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公開番号
2025036879
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-17
出願番号
2023143501
出願日
2023-09-05
発明の名称
多層フィルム
出願人
東ソー株式会社
代理人
主分類
B32B
27/32 20060101AFI20250310BHJP(積層体)
要約
【課題】 医療用又は食品用フィルムとして、高度なガスバリア性を有しつつ、透明性と酸素吸収速度に優れ、薬液、調理液といった内容液中の含有成分が安定して保持されたフィルムを提供する。
【解決手段】 酸素吸収層および薬剤非吸着層を有する多層フィルムであり、酸素吸収層が酸素吸収性樹脂(A)60~95重量部およびエチレン系重合体(B)5~40重量部(酸素吸収性樹脂(A)とエチレン系重合体(B)の合計は100重量部)を含む樹脂組成物からなり、薬剤非吸着層がガラス転移温度125℃以上の環状ポリオレフィン(C)を含む樹脂組成物からなる、多層フィルム。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
酸素吸収層および薬剤非吸着層を有する多層フィルムであり、酸素吸収層が酸素吸収性樹脂(A)60~95重量部およびエチレン系重合体(B)5~40重量部(酸素吸収性樹脂(A)とエチレン系重合体(B)の合計は100重量部)を含む樹脂組成物からなり、薬剤非吸着層がガラス転移温度125℃以上の環状ポリオレフィン(C)を含む樹脂組成物からなる、多層フィルム。
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【請求項2】
酸素吸収性樹脂(A)がエチレン-ビニルアルコール共重合体および酸化性有機成分を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項3】
エチレン-ビニルアルコール共重合体がエチレン含有率20~40モル%であり、ケン化度90モル%以上である、請求項2に記載の多層フィルム。
【請求項4】
酸素吸収性樹脂(A)が遷移金属触媒を含む、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項5】
エチレン系重合体(B)が下記特性(a)~(d)を満足する、請求項1に記載の多層フィルム。
(a)JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した密度が930~960kg/m
3
である。
(b)JIS K 6922-1に準拠し、190℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレート(以下、MFRという)が0.1~15g/10分である。
(c)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPCという)による分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0~7.0の範囲である。
(d)分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に炭素数6以上の長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。
【請求項6】
薬剤非吸着層が環状ポリオレフィン(C)50~100重量部およびエチレン系重合体(B)0~50重量部(環状ポリオレフィン(C)とエチレン系重合体(B)の合計は100重量部)を含む樹脂組成物からなる、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項7】
酸素透過度が1.0cc/(m
2
・日・atm)以下であり、光線透過率は75%以上である、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項8】
酸素吸収速度が1.0ppm/日以上である、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項9】
薬液を収容する収容部を備えた医療容器であって、少なくとも前記収容部は請求項1~8のいずれかに記載の多層フィルムからなる医療容器。
【請求項10】
食品を収容する収容部を備えた食品容器であって、少なくとも前記収容部は請求項1~8のいずれかに記載の多層フィルムからなる食品容器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層フィルムに関する。さらに詳しくは、輸液や食品包装に用いられる医療用フィルムないし部材および食品用フィルムないし部材に好適なフィルムに関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
薬液、血液等を包装する医療用フィルムないし部材および食品を包装する食品用フィルムには、異物の有無を目視確認するための透明性、内容液ないし内容物中の有効成分の劣化、散逸防止のためのガスバリア性、薬剤非吸着性などが要求される。
【0003】
従来、良好な機械物性および高度のガスバリア性の性能を満たすために、エチレンービニルアルコール共重合体またはポリアミドからなるガスバリア層と、耐湿性、機械的特性にすぐれたポリオレフィン系樹脂の層との積層体が医療用フィルムないし食品用フィルムとして使用されている。しかしながら、積層体であるフィルムの積層数が多くなると当該積層数に対応可能な成形機の導入や選定等の制限および煩雑さが生じる点ないし成形機の導入のためのコストの点で課題がある。そこで、エチレン-ビニルアルコール共重合体のガスバリア性をポリオレフィン系樹脂の成形性、延伸性等の特性を活かすべく、エチレン-ビニルアルコール共重合体とポリオレフィン樹脂との樹脂組成物の検討がなされてきた(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0004】
