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公開番号
2025004750
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-15
出願番号
2024092112
出願日
2024-06-06
発明の名称
積層体
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B32B
27/36 20060101AFI20250107BHJP(積層体)
要約
【課題】常温及び高温環境下での難接着材質との密着力を維持しつつ、水濡れや湿度の影響により接着不良及び外観不良が発生しない積層体を提供する。
【解決手段】少なくとも、層A及び層Bを有する積層体であって、層Aは、ポリカーボネート樹脂を90.0質量%以上含有するフィルムであり、層Bは、ポリカーボネート樹脂を90.0質量%以上含有し、積層体は、界面活性剤を含む温度95℃の水溶液に浸漬後の全光線透過率が70%以上であり、積層体の2つの表面の内、層Aにより形成される表面Aには、シリコーン樹脂が付着量0.01kcps以上0.2kcps以下で付着しており、層Bにより形成される表面Bに被着体を貼り合わせた後の表面Aと被着体との間の密着力の値と、界面活性剤を含む95℃の水溶液に浸漬後の表面Aと被着体との間の密着力と、100℃環境下における表面Aと被着体との間の密着力とが、何れも5.0N/cm以上である積層体。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも、層A、層Bを有する積層体であって、
前記層Aは、ポリカーボネート樹脂を90.0質量%以上含有するフィルムであり、
前記層Bは、ポリカーボネート樹脂を90.0質量%以上含有し、
前記積層体を界面活性剤を含む温度95℃の水溶液に浸漬した後における、前記積層体の全光線透過率は、70%以上であり、
前記積層体の2つの表面の内、前記層Aにより形成される表面Aには、シリコーン樹脂が付着しており、
上記シリコーン樹脂の付着量は、0.01kcps以上0.20kcps以下であり、
前記積層体の2つの表面の内、前記層Bにより形成される表面Bに被着体を貼り合わせた後の前記表面Aと前記被着体との間の密着力の値と、界面活性剤を含む95℃の水溶液に浸漬後の前記表面Aと前記被着体との間の密着力の値と、100℃環境下における前記表面Aと前記被着体との間の密着力の値とが、何れも5.0N/cm以上である
ことを特徴とする積層体。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
前記層Bに含有されるポリカーボネート樹脂は、その分子鎖内に水酸基を含有し、
前記層Bの流動開始温度が、110℃以上150℃以下であり、
前記層Bの厚みは5~40μmであることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記積層体が、少なくとも層A、層B、層C、および層Dをこの順で有する積層体であって、
前記層Cが、ポリエチレンテレフタレート樹脂を45.0質量%以上含有し、
前記層Dが、シリコーン樹脂を90.0質量%以上含有することを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
【請求項4】
前記層Bと前記層Cとの間の剥離力が、0.1N/cm~1.0N/cmであることを特徴とする請求項3に記載の積層体。
【請求項5】
請求項1または2に記載の積層体と被着体とを積層してなる積層構造物であり、
前記被着体が、ポリカーボネート樹脂を含有し、
前記ポリカーボネート樹脂の含有量が、前記被着体の全体に対し50.0質量%以上であることを特徴とする積層構造物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
一般的にフィルムや紙などの基材を貼り合わせるために接着剤や粘着剤が使用される。その接着剤として使用される材料として、熱可塑性樹脂を含有するホットメルト接着剤がある。そして、ホットメルト接着剤は、使用される材料別ではゴム系、アクリル系、シリコーン系に分けられ、状態別では有機溶剤溶液、エマルション、固形(ホットメルトなど)、水溶液に分けられる。
【0003】
次に、ホットメルト接着剤の主な用途としては、難接着材質(ポリカーボネート:PC、ポリプロピレン:PP、ポリエチレン:PE、ポリテトラフルオロエチレン:PTFE、エチレンプロピレンジエンゴム:EPDMなど)の貼り合わせ、仮接着(銘板の粘着加工の他、ラベル、フィルムの粘着コーティングなど)、粘着部材への一次加工(両面粘着テープなど)、再剥離粘着(仮接着よりも再粘着性、易剥離性が要求される)などがあり、各々の用途に適したホットメルト粘着剤を選択する必要がある。
【0004】
