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公開番号2024148558
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023061778
出願日2023-04-05
発明の名称積層体
出願人中京油脂株式会社
代理人個人,個人
主分類B32B 27/36 20060101AFI20241010BHJP(積層体)
要約【課題】生分解性樹脂の水分散体により、高いヒートシール強度と高い透明性を両立する塗膜を基材シート上に作成すること。
【解決手段】基材シートの上に積層される結晶性樹脂の水分散体から得られる第1塗膜と、該第1塗膜の上に積層される非結晶性樹脂の水分散体から得られる第2塗膜とを含む積層体。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
基材の上に積層される結晶性樹脂の水分散体から得られる第1塗膜と、該第1塗膜の上に積層される非結晶性樹脂の水分散体から得られる第2塗膜とを含む積層体。
続きを表示(約 960 文字)【請求項2】
前記結晶性樹脂及び前記非結晶性樹脂は生分解性樹脂を含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記結晶性樹脂はポリカプロラクトンを含み、前記非結晶性樹脂はポリ乳酸を含む、請求項2に記載の積層体。
【請求項4】
前記第1塗膜の塗工量(乾燥質量)は2g/m

以上15g/m

以下であり、前記第2塗膜の塗工量(乾燥質量)は1g/m

以上10g/m

以下である請求項2に記載の積層体。
【請求項5】
前記結晶性樹脂はポリカプロラクトンを含み、前記第1塗膜の塗工量(乾燥質量)は2g/m

以上15g/m

以下であり、前記非結晶性樹脂はポリ乳酸を含み、前記第2塗膜の塗工量(乾燥質量)は1g/m

以上10g/m

以下である、請求項3に記載の積層体。
【請求項6】
前記第1塗膜の塗工量(乾燥質量)は3g/m

以上10g/m

以下であり、前記第2塗膜の塗工量(乾燥質量)は2g/m

を超えて上5g/m

以下である、請求項5に記載の積層体。
【請求項7】
前記基材は生分解性を有するシートを含み、食品用シートに供される請求項2~6の何れかに記載の積層体。
【請求項8】
基材を準備するステップと、
結晶性樹脂を分散させた第1水分散体を準備するステップと、
非結晶樹脂を分散させた第2水分散体を準備するステップと、
前記基材の表面に前記第1水分散体から第1塗膜を形成するステップと、
前記第1塗膜の表面に前記第2水分散体から第2塗膜を形成するステップと、を含む積層体の製造方法。
【請求項9】
請求項7に記載の製造方法に従い積層体を製造し、ここに、前記基材は生分解性を有するシートを含み、前記結晶性樹脂及び前記非結晶性樹脂は生分解性樹脂を含み、前記積層体の塗工面同士を対向させ、ヒートシールを実行する、食品用シートの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は積層体に関する。この積層体はフィルム・紙等の基材シートとこれに積層される高いヒートシール性と透明性を両立する塗膜に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
食品包装材料には、製袋加工をするためにヒートシール性が求められることはもちろん、中身の商品の見た目を損なわないために透明性が求められることも多い。一般的に、ヒートシール強度と透明性を両立する包装材料として、OPPフィルムなどのプラスチックフィルムが用いられる。
しかしながら、昨今、プラスチックゴミによる環境汚染問題が深刻化しているため、紙や生分解性フィルム等の包装材料を開発する動きが活発になっている。紙や生分解性フィルムの生分解性を損なうことなく、ヒートシール性能を付与する手法として、熱可塑性の生分解性樹脂を紙や生分解フィルム基材にラミネート加工した製品が開発されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
かかる文献に開示のラミネートの技術では、生分解性樹脂の使用量が概ね20~50g/m

