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公開番号2024162758
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023078626
出願日2023-05-11
発明の名称離型フィルム
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類B32B 27/00 20060101AFI20241114BHJP(積層体)
要約【課題】各種の粘着剤に対し超軽剥離性を実現しながらも、ブロッキングにより離型層の剥離特性が変化しにくい離型フィルム、及びその該離型フィルムを用いた粘着シート(フィルム積層体)を提供すること。
【解決手段】基材フィルムの一方の面に樹脂層(A)を備えた離型フィルムであって、前記樹脂層(A)は、シリコーン樹脂系離型剤を含み、乾燥後の厚みが0.2~2.0μmであり、樹脂層(A)の反対側のフィルム表面が下記(1)および(2)を満足する、離型フィルムである。
(1)平均表面粗さSa(B)が30nm以上であること
(2)表面積比Sdr(B)が3.5×10-2%以上であること
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基材フィルムの一方の面に樹脂層(A)を備えた離型フィルムであって、前記樹脂層(A)は、シリコーン樹脂系離型剤を含み、かつ乾燥後の厚みが0.2~2.0μmであり、該樹脂層(A)の反対側のフィルム表面が下記(1)および(2)を満足する、離型フィルム。
(1)平均表面粗さSa(B)が30nm以上であること
(2)表面積比Sdr(B)が3.5×10
-2
%以上であること
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
樹脂層(A)が設けられていない側のフィルム表面に樹脂層(B)を備えた、請求項1に記載の離型フィルム。
【請求項3】
前記樹脂層(B)が非シリコーン系離型剤を含む、請求項2に記載の離型フィルム。
【請求項4】
前記樹脂層(A)のナノインデンター装置を用いて測定した、25℃における弾性率が500MPa以下である、請求項1に記載の離型フィルム。
【請求項5】
前記非シリコーン系離型剤が、ワックス、長鎖アルキル基含有化合物、及びフッ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項3に記載の離型フィルム。
【請求項6】
前記樹脂層(B)の不揮発成分中における、離型剤の含有量が10~70質量%である、請求項3に記載の離型フィルム。
【請求項7】
前記樹脂層(B)が粒子を実質的に含有しない、請求項2に記載の離型フィルム。
【請求項8】
下記評価方法で測定した、樹脂層(A)の常態剥離力が5g/inch以下である、請求項1に記載の離型フィルム。
<評価方法>
前記離型フィルムの樹脂層(A)面にアクリル系粘着テープ(Tesa製の「No.7475」)を貼り付けた後、25mm×150mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置する。剥離力は引張速度0.3m/minの条件下で180°で剥離を行う。
【請求項9】
前記樹脂層(A)あるいは樹脂層(B)の少なくとも一方の層と前記基材フィルムとの間に下引き層を備える、請求項2に記載の離型フィルム。
【請求項10】
前記下引き層が帯電防止層である、請求項9に記載の離型フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、離型フィルム、粘着シート及び粘着シートの使用方法に関するものである。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムは、機械的強度、寸法安定性、耐薬品性、光学特性等に優れた特性を有し、コストパフォーマンスに優れるため、各種用途に使用されている。例えば、液晶ディスプレイ(以下、「LCD」と略記する。)用偏光板、位相差板製造用、プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と略記する。)構成部材製造用、有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」と略記する。)構成部材製造用等、各種ディスプレイ構成部材製造用等、各種光学用途等に使用されている。
【0003】
近年、光学用透明粘着シート(OCA)/有機EL(OLED)向けの粘着シート部材において、粘着剤設計の強粘着化、低弾性率化、薄膜化が進められている。それに伴い、粘着シートを保護するためのシリコーン離型フィルムに対しても従来よりも一層軽剥離なものが求められている。
シリコーン離型フィルムを軽剥離化する方法としては、硬化後にもシリコーン層内に残留する官能基の量が少なくなるような配合としたり、シリコーン層の厚さを厚塗りしたりする方法が挙げられる。
一方、上記のような方法によってシリコーン離型フィルムを軽剥離化させた場合、フィルムを巻き取ってロール状にした際、シリコーン層と反対面が貼り付く、ブロッキングが起こり、シリコーン層のダメージによる重剥離化、剥離帯電、フィルムの変形、粘着剤の濡れ性に不均一性を生じるなどの不具合を生じる場合があった。特に反対面に帯電防止層などのコート層(インラインコート層)を形成した場合、さらにブロッキングが酷くなる傾向にあった。そのため、ブロッキング防止対策として、例えば、基材フィルムに大きな粒子(滑剤)を含有させたり、フィルム上の樹脂層(コート層)に粒子を含有させる方法が用いられてきた(特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-255704号公報
特開2017-61081号公報
特開2016-165825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、基材フィルムに大きな粒子を含有させた場合、異物検査の障害になったり、大きい粒子に起因する突起によってキズが発生したり、粒子が脱落して異物が発生する場合があった。
【0006】
本発明は上記実状に鑑みなされたものであって、その解決課題は、各種の粘着剤に対し超軽剥離性を実現しながらも、ブロッキングにより離型層の剥離特性が変化しにくい離型フィルム、該離型フィルムを用いた粘着シート(フィルム積層体)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構成からなる離型フィルムを用いることにより、上記課題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の[1]~[23]を提供するものである。