一方で、近年では、電子デバイス部品等の複雑な形状への追従性、家電製品のヒーター部材への補修等による100℃を超える高温環境下での接着力維持、更には、多湿環境や水濡れ等による接着力低下防止や外観不良防止の要求を受けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-249474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記要求に対し、従来の熱可塑性樹脂では耐熱性及び耐水性が不十分であり、高温環境下での難接着材質との密着力維持に問題があったため、耐熱性向上、及び、耐水性向上を目的に熱可塑性樹脂を結晶化する提案(特許文献1)がされているが、様々な難接着材質に合わせて熱可塑性樹脂の変更が必要であり、また常温時に熱可塑性が硬化するため、複雑な形状に追従できず密着力が低下する等の問題があった。また結晶化することにより熱可塑性が白化し外観不良(不透明化)が発生することがある。このような課題を解決するため、常温環境下及び高温環境下のいずれにおいても難接着材質との密着力が維持され、複雑な形状に追従でき、水濡れや湿度の影響による接着不良及び外観不良の発生が抑制された積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、次によって解決することを見出し、本発明に至ったものである。すなわち、本発明の積層体は以下のとおりである。
(1)少なくとも、層A、および層Bを有する積層体であって、前記層Aは、ポリカーボネート樹脂を90.0質量%以上含有するフィルムであり、前記層Bは、ポリカーボネート樹脂を90.0質量%以上含有し、前記積層体を界面活性剤を含む温度95℃の水溶液に浸漬した後における、前記積層体の全光線透過率は、70%以上であり、前記積層体の2つの表面の内、前記層Aにより形成される表面Aには、シリコーン樹脂が付着しており、記シリコーン樹脂の付着量は、0.01kcps以上0.2kcps以下であり、前記積層体の2つの表面の内、前記層Bにより形成される表面Bに被着体を貼り合わせた後の前記表面Aと前記被着体との間の密着力の値と、界面活性剤を含む95℃の水溶液に浸漬後の前記表面Aと前記被着体との間の密着力の値と、100℃環境下における前記表面Aと前記被着体との間の密着力の値とが、何れも5.0N/cm以上であることを特徴とする積層体。
(2)前記層Bに含有されるポリカーボネート樹脂は、その分子鎖内に水酸基を含有し、前記層Bの流動開始温度が、110℃以上150℃以下であり、前記層Bの厚みは5~40μmであることを特徴とする(1)に記載の積層体。
(3)前記積層体が、少なくとも層A、層B、層C、および層Dをこの順で有する積層体であって、前記層Cが、ポリエチレンテレフタレート樹脂を45.0質量%以上含有し、前記層Dが、シリコーン樹脂を90.0質量%以上含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の積層体。
(4)前記層Bと前記層Cとの間の剥離力が、0.1N/cm~1.0N/cmであることを特徴とする(3)に記載の積層体。
(5)(1)~(4)の何れかに記載の積層体と被着体とを積層してなる積層構造物であり、前記被着体が、ポリカーボネート樹脂を含有し、前記ポリカーボネート樹脂の含有量が、前記被着体の全体に対し50.0質量%以上であることを特徴とする積層構造物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、常温環境下及び高温環境下のいずれにおいても難接着材質との密着力が維持され、複雑な形状に追従でき、さらに、水濡れや湿度の影響による接着不良及び外観不良の発生が抑制された積層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、層A、および層Bを備える積層体の模式図である。
図2は、層A、層B、層C、および層Dをこの順に備える積層体の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の積層体は、少なくとも、層A、および層Bを有する積層体であって、前記層Aは、ポリカーボネート樹脂を90.0質量%以上含有するフィルムであり、前記層Bは、ポリカーボネート樹脂を90.0質量%以上含有し、前記積層体を界面活性剤を含む温度95℃の水溶液に浸漬した後における、前記積層体の全光線透過率は、70%以上であり、前記積層体の2つの表面の内、前記層Aにより形成される表面Aには、シリコーン樹脂が付着しており、記シリコーン樹脂の付着量は、0.01kcps以上0.2kcps以下であり、前記積層体の2つの表面の内、前記層Bにより形成される表面Bに被着体を貼り合わせた後の前記表面Aと前記被着体との間の密着力の値と、界面活性剤を含む95℃の水溶液に浸漬後の前記表面Aと前記被着体との間の密着力の値と、100℃環境下における前記表面Aと前記被着体との間の密着力の値とが、何れも5.0N/cm以上である。
(【0011】以降は省略されています)
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