また近年では、内容物ないし内容液の包装時点ですでに包装体内部に存在する酸素を吸収させて除去するために、エチレン-ビニルアルコール共重合体とポリオレフィン樹脂の樹脂組成物に酸素吸収性を付与した樹脂組成物の検討が進められている(例えば、特許文献3、4参照)。
【0005】
しかしながら、エチレン-ビニルアルコール共重合体とポリオレフィン樹脂との樹脂組成物を積層させたフィルムは、良好な機械物性および高度なガスバリア性を有するものの、異物の有無を目視確認するための透明性が低下するという問題が生じていた。また、エチレン-ビニルアルコール共重合体とポリオレフィン樹脂からなる酸素吸収性の樹脂組成物をガスバリア層として用いる場合、酸素透過度が低いため、酸素を吸収する速度が遅くなるという課題が存在する。以上のことから、エチレン-ビニルアルコール共重合体とポリオレフィン系樹脂からなる酸素吸収性樹脂の透明性と酸素吸収速度に課題を残すものとなっていた。
【0006】
また、従来、内容液ないし内容物中の有効成分の散逸防止性、保存安定性を高めるため、アルミニウム箔または無機物の蒸着膜で形成される接液層を積層させた薬剤非吸着性の多層フィルムが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、このような多層フィルムは、製造工程が複雑化するだけでなく、乾燥又は強熱したときに無機物が残量物として残存するため日本薬局方で定められている強熱残分の規定に抵触する可能性が高くなる、といった課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平5-255554号公報
特開2020-176232号公報
特許第5483256号公報
特開2006-028491号公報
特開平10-45176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、医療用ないし食品用フィルムとして、高度なガスバリア性を有しつつ、透明性と酸素吸収速度に優れ、薬液、調理液といった内容液中の含有成分(以下、有効成分という場合がある)が安定して保持されたフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は鋭意検討を行なった結果、環状ポリオレフィン樹脂を特定量含む樹脂組成物からなる薬剤非吸着層を有し、酸素吸収性を有するエチレン-ビニルアルコール共重合体などの酸素吸収性樹脂に特定の物性を有するポリエチレン系樹脂を特定量配合した樹脂組成物を酸素吸収層に有する多層フィルムにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明の各態様は、以下に示す[1]~[10]である。
[1] 酸素吸収層および薬剤非吸着層を有する多層フィルムであり、酸素吸収層が酸素吸収性樹脂(A)60~95重量部およびエチレン系重合体(B)5~40重量部(酸素吸収性樹脂(A)とエチレン系重合体(B)の合計は100重量部)を含む樹脂組成物からなり、薬剤非吸着層がガラス転移温度125℃以上の環状ポリオレフィン(C)を含む樹脂組成物からなる、多層フィルム。
[2] 酸素吸収性樹脂(A)がエチレン-ビニルアルコール共重合体および酸化性有機成分を含む、[1]に記載の多層フィルム。
[3] エチレン-ビニルアルコール共重合体がエチレン含有率20~40モル%であり、ケン化度90モル%以上である、[1]又は[2]に記載の多層フィルム。
[4] 酸素吸収性樹脂(A)が遷移金属触媒を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の多層フィルム。
[5] エチレン系重合体(B)が下記特性(a)~(d)を満足する、[1]~[3]のいずれかに記載の多層フィルム。
(a)JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した密度が930~960kg/m
3
である。
(b)JIS K 6922-1に準拠し、190℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレート(以下、MFRという)が0.1~15g/10分である。
(c)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPCという)による分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0~7.0の範囲である。
(d)分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に炭素数6以上の長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。
[6] 薬剤非吸着層が環状ポリオレフィン(C)50~100重量部およびエチレン系重合体(B)0~50重量部(環状ポリオレフィン(C)とエチレン系重合体(B)の合計は100重量部)を含む樹脂組成物からなる、[1]~[5]のいずれかに記載の多層フィルム。
[7] 酸素透過度が1.0cc/(m
2
・日・atm)以下であり、光線透過率は75%以上である、[1]~[6]のいずれかに記載の多層フィルム。
[8] 酸素吸収速度が1.0ppm/日以上である、[1]~[7]のいずれかに記載の多層フィルム。
[9] 薬液を収容する収容部を備えた医療容器であって、少なくとも前記収容部は[1]~[8]のいずれかに記載の多層フィルムからなる医療容器。
[10] 食品を収容する収容部を備えた食品容器であって、少なくとも前記収容部は[1]~[8]のいずれかに記載の多層フィルムからなる食品容器。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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