[1]基材フィルムの一方の面に樹脂層(A)を備えた離型フィルムであって、前記樹脂層(A)は、シリコーン樹脂系離型剤を含み、かつ乾燥後の厚みが0.2~2.0μmであり、該樹脂層(A)の反対側のフィルム表面が下記(1)および(2)を満足する、離型フィルム。
(1)平均表面粗さSa(B)が30nm以上であること
(2)表面積比Sdr(B)が3.5×10
-2
%以上であること
[2]樹脂層(A)が設けられていない側のフィルム表面に樹脂層(B)を備えた、上記[1]に記載の離型フィルム。
[3]前記樹脂層(B)が非シリコーン系離型剤を含む、上記[2]に記載の離型フィルム。
[4]前記樹脂層(A)のナノインデンター装置を用いて測定した、25℃における弾性率が500MPa以下である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の離型フィルム。
[5]前記非シリコーン系離型剤が、ワックス、長鎖アルキル基含有化合物、及びフッ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[3]又は[4]に記載の離型フィルム。
[6]前記樹脂層(B)の不揮発成分中における、離型剤の含有量が10~70質量%である、上記[3]~[5]のいずれかに記載の離型フィルム。
[7]前記樹脂層(B)が粒子を実質的に含有しない、上記[2]~[6]のいずれかに記載の離型フィルム。
[8]下記評価方法で測定した、樹脂層(A)の常態剥離力が5g/inch以下である、上記[1]~[7]のいずれかに記載の離型フィルム。
<評価方法>
前記離型フィルムの樹脂層(A)面にアクリル系粘着テープ(Tesa製の「No.7475」)を貼り付けた後、25mm×150mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置する。剥離力は引張速度0.3m/minの条件下で180°で剥離を行う。
[9]前記樹脂層(A)あるいは樹脂層(B)の少なくとも一方の層と前記基材フィルムとの間に下引き層を備える、上記[2]~[8]のいずれかに記載の離型フィルム。
[10]前記下引き層が帯電防止層である、上記[9]に記載の離型フィルム。
[11]前記下引き層が下記化合物(a)~(c)を含有する、上記[9]又は[10]に記載の離型フィルム。
(a)チオフェンまたはチオフェン誘導体からなる化合物に、他の陰イオン化合物によりドーピングされた重合体、またはチオフェンまたはチオフェン誘導体からなる化合物中に陰イオン基を持ち自己ドープされた重合体
(b)ポリヒドロキシ化合物
(c)ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及びアクリル樹脂からなる群から選ばれる1種以上の化合物
[12]前記樹脂層(A)あるいは樹脂層(B)の少なくとも一方の表面の表面固有抵抗率が1×10
12
Ω/□以下である、上記[2]~[11]のいずれかに記載の離型フィルム。
[13]前記基材フィルムがポリエステルフィルムである、上記[1]~[12]のいずれかに記載の離型フィルム。
[14]前記ポリエステルフィルムが3層構成である、上記[13]に記載の離型フィルム。
[15]樹脂層(A)を設ける側とは反対側のフィルム表面層の厚み(t)と粒子の平均粒径(r)との関係(t/r)が2.0以下である、上記[14]に記載の離型フィルム。
[16]以下の方法で評価した前記樹脂層(A)のプレス後重剥離化率が100%以下である、上記[1]~[15]のいずれかに記載の離型フィルム。
<評価方法>
前記樹脂層(A)面にアクリル系粘着テープ(Tesa製の「No.7475」)を貼り付けた後、25mm×150mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置する。引張速度0.3m/minの条件下で180°で剥離した剥離力を(F1)とする。
次に、前記樹脂層(A)面に接触するように積層し、温度40℃、湿度90%RH、荷重1MPaで20時間プレス処理を行う。処理後の前記樹脂層(A)面に、アクリル系粘着テープ(Tesa製の「No.7475」)を貼り付けた後、25mm×150mmのサイズにカットし、室温にて1時間放置する。引張速度0.3m/minの条件下で180°で剥離した剥離力を(F2)とする。
次式によってプレス後重剥離化率を求める。
プレス後重剥離化率(%)=(F2-F1)/F1×100
[17]前記樹脂層(B)面の平均表面粗さ(Sa(B))が60nm以下である、上記[2]~[16]のいずれかに記載の離型フィルム。
[18]前記樹脂層(B)面の二乗平均平方根粗さ(Sq(B))が100nm以下である、上記[2]~[16]のいずれかに記載の離型フィルム。
[19]上記[1]~[18]の何れかに記載の離型フィルムと、粘着層を介して、他の離型フィルムを備えた、粘着シート。
[20]前記粘着層がアクリル系粘着剤組成物から形成される、上記[19]に記載の粘着シート。
[21]光学用透明粘着シート用である、上記[19]又は[20]に記載の粘着シート。
[22]上記[19]~[21]のいずれかに記載の粘着シートにおいて、前記他の離型フィルムを剥がした後、露出する粘着層表面を光学部材に貼り合わせる、粘着シートの使用方法。
[23]前記光学部材が偏光板またはタッチセンサーである、上記[22]に記載の粘着シートの使用方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の離型フィルムによれば、各種の粘着剤に対し超軽剥離性を実現しながらも、ブロッキングにより離型層の剥離特性が変化しにくい離型フィルム、該離型フィルムを用いた粘着シート(フィルム積層体)を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。ただし、本発明は次に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
【0010】
<<<離型フィルム>>>
本発明の実施形態の一例に係る離型フィルム(以下、「本離型フィルム」と称することがある。)は、基材フィルムの一方の面に樹脂層(A)を備えた離型フィルムである。該離型フィルムは、巻き取られたロール状の離型フィルム(離型フィルムロール)とされ、離型フィルムロールの形態で保管などされるのがよい。その場合、樹脂層(A)(離型層)はロールの内側および外側のどちら側に配置してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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