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公開番号2024155038
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069405
出願日2023-04-20
発明の名称経口用剤
出願人ヱスビー食品株式会社
代理人弁理士法人永井国際特許事務所
主分類A23L 33/10 20160101AFI20241024BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】肌への美容効果を高める経口用剤を提供する。
【解決手段】課題は、シンナムアルデヒド及び/又はその誘導体の摂取量が5mg以上/日であることを特徴とする経口用剤、シンナムアルデヒド及び/又はその誘導体を有し、肌の弾力を増加させることを特徴とする経口用剤、シンナムアルデヒド及び/又はその誘導体を有し、経表皮水分蒸散量を減少させることを特徴とする経口用剤、シンナムアルデヒド及び/又はその誘導体を有し、皮膚水分量を増加させることを特徴とする経口用剤、又はシンナムアルデヒド及び/又はその誘導体を有し、血中ペントシジン濃度を減少させることを特徴とする経口用剤によって解決される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
シンナムアルデヒド及び/又はその誘導体の摂取量が5mg以上/日である、
ことを特徴とする経口用剤。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
シンナムアルデヒド及び/又はその誘導体を有し、肌の弾力を増加させる、
ことを特徴とする経口用剤。
【請求項3】
シンナムアルデヒド及び/又はその誘導体を有し、経表皮水分蒸散量を減少させる、
ことを特徴とする経口用剤。
【請求項4】
シンナムアルデヒド及び/又はその誘導体を有し、皮膚水分量を増加させる、
ことを特徴とする経口用剤。
【請求項5】
シンナムアルデヒド及び/又はその誘導体を有し、血中ペントシジン濃度を減少させる、
ことを特徴とする経口用剤。
【請求項6】
前記シンナムアルデヒド及び/又はその誘導体を含有するシナモン及び/又はシナモン抽出物を含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の経口用剤。
【請求項7】
前記シンナムアルデヒド及び/又はその誘導体を含有するシナモン及び/又はシナモン抽出物を0.0001~80質量%含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の経口用剤。
【請求項8】
形態が液状、固形、液体、ゲル、気泡、乳液、粉末、顆粒、ペースト及びクリームのいずれか一つである、
請求項1~5のいずれか1項に記載の経口用剤。
【請求項9】
経口用剤が飲食品である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の経口用剤。
【請求項10】
錠剤、カプセル、飲料、ゼリー、菓子、パン、ケーキ、カレー粉、カレー、レトルト食品及び調味料のいずれか一つの形状である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の経口用剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、経口用剤に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来より体内の老化を引き起こす現象の一つとして糖化が知られている。糖化とは、グルコース等の還元糖とアミノ酸や蛋白質を反応物とするアミノ・カルボニル反応のことをいい、糖化は、還元糖とアミノ酸や蛋白質のアミノ基との反応からシッフ塩基が生成され、アマドリ転位によって安定なアマドリ化合物が生成される過程と、これに続く、当該アマドリ化合物が脱水、酸化、縮合、環状化等を経て糖化最終産物に変化する工程からなる化学反応ということができる。この化学反応では、例えば摂取された糖が体内の蛋白質等と反応(代表的なものにメイラード反応がある。)して、蛋白質の変性物質である糖化最終産物(AGEs)が生成することが知られている。
【0003】
糖化最終産物とは、糖化によって生成される生成物の総称であり、例えばペントシジン、ピロピリジン、クロスリン、カルボキシメチルリジン等がこれに属する。この糖化最終産物は、蛋白質の本来の機能が失われたものであり、体内に蓄積すると、動脈硬化や皮膚の老化等を引き起こす。糖化最終産物の一つであるペントシジンは、蛋白質から生成される蛍光性、架橋性を有し、特に皮膚コラーゲン中に加齢と共に蓄積されるものであり、コラーゲン繊維に架橋構造を形成して皮膚の弾力性低下を引き起こす原因物質として知られている。
【0004】
この糖化に関しては様々な研究がなされており、当初は主に食品を対象に進められ、その後ヒトや動物についても対象に含められるようになった。糖化によって生成される糖化蛋白は、老化現象や糖尿病合併症、アルツハイマー等の疾患の発症に関与することが明らかとなり、現在、この糖化を阻害・抑制する研究もなされてきている。
【0005】
体内における最終産物の蓄積は、健常な人であっても日常的に進み、おおよそ飲食品の摂取や化粧料の皮膚への塗布により体内に吸収されて蓄積する場合と、体内での糖化によって産生し蓄積される場合とを挙げることができる。最近ではこのような体内における糖化最終産物の生成・蓄積を抑制することが、老化現象や疾患の発生の抑制につながり、ひいては人体、特に肌の美容に効果的であるのではないかと考えられている。
【0006】
これら糖化最終産物の生成を抑制する物質としてアミノグアニジンを例示できる。この物質は、糖尿病合併症の治療薬として研究され、糖尿病合併症に有効であることがモデル動物で確認されているが、他方でアミノグアニジンが副作用を引き起こすことが知られている。今後研究を進めていく中でこのような副作用をもたらさない、糖化最終産物の生成抑制用剤を開発することが肝要となっている。
【0007】
こうした糖化、特にメイラード反応を抑制する物質等に関する技術文献として特許文献1,2を例示することができる。特許文献1には、トランスケイ皮酸などのフェニルプロパノイド、カルコン及びベンゼン誘導体からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とするメイラード反応阻害剤が開示されている。そして、これら物質からなるメイラード反応阻害剤がペントシジン生成抑制作用を有することを確認し、人又は動物に対して内用又は外用しても安全なものであるとしている。
【0008】
また、特許文献2には、ケイヒ等の植物原料を減圧条件下に乾留して得られる減圧乾留物を有効成分とするメイラード反応抑制剤が開示されている。なお、非特許文献1や非特許文献2は、特許文献1,2に類する技術を開示するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2003-212774号公報
特開2014-205658号公報
Sirichai Adisakwattana 「桂皮酸とその誘導体がフルクトースを介したタンパクの糖化を阻害する。」 International Journal of Molecular Sciences 2012, 13, 1778-1789; doi:10.3390/ijms13021778
Malgorzata Starowicz and Henryk Zielinski 「ヨーロッパ料理に一般的に使用される高抗酸化レベルのスパイスによる高度糖化最終産物生成の阻害」 antioxidants (Basel) 2019 Apr; 8(4): 100;doi:10.3390/antiox8040100
Determination of Urinary and Serum Pentosidine and Its Application to Elder Patients(Biol. Pharm. Bull. 21(10) 1005-1008(1998))
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1は、メイラード反応抑制剤として、トランスケイ皮酸などのフェニルプロパノイド、カルコン及びベンゼン誘導体を主に掲げているが、メイラード反応抑制効果を奏する物質はこれだけに限られるものではないし、また実施例ではメイラード反応抑制剤をマウス、兎等の動物に投与しているが、人体、特に肌に対してはその効果が奏するかは不明であるといえる。また、特許文献2には、メイラード反応抑制剤である減圧乾留物が植物原料由来のものとの記述がされているものの、当該メイラード反応抑制の効果が植物原料のうちのどの物質によって奏されるのかということについては不明であり、特定がなされていない。さらに、両特許文献は、人体での実験を行っていないので、糖化最終産物を抑制することが人体にどのような効果を及ぼすかについては全く不明である。以上の背景技術に鑑み、本発明は解決しようとする主たる課題は、肌の美容に効果的である経口用剤を提供すること、とするものである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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