と多いことから、原料コストが高いこともあり、一般的には普及していない。
そこで、塗工量を低く制御しやすい生分解性樹脂の水系分散体の研究開発が活発になっている。本発明者らは、ポリカプロラクトンのような結晶性樹脂の水系分散体や、ポリ乳酸のような非結晶質樹脂の水系分散体を開発し、各種フィルム基材に対する塗工・評価を実施してきた(特許文献3)。
本発明に関連する技術を開示する文献として特許文献4も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-272712号公報
特開2011- 743号公報
特開2022-055374号公報
特開2022-150809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の開発を行ってきた本発明者らは下記の課題に気が付いた。即ち、
ポリカプロラクトンのような結晶性樹脂の水系分散体は高いヒートシール強度を示すものの透明性が低い。他方、ポリ乳酸のような非結晶性樹脂の水系分散体は透明性に優れるもののヒートシール強度が弱い。
よって、高いヒートシール強度と高い透明性を両立する塗膜を形成することは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねてきた。その結果、結晶性樹脂の水分散体から得た第1塗膜上に、非結晶性樹脂の水分散体から得た第2塗膜を積層すると、高いヒートシール強度と高い透明性とを両立させられることを見出し、本発明に想到するに至った。本明細書において、結晶性樹脂は、配向した分子鎖部分(結晶部分)を有する樹脂をいう。これに対し、非結晶性樹脂は、上記結晶部分を有しないか、上記結晶部分を有していてもその量が極めて少ない樹脂をいう。樹脂が結晶性を有する程度に結晶部分を有しているか否かは、当該樹脂が融点を有するか否か、すなわち、一定速度で昇温した示差走査熱量測定(DSC:Differential scanning calorimetry)で明瞭な融解ピークを有するか否かで判断することができる。本明細書では、DSCで融解ピークのピーク面積が20J/g以上であった場合、明瞭な融解ピークを有すると判断することとし、かかる特性を有する樹脂を結晶性樹脂とする。
本発明の第1の局面は次のように規定される。
基材の上に積層される結晶性樹脂の水分散体から得られる第1塗膜と、該第1塗膜の上に積層される非結晶性樹脂の水分散体から得られる第2塗膜とを含む積層体。
【0007】
このように規定される第1局面の積層体によれば、結晶性樹脂の水分散体から得られる第1塗膜が備える高いヒートシール強度と非結晶性樹脂の水分散体から得られる第2塗膜が備える高い透明性が維持される。
他方、非結晶性樹脂の水分散体から得られる第2塗膜の上に結晶性樹脂の水分散体から得られる第1塗膜を積層してなる複合塗膜では、ヒートシール強度及び透明性がともに劣るものとなる。
【0008】
結晶性樹脂の水分散体から得られる第1塗膜の透明性が劣るのはその表面が粗面であり、そこで光の乱反射が生じるためと考えられる。かかる粗面に非結晶性樹脂の水分散体を塗布すると、粗面が補修され、そこでの光の乱反射が抑制される。そして、非結晶性樹脂の水分散体から得られる第2塗膜の透明性はそのまま維持される。
ヒートシール強度は、複合塗膜を積層した基材の一対を、複合塗膜どうしを対向させて、熱プレスして評価されるところ、非結晶性樹脂を含む第2塗膜が基材に接している複合塗膜では、その複合塗膜と基材と間に十分な強度を確保できないことがある。
【0009】
基材はその上に第1塗膜を積層できるものであれば特に限定されない。この実施例では透明なシート状の基材を採用しているが、不透明な紙であってもよく、また、板状や塊状の基材であってもよい。
シート状の基材を採用するとき、そのシートは複数の層から形成されていてもよい。例えば、グラフト紙のような表面があれた第1シートに非結晶性樹脂の水分散体を塗布、乾燥させたものは透明性を有することがある。この場合、第1シートの表面に積層された塗膜は、非結晶性樹脂の水分散体から得られたものであっても、シート状の基材の一部である。
【0010】
第2塗膜の上に更に非結晶性樹脂の水分散体から得られる塗膜を積層することができる。更には、第2塗膜の上に結晶性樹脂の水分散体から得られる塗膜と非結晶性樹脂の水分散体から得られる塗膜を順次積層させることもできる。
(【0011】以降は省略されています)

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