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公開番号
2025082727
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-29
出願番号
2023196259
出願日
2023-11-17
発明の名称
多層フィルム
出願人
東ソー株式会社
代理人
主分類
B32B
27/18 20060101AFI20250522BHJP(積層体)
要約
【課題】340nm付近の長波紫外線領域での紫外線吸収性と透明性に優れ、高湿度下でもブリードアウトせず、かつ、薬剤非吸着性を有する多層フィルムを提供する。
【解決手段】
薬剤非吸着層が、環状ポリオレフィン(A)を含む樹脂組成物からなり、紫外線吸収層が、酸ベンゾトリアゾール基またはベンゾフェノン基を含み、かつアクリル基を含む、重量平均分子量が15000~150000g/mоlである高分子型紫外線吸収剤(B)0.5~3.0質量%とポリエチレン(C)97.0~99.5質量%を含むポリエチレン樹脂組成物からなる多層フィルム。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
薬剤非吸着層および紫外線吸収層を有する多層フィルムであり、薬剤非吸着層が、環状ポリオレフィン(A)を含む樹脂組成物からなり、紫外線吸収層が、ベンゾトリアゾール基またはベンゾフェノン基を含み、かつアクリル基を含む、重量平均分子量が15000~150000g/mоlである高分子型紫外線吸収剤(B)0.5~3.0質量%とポリエチレン(C)97.0~99.5質量%を含むポリエチレン樹脂組成物からなる多層フィルム。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記薬剤非吸着層が、環状ポリオレフィン(A)50~100質量%、およびエチレン系重合体(D)0~50質量%を含む樹脂組成物からなる、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項3】
前記エチレン系重合体(D)が下記特性(a)~(d)を満足する、請求項1に記載の多層フィルム。
(a)JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した密度が930~960kg/m
3
である。
(b)JIS K 6922-1に準拠し、190℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレート(以下、MFRという)が0.1~15g/10分である。
(c)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPCという)による分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0~7.0の範囲である。
(d)分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に炭素数6以上の長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。
【請求項4】
前記ポリエチレン(C)が下記特性(e)~(h)を満足する直鎖状低密度ポリエチレン(E)40~90質量%、下記特性(i)~(k)を満足する高密度ポリエチレン(F)10~60質量%を含む樹脂組成物からなる、請求項1~3のいずれかに記載の多層フィルム。
(e)JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した密度が890~915kg/m
3
である。
(f)MFRが0.1~15g/10分である。
(g)ゲルパーミエションクロマトグラフィー(以下、GPCという)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下である。
(h)50℃におけるn-ヘプタン抽出量が1.5質量%以下である。
(i)JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した密度が940~970kg/m
3
である。
(j)JIS K 6922-1に準拠し、190℃、荷重21.18Nで測定したMFRが0.1~15g/10分である。
(k)GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下である。
【請求項5】
波長340nmにおける紫外線透過率が5%以下、波長450nmでの可視光透過率が70%以上であり、かつ温度が40℃であり、相対湿度が75%の雰囲気で28日間保管した場合に紫外線吸収剤がブリードアウトしない、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項6】
薬液を収容する収容部を備えた医療容器であって、少なくとも前記収容部は請求項1~5のいずれかに記載の多層フィルムからなる医療容器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層フィルムに関する。さらに詳しくは、輸液や血液を包装する医療用フィルムに関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
薬液、血液等を包装する医療用フィルムないし部材には、異物の有無を目視確認するための透明性、容液ないし内容物中の有効成分の劣化防止のための紫外線バリア性、薬剤非吸着性などが要求される。
【0003】
