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公開番号2024177033
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023204360
出願日2023-12-04
発明の名称加熱調理に利用可能な鉄製品
出願人個人
代理人
主分類B32B 9/00 20060101AFI20241212BHJP(積層体)
要約【課題】鉄製品に鉄の酸化反応による着色で模様を描いて調理器具として長期間使うにはこの模様を透明な層で保護する必要がある。しかし、樹脂層で保護した場合は耐熱性に難点があり、シリカのようなケイ素化合物では耐熱水性に難点があった。
【解決手段】本発明では、この模様にケイ素を含まない透明な酸化ジルコニウム層で被覆し、それをさらに被覆する透明なリチウムを含むケイ酸アルカリ層で被覆することによって課題を解決した。これにさらに透明な酸化ジルコニウムで被覆してもよい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
表面が透明な酸化ジルコニウム層によって被覆されており、さらにリチウムを含む透明なケイ酸アルカリ層で被覆されている加熱調理に利用可能な鉄製品であって、前記酸化ジルコニウム層はZrO2換算値で10~2000mg/平方メートルであり、リチウムを含むケイ酸アルカリ層はSiO2換算値で10~3000mg/平方メートルのケイ素を含み、その化学組成はSiO2=70~90wt%、Li2O=1~5wt%、Na2O+K2O=5~29wt%であることを特徴とする。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
請求項1に記載された加熱調理に利用可能な鉄製品の表面がさらに透明な酸化ジルコニウム層でさらに被覆されており、その酸化ジルコニウム層はZrO2換算値で10~2000mg/平方メートルである加熱調理に利用可能な鉄製品
【請求項3】
請求項1に記載された加熱調理に利用可能な鉄製品であって、その被覆層下の鉄表面の一部または全部がケイ素を含むガラス質によって被覆されていることを特徴とする加熱調理に利用可能な鉄製品。
【請求項4】
請求項1に記載された加熱調理に利用可能な鉄製品であって、その被覆層下の鉄表面の一部または全部が酸化による化学反応で着色されている部分を有する加熱調理に可能な鉄製品

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理に利用可能な鉄製品に関するものである。さらに詳しく述べるならば、鉄の酸化による赤、茶、青、紫、黒などの着色による模様を描くことも可能で、長時間300℃程度の高温および沸騰水に接触する加熱調理という過酷な条件下であっても、長期間にわたって着色が消失しないだけでなく、さびにくく、しかも食材が粘着しにくくてお手入れが簡単で加熱調理に利用可能な鉄製品に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
鉄製品は、鉄板、フライパン、鍋などの加熱用調理器具として広く使われており、特にコーティングのない無垢の製品は、食物が粘着しやすく、錆び止めの手入れが大変という欠点があるものの、300℃を超える高温での調理に適用できるため根強い需要がある。一方、キッチン製品の意匠性に関するニーズの高まりから、外側だけでなく、内側調理面に種々の着色や模様を設けることの要求が増えてきている。例えば、フッ素樹脂コートされたフライパンならば顔料を用いれば容易に着色することができるが、しかし、このフッ素樹脂コーティングの上限温度が260℃で無垢の鉄製品よりも低いために、強火高温での調理対応に問題がある。琺瑯のような顔料を含むガラス質では、耐熱性はあっても、膜厚が厚く熱衝撃に弱いため、結局は強火調理には向かない問題がある。そこで、顔料とそれを固定するバインダーを用いないで着色する方法として、鉄製品が加熱などにより酸化して、黒、青、茶色、紫、黄色などに発色することを利用すると、発色していない元の銀色部分と対比させれば模様を描く方法が考え得る。
【0003】
しかしながらこれを実現するには、この模様を加熱調理という、高温、沸騰水、塩分、酸、アルカリなどの過酷な条件から模様を保護する必要がある。しかもコーティングによって保護するとなれば、保護機能に加えそれが透明でなければならず、これが非常に難しい問題となる。例えば、無機物のシリカ系皮膜では、高温には耐えることができるが、沸騰水に溶解しやすいため、数回の使用で消失してしまう問題が発生する。
【0004】
また、鉄製調理器具にシリコーン樹脂が塗布されている製品を多く見かけることができるが、これは製造から実際に使用されるまでの防錆が目的であり、数回の調理での使用で消失するために、短期間着色を保護することはできたとしても、長期間の使用には適さない。
【0005】
鉄の酸化を利用した調理器具の着色を保護する目的の先行文献は特に見当たらないが、鉄を無機物で保護して防錆する先行技術は散見される。前述のシリコーン樹脂、シリカを鉄製フライパンに処理する現行の市販技術については非特許文献1、2それぞれに解説されている。
【0006】
一方で、特許文献1には炭酸ジルコニウムのアルカリ性水溶液を金属表面に処理する防錆技術が記されている。また、特許文献2には、炭酸ジルコニウムのアルカリ水溶液処理だけでは防錆が十分ではなく、炭酸ジルコニウムのアンモニウム塩溶液にケイ素化合物を加え、さらにケイ素化合物で覆う方法が開示されている。特許文献1のジルコニウム化合物は加熱されて酸化ジルコニウムとなるが、この酸化ジルコニウム層だけでは防錆性能が不足するのは特許文献2が示すとおりである。しかし、特許文献2の方法でも、防錆は確保できても、調理に要求される耐沸騰水性が不足する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開昭50-144639
特開2009-41077
【非特許文献】
【0008】
https://www.wahei.co.jp/reading/trivia/144.html
https://www.nitori-net.jp/ec/product/8943613s/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、加熱調理に利用できて着色することも可能な鉄製品を提供することにある。加熱調理に利用できるという意味は、例えばフッ素樹脂の上限よりも高い300℃程度の高温のみならず、シリコーン樹脂あるいはシリカ膜のように沸騰水にさらされても消失しないなどの過酷な条件に耐えうることである。さらに詳しく述べるならば、本発明は、鉄の酸化による着色現象を利用して模様などを描き、その着色を透明な被覆層で保護して調理に利用しても長期間模様が消失しない鉄製品を提供することを目的とする。さらに、酸化による着色のあるなしにかかわらず、この透明な被覆層は防錆作用があり、食材が粘着しにくく、お手入れが簡単であることも本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、前記課題を、鉄表面を酸化ジルコニウム層で被覆し、その酸化ジルコニウム層を、ケイ酸を含む層、好適にはリチウムを含む透明なケイ酸アルカリ層で被覆することによって前記課題を解決した。ただし、鉄表面が平滑でない場合や後述の酸化による着色を制御するために、酸化ジルコニウム層で被覆する前に鉄表面をケイ酸アルカリ層で被覆して置いてもよい。また、さらに最外側のケイ酸アルカリ層を酸化ジルコニウム層でさらに被覆するとより食材が粘着しにくくなることを見出し、発明の完成度をより高めることができた。また、この加熱調理に利用できる鉄製品は、最初の酸化ジルコニウム層を形成する前に、表面の全体または一部を酸化により着色すれば着色部あるなしの模様デザインを設けることが可能である。この着色部または非着色部は後に設けられる被覆層により保護されるため、長期間の使用に耐えることができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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