遊離したリン酸と、フィチン酸から遊離したリン酸である(1)又は(2)記載の植物性ミルク発酵物。
(4)前記プロテインホスファターゼが失活した状態で存在する(1)~(3)いずれか1項に記載の植物性ミルク発酵物。
(5)(1)~(4)いずれか1項に記載の植物性ミルクが、豆乳である豆乳発酵物。
(6)前記植物性ミルク発酵物を冷蔵保存31日後の前記乳酸菌生存率が、冷蔵保存0日後の乳酸菌生存数を基準として30%以上である(1)~(4)いずれか1項に記載の植物性ミルク発酵物または(5)に記載の豆乳発酵物。
(7)前記植物性ミルク発酵物の破断荷重が2.0N以下である(1)~(4)いずれか1項に記載の植物性ミルク発酵物または(5)に記載の豆乳発酵物。
(8)植物性ミルクを調製する第1工程と
植物性ミルクと、乳酸菌及び/又はビフィズス菌と、を混合し、混合液を得る第2工程と、
上記混合液を発酵させる第3工程と、
を順次行う植物性ミルク発酵物の製造方法であって、
第3工程が終了する前に、プロテインホスファターゼを添加する工程を行うことを特徴とする植物性ミルク発酵物の製造方法。
(9)前記プロテインホスファターゼ添加工程を前記第2工程と略同時に行うことを特徴とする(8)記載の植物性ミルク発酵物の製造方法。
(10)前記プロテインホスファターゼの添加量が、前記植物性ミルクの全質量を基準として、0.01~50U/gである、(8)又は(9)記載の植物性ミルク発酵物の製造方法。
(11)(8)~(10)いずれか1項に記載の植物性ミルクが、豆乳である豆乳発酵物の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、豆乳等の植物性ミルク発酵物の冷蔵保存日数が経過しても、植物性ミルク発酵物中の乳酸菌生菌数の低下が生じにくい、豆乳等の植物性ミルク発酵物、及びその製造方法を提供することができる。また、植物性ミルク発酵物の離水を抑制することができ、さらに、豆乳等の植物性ミルク発酵物中のビフィズス菌数が増加した豆乳等の植物性ミルク発酵物、及びその製造方法を提供することができる。
当該発酵物は、通常の豆乳等の植物性ミルク発酵物よりも、長期間(発酵終了時点より約30日間)、乳酸菌の生菌数を維持し、更に離水を抑制することで、植物性ミルク発酵物の賞味期限延長に寄与し、食品ロスの削減につながる。さらに植物性ミルク発酵物中のビフィズス菌が増加することで、腸内環境の改善に繋がり人々の健康へ寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
大豆固形分8%の豆乳発酵物保存時におけるpHの変化を示す図である。
大豆固形分9%の豆乳発酵物保存時におけるpHの変化を示す図である。
大豆固形分10%の豆乳発酵物保存時におけるpHの変化を示す図である。
大豆固形分8%の豆乳発酵物保存時における乳酸菌生菌数の変化を示した図である。
大豆固形分8%の豆乳発酵物保存時における乳酸菌の生存率を示した図である。
大豆固形分9%の豆乳発酵物保存時における乳酸菌生菌数の変化を示した図である。
大豆固形分9%の豆乳発酵物保存時における乳酸菌の生存率を示した図である。
大豆固形分10%の豆乳発酵物保存時における乳酸菌生菌数の変化を示した図である。
大豆固形分10%の豆乳発酵物保存時における乳酸菌の生存率を示した図である。
大豆固形分8%の豆乳発酵物保存時における遊離リン酸濃度の変化をグラフで示した図である。
大豆固形分8%の豆乳発酵物保存時における遊離リン酸濃度の変化を数値で示した図である。
大豆固形分9%の豆乳発酵物保存時における遊離リン酸濃度の変化をグラフで示した図である。
大豆固形分9%の豆乳発酵物保存時における遊離リン酸濃度の変化を数値で示した図である。
大豆固形分10%の豆乳発酵物保存時における遊離リン酸濃度の変化をグラフで示した図である。
大豆固形分10%の豆乳発酵物保存時における遊離リン酸濃度の変化を数値で示した図である。
発酵終了時のpHを揃えた場合の豆乳発酵物保存時におけるpHの変化を示した図である。
発酵終了時のpHを揃えた場合の豆乳発酵物保存時における乳酸菌生菌数の変化を示した図である。
発酵終了時のpHを揃えた場合の豆乳発酵物保存時における乳酸菌の生存率を示した図である。
豆乳発酵物の離水率を棒グラフで示した図である。
大豆固形分8%の豆乳発酵物の破断強度解析結果である。
大豆固形分10%の豆乳発酵物の破断強度解析結果である。
豆乳発酵物発酵中におけるビフィズス菌生菌数の変化を示した図である。
豆乳発酵物保存時におけるビフィズス菌生菌数の変化を示した図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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