従来、紫外線バリア性に優れたフィルムを得るための比較的容易な方法として、紫外線を吸収する機能を有する紫外線吸収剤をフィルム表面に塗布する、あるいは、素材樹脂に紫外線吸収剤を練りこんだ紫外線吸収層を積層させる等の方法がとられている。紫外線吸収剤としては、無機系紫外線吸収剤と有機系紫外線吸収剤を用いる場合がある。特に有機系紫外線吸収剤は、吸収剤の構造設計の自由度が高いために、吸収剤の構造を工夫することによって様々な吸収波長のものを得ることができる特徴があり、これまでに、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、シアン系といった様々な有機系紫外線吸収剤を用いた系が検討されている。特にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤は比較的耐光性も良く、濃度を高くすれば長波長領域まで比較的クリアにカットできる(例えば特許文献1参照)。しかし、一般的にこれらの紫外線吸収剤は低分子量であるため、高濃度に添加した場合、製品表面から経時的にブリードし、製品の透明性や外観を損ねたりすると同時に製品に長期間光安定性を付与することが困難であることが知られている。このような問題を解決するものとして、ビニル基等の二重結合を有する基を付与した紫外線吸収剤を高分子量化し、紫外線吸収剤の揮散、熱分解、滲出等を防止しようとする試みがなされている(例えば、特許文献2~4参照。)。
【0004】
しかしながら、これらの高分子型紫外線吸収剤をポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂に練りこんだ紫外線吸収層を積層させたフィルムは、良好な紫外線バリア性を有するものの、透明性が低下する、高圧蒸気滅菌処理など水などが触れる環境下では長期的な耐光性が劣るなど、滅菌処理を要する医療用フィルム用途としては課題を残すものとなっていた。
【0005】
また、従来、内容液ないし内容物中の有効成分の散逸防止性、保存安定性を高めるため、アルミニウム箔または無機物の蒸着膜で形成される接液層を積層させた薬剤非吸着性の多層フィルムが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、このような多層フィルムは、製造工程が複雑化するだけでなく、乾燥又は強熱したときに無機物が残量物として残存するため日本薬局方で定められている強熱残分の規定に抵触する可能性が高くなる、といった課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2005-517787号公報
特開昭60-38411号公報
特開昭62-181360号公報
特開平3-281685号公報
特開平10-45176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記問題に鑑みなされたものであり、340nm付近の長波紫外線領域での紫外線吸収性と透明性に優れ、高湿度下でもブリードアウトしにくく、かつ薬剤非吸着性を有する多層フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は鋭意検討を行なった結果、特定の紫外吸収剤とポリエチレンを特定量配合したポリエチレン樹脂組成物層、および、環状ポリオレフィン樹脂を含む樹脂組成物からなる薬剤非吸着層を有する多層フィルムにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明の各態様は、以下に示す[1]~[6]である。
[1]薬剤非吸着層および紫外線吸収層を有する多層フィルムであり、薬剤非吸着層が、環状ポリオレフィン(A)を含む樹脂組成物からなり、紫外線吸収層が、ベンゾトリアゾール基またはベンゾフェノン基を含み、かつアクリル基を含む、重量平均分子量が15000~150000g/mоlである高分子型紫外線吸収剤(B)0.5~3.0質量%とポリエチレン(C)97.0~99.5質量%を含むポリエチレン樹脂組成物からなる多層フィルム。
[2]前記薬剤非吸着層が、環状ポリオレフィン(A)50~100質量%、およびエチレン系重合体(D)0~50質量%を含む樹脂組成物からなる、上記[1]に記載の多層フィルム。
[3]前記エチレン系重合体(D)が下記特性(a)~(d)を満足する、上記[1]~[2]のいずれかに記載の多層フィルム。
(a)JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した密度が930~960kg/m
3
である。
(b)JIS K 6922-1に準拠し、190℃、荷重21.18Nで測定したメルトマスフローレート(以下、MFRという)が0.1~15g/10分である。
(c)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPCという)による分子量測定において2つのピークを示し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0~7.0の範囲である。
(d)分子量分別した際のMnが10万以上のフラクション中に炭素数6以上の長鎖分岐を主鎖1000炭素数あたり0.15個以上有する。
[4]前記ポリエチレン(C)が下記特性(e)~(h)を満足する直鎖状低密度ポリエチレン(E)40~90質量%、下記特性(i)~(k)を満足する高密度ポリエチレン(F)10~60質量%を含む樹脂組成物からなる、上記[1]~[3]のいずれかに記載の多層フィルム。
(e)JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した密度が890~915kg/m
3
である。
(f)MFRが0.1~15g/10分である。
(g)GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下である。
(h)50℃におけるn-ヘプタン抽出量が1.5質量%以下である。
(i)JIS K6922-1に準拠して密度勾配管法で測定した密度が940~970kg/m
3
である。
(j)MFRが0.1~15g/10分である。
(k)GPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3.0以下である。
【0010】
[5]波長340nmにおける紫外線透過率が5%以下、波長450nmでの可視光透過率が70%以上であり、かつ温度が40℃であり、相対湿度が75%の雰囲気で28日間保管した場合に紫外線吸収剤がブリードアウトしない、上記[1]~[4]のいずれかに記載の多層フィルム。
(【0011】以降は省略されています)
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