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公開番号2025092996
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-23
出願番号2023208461
出願日2023-12-11
発明の名称積層体
出願人artience株式会社
代理人
主分類B32B 27/30 20060101AFI20250616BHJP(積層体)
要約【課題】本発明は、表面硬度や耐擦傷性、低カール性に優れ、紫外線及び400nm以上の可視光短波長領域の吸収に優れ、さらには黄色味が抑制されたハードコート層を備えた積層体の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の課題は、透明基材上に特定の紫外線硬化性組成物の硬化物であるハードコート層を備えた積層体であって、ポリエチレンテレフタレート基材上に厚さ5μmのハードコート層を備える構成において下記(1)~(5)を全て満足することを特徴とする積層体により解決される。
(1)410nmの波長の光の分光透過率が5%以下
(2)450nmの波長の光の分光透過率が70%以上
(3)b*値が20以下
(4)ハードコート層の弾性率が、3.0GPa以上
(5)23℃、相対湿度50%の高温高湿室にて6時間放置後の、長さ100mm×幅50mmのテストフィルムの、長辺における幅方向の両端間の距離が45mm以上
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
透明基材上にハードコート層を備えた積層体であって、
前記ハードコート層が、重合性化合物(A)と、紫外線吸収剤(B)と、光重合開始剤(C)とを含有する紫外線硬化性組成物の硬化物であり、
前記重合性化合物(A)は、(メタ)アクリロイル基を3個以上有し、(メタ)アクリロイル基当量が115以上である化合物(a1)を含み、
前記紫外線吸収剤(B)は、波長400~420nmの光を吸収するトリアジン化合物であり、
前記光重合開始剤(C)が、オキシムエステル系化合物(C1)およびホスフィンオキサイド系化合物(C2)のうち少なくとも一種を含み、
ポリエチレンテレフタレート基材上に厚さ5μmのハードコート層を備える構成において下記(1)~(5)を全て満足することを特徴とする積層体。
(1)410nmの波長の光の分光透過率が5%以下
(2)450nmの波長の光の分光透過率が70%以上
(3)b

値が20以下
(4)ハードコート層の弾性率が、3.0GPa以上
(5)23℃、相対湿度50%の高温高湿室にて6時間放置後の、長さ100mm×幅50mmのテストフィルムの、長辺における幅方向の両端間の距離が45mm以上
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
前記化合物(a1)が、(メタ)アクリロイル基を4~15個有し、重量平均分子量が500~15,000である多官能ウレタン(メタ)アクリレート(a1x)を含むことを特徴とする、請求項1記載の積層体。
【請求項3】
前記紫外線吸収剤(B)が、トリアジン環に直接結合するナフタレン環を1~3個有し、このうち少なくとも一つのナフタレン環の2位に水酸基を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート樹脂等のプラスチックからなる基材は、透明性や耐衝撃性に優れ、軽量であり加工が容易であるため、ガラス基材に変えて種々の用途に用いられている。
【0003】
しかし、プラスチック基材はガラス基材と比較して硬度および耐擦傷性等の表面特性に劣ることがあるため、プラスチック基材表面にハードコート層を備えて硬度や耐擦傷性等の表面特性を向上させている。
【0004】
プラスチック基材は太陽光などに含まれる紫外線を十分にカットできず、紫外線による劣化を防止するため紫外線吸収剤が配合されている場合が多い。例えばディスプレイ表示装置において、偏光板保護フィルム等の光学フィルムに紫外線吸収剤を添加して、これら光学フィルムの変色を防止することが一般的に行なわれている。また、有機ELディスプレイの発光素子には、蛍光材料や燐光材料等の各種有機物が使用されており、これら有機物の紫外線による劣化を防ぐため、ディスプレイの表面フィルムなどに紫外線吸収剤が添加されている。(特許文献1)
【0005】
また、太陽光やスマートフォン等の画像表示装置から発せられる可視光短波長領域(概ね380~495nm)の光、いわゆるブルーライトが人体(特に眼球)にダメージを与えることが指摘されている。
【0006】
特許文献2では、黄色顔料を含有するハードコート層が提案されており、440nmの光の透過率が80%以下であることが記載されている。
【0007】
ブルーライトカット剤を含有させる方法も提案されている。特許文献3では、ブルーライトカット性を有する紫外線硬化型ハードコート樹脂組成物が提案されており、440nm付近の光を吸収することが記載されている。
【0008】
しかし、440nmの光を吸収する化合物を含む組成物を硬化させた硬化物は、その波長域の補色である黄色味が強くなりディスプレイ用途には不適であり、顔料や溶剤溶解性の低いブルーライトカット剤を含有するハードコート層では、ヘイズ値が高くなるという課題がある。また、ディスプレイ用途では長時間光が当たっても紫外線吸収能力に変化が起きない、すなわち耐光性も必要となる。
【0009】
特許文献4では、ブルーライトの遮蔽率が30%以上である光学フィルムが提案されているが、410nm透過率が大きく、ブルーライトカット性は十分とは言えない。
【0010】
さらに、文献1~4に記載の発明は、アクリレート化合物等の紫外線硬化型化合物に紫外線を吸収する材料を混合しているため紫外線硬化しにくく、得られる硬化物の表面硬度や耐擦傷性が不足する課題がある。すなわち、従来提案されている光学フィルムは表面の耐擦傷性が不十分であり、ディスプレイ用途で使用するためには更なるハードコート性が要求されている。
(【0011】以降は省略されています)

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