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公開番号
2024133952
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-03
出願番号
2023043990
出願日
2023-03-20
発明の名称
高栄養冷菓
出願人
不二製油株式会社
代理人
主分類
A23G
9/00 20060101AFI20240926BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】
植物性のたん白素材を用い、蛋白質を8質量%以上、カルシウムを30mg/100ml以上含むものであって、一般的な流通販売経路の中で長期間の保管流通が可能な飲食品を得ることとした。
【解決手段】
8質量%以上の豆類たん白素材と30mg/100ml以上のカルシウムを含む生地を用いて、これを冷菓の形態とする。これにより、常温流通の飲料では必須な強い殺菌工程が避けられ、沈殿や粘度上昇を抑止できる。得られた冷菓は一般的な流通販売経路の中で、長期間の保管流通が可能であり、デザートとして摂取もし易い栄養強化食となる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
粉末状豆類たん白素材を蛋白質として8質量%以上、カルシウムを30mg/100ml以上含有する冷菓。
続きを表示(約 310 文字)
【請求項2】
油脂を2質量%以上含有する水中油型乳化物である、請求項1に記載の冷菓。
【請求項3】
蛋白質が15質量%以下、カルシウムが200mg/100ml以下である、請求項1に記載の冷菓。
【請求項4】
粉末状豆類たん白素材が大豆たん白素材である、請求項1に記載の冷菓。
【請求項5】
大豆たん白素材のNSIが 40%以上、TCAが10%以上である、請求項4に記載の冷菓。
【請求項6】
粉末状豆類たん白素材を蛋白質として8質量%以上、カルシウムを30mg/100ml以上含有する水混合物を凍結凝固させて冷菓とする、該水混合物の増粘沈殿の抑止方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛋白質およびカルシウムを高濃度に含有する冷菓に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
特定の栄養成分を強化した食品は古くからあり、各種の蛋白質,脂質,ミネラル,ビタミン類等々が対象となっている。特に蛋白質とカルシウムは強化の対象として高頻度で選択される一方、両者間の高い反応性により、増粘や沈殿を引き起こすことがあった。近年は健康や環境の理由から植物性蛋白質が乳蛋白質より選択される機会も多いが、カルシウムとの反応性は乳蛋白質よりも更に高い場合が多い。
【0003】
栄養成分を強化した食品の典型は流動食であるが、これら飲食品は常温で流通する必要があり、レトルト殺菌やそれに準じた高温長時間の殺菌が行われる。そして高温長時間殺菌はカルシウム存在下の大豆蛋白質に増粘や凝集を引き起こす。これを回避する技術も複数存在する。特許文献1は、流動食に於いて、大豆蛋白質の製造法の改良により増粘と沈殿を回避した技術である。特許文献2は、同様な課題に対して、グリシニンの含量が少ない特殊な大豆蛋白質を用いる技術である。また、増粘や沈殿を防ぐ機構は明らかにされていないが、カルシウム72mg/100mlを含む、大豆蛋白質として6.4質量%を含む製品も存在している。(非特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開WO2009/057554号
国際公開WO2009/116636号
【非特許文献】
【0005】
「製品情報 リカバリーミニオメガスリー」インターネット<URL:https://www.nutri.co.jp/products/recovery_mini/index.html>、検索日2023年3月14日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上に挙げた従来技術は、何れも蛋白質が7質量%に満たない濃度である。本発明の目的は、汎用性の高い植物性のたん白素材を用い、蛋白質として8質量%以上、カルシウムを30mg/100ml以上含むものであって、一般的な流通販売経路の中で、長期間の保管流通が可能な飲食品を得ることとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意研究を重ねた結果、8質量%以上の豆類たん白素材と30mg/100ml以上のカルシウムを含む水混合物について、これを冷菓とすることで完成に至った。すなわち、冷菓であれば流通経路が氷点下に限定されるために、常温流通の飲食品では必須な強い殺菌工程の必要がなくなる。高濃度の蛋白質やカルシウムが共存していても、沈殿や粘度上昇を抑止できる。
【0008】
即ち、本発明は
(1)豆類たん白素材を蛋白質として8質量%以上、カルシウムを30mg/100ml以上含有する冷菓。
(2)油脂を2質量%以上含有する水中油型乳化物である、(1)に記載の冷菓。
(3)蛋白質が15質量%以下、カルシウムが200mg/100ml以下である、(1)に記載の冷菓。
(4)粉末状豆類たん白素材が大豆たん白素材である、(1)に記載の冷菓。
(5)大豆たん白素材のNSIが 40%以上、TCAが10%以上である、(4)に記載の冷菓。
(6)粉末状豆類たん白素材を蛋白質として8質量%以上、カルシウムを30mg/100ml以上含有する水混合物を凍結凝固させて冷菓とする、該水混合物の増粘沈殿の抑止方法。
に関するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一般的な流通販売経路の中で長期間の保管流通が可能であって、粉末状豆類たん白素材を蛋白質として8質量%以上、カルシウムを30mg/100ml以上含んでいても沈殿や増粘が避けられ、また多少の沈殿や増粘があっても摂取の障害になり難い形態の、栄養強化食品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
冷菓製造の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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