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公開番号2025025969
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023131269
出願日2023-08-10
発明の名称不快味マスキング剤
出願人不二製油株式会社
代理人
主分類A23L 27/00 20160101AFI20250214BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】本発明は、グリシン含有食品において、グリシンの不快味である甘味をマスキングするマスキング剤、及び、該グリシンの不快な甘味がマスキングされた食品を提供することを課題とする。
特に、グリシンの不快味をマスキングし、食品そのものの良好な風味を有する食品を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明により、20℃における10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下である水溶性多糖類を含む、グリシンのマスキング剤によって、グリシンの不快な味をマスキングできることを見出した。
さらに、グリシンを0.1質量%以上含有する食品であって、
該グリシン1質量部に対して、水溶性多糖類の割合が固形分換算で0.01質量部以上8質量部以下であることを特徴とする食品において、グリシンの甘味がマスキングされ、食品そのものの良好な風味を有する、食品を提供することができることを見出した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
20℃における10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下である水溶性多糖類を含む、グリシンの不快味マスキング剤。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
該水溶性多糖類が、水溶性大豆多糖類、水溶性エンドウ多糖類、アラビアガム及びプルランからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1記載のマスキング剤。
【請求項3】
グリシンを0.1質量%以上含有する食品であって、
該グリシン1質量部に対して、請求項1又は2記載の水溶性多糖類の割合が固形分換算で0.01質量部以上8質量部以下であることを特徴とする、グリシンの不快味がマスキングされた食品。
【請求項4】
以下の(A)~(C)の全ての工程を有する、グリシン及び水溶性多糖類を含む食品であって、グリシンの不快味がマスキングされた食品の製造方法。
(A)20℃での10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下の水溶性多糖類を準備する工程。
(B)(A)の水溶性多糖類と、グリシンを含む原料とを混合する工程。ただし、(A)の水溶性多糖類が、グリシン1質量部に対して固形分換算で0.01質量部以上8質量部以下となるように添加する。
(C)(B)で得られる混合物を用い、pH4.6以上であり、グリシンを0.1質量%以上含有する食品を調製する工程。
【請求項5】
以下の(a)~(c)の全ての工程を有する、食品中のグリシンの不快味をマスキングする方法。
(a)20℃での10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下の水溶性多糖類を準備する工程。
(b)(a)の水溶性多糖類と、グリシンとを混合する工程。ただし、(a)の水溶性多糖類が、グリシン1質量部に対して固形分換算で0.01質量部以上8質量部以下となるように添加する。
(c)(b)で得られる混合物を用い、pH4.6以上であり、グリシンを0.1質量%以上含有する食品を調製する工程。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、不快味マスキング剤に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
食品又は食材には、微生物増殖を抑制する目的で、グリシンや酢酸ナトリウム等の日持ち向上剤が用いられている。
しかしながら、グリシンや酢酸ナトリウム等の日持ち向上剤は特有の甘味や収れん味等の不快な風味を有し、食品又は食材そのものの味を損ねてしまう場合がある。
【0003】
グリシン特有の甘味をマスキングに関連する出願としては、例えば特許文献1が存在する。特許文献1では、「食品添加用保存料及びスクラロースを含有することを特徴とする味質が改良された保存料」に関して記載されている。
また、特許文献2には、日持ち向上剤を0.1質量%以上含有する加熱済み食品又は食材において、麹熟成卵黄を含有し、前記日持ち向上剤1質量部に対して前記麹熟成卵黄の割合が固形分換算で0.05質量部以上12質量部以下であることを特徴とする、加熱済み食品又は食材について記載されている。特許文献3には、「イソ吉草酸及び/又はフェネチルアルコール、並びにラクトン類を含み、(ラクトン類)/(イソ吉草酸とフェネチルアルコール)が重量比0.1以上1000以下である、マスキング用風味材」に関して記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000-175668号公報
特開2020-120626号公報
国際公開2022/270560号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、グリシン含有食品において、グリシンの不快味である甘味をマスキングするマスキング剤、及び、該グリシンの不快な甘味がマスキングされた食品を提供することを課題とする。
特に、グリシンの不快味をマスキングし、食品そのものの良好な風味を有する食品を提供することを課題とする。
【0006】
食品は、その風味だけでなく、日持ちも重要な要素とされる。日持ちが向上した食品は、微生物の繁殖を抑えることができる。そのため、食品のロングライフ化やそれに伴う廃棄ロスの低減により、環境への負荷も低減される等の利点があり、有用なものとなり得る。
日持ち向上剤として使用されるグリシンや酢酸ナトリウムは、グリシン由来の甘味や酢酸ナトリウム由来の収れん味等の不快な風味を有するために、食品素材そのものの風味が損なわれる場合がある。グリシンの不快な風味を抑えつつ、食品素材そのものの風味を消すことなく感じることができるようなマスキング剤は、より風味が良好な食品を提供するために有用である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決することが出来れば、更なる市場の拡大につながるのではないかと、鋭意検討を重ねた。その結果、本発明者らは、20℃における10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下である水溶性多糖類を含むことで、前記課題を解決し本発明を完成するに至った。
【0008】
なお、特許文献1は、スクラロースを使用し、不快な風味をマスキングすることが提案されているが、スクラロースは甘味料であるために甘みが強く、惣菜等に対しては味のバランスが崩れてしまうことから、本発明を完成させる上で特許文献1は参考とならなかった。引用文献2は、課題解決方法が本発明とは異なるものであり、参考とならなかった。引用文献3は、本発明のような、20℃における10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下である水溶性多糖類を含むことで、前記課題を解決する旨の記載はなかった。
【0009】
即ち本発明は、
(1)20℃における10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下である水溶性多糖類を含む、グリシンの不快味マスキング剤、
(2)該水溶性多糖類が、水溶性大豆多糖類、水溶性エンドウ多糖類、アラビアガム及びプルランからなる群より選ばれる1種以上である、(1)記載のマスキング剤、
(3)グリシンを0.1質量%以上含有する食品であって、
該グリシン1質量部に対して、(1)又は(2)記載の水溶性多糖類の割合が固形分換算で0.01質量部以上8質量部以下であることを特徴とする、グリシンの不快味がマスキングされた食品、
(4)以下の(A)~(C)の全ての工程を有する、グリシン及び水溶性多糖類を含む食品であって、グリシンの不快味がマスキングされた食品の製造方法、
(A)20℃での10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下の水溶性多糖類を準備する工程、
(B)(A)の水溶性多糖類と、グリシンを含む原料とを混合する工程、ただし、(A)の水溶性多糖類が、グリシン1質量部に対して固形分換算で0.01質量部以上8質量部以下となるように添加する、
(C)(B)で得られる混合物を用い、pH4.6以上であり、グリシンを0.1質量%以上含有する食品を調製する工程、
(5)以下の(a)~(c)の全ての工程を有する、食品中のグリシンの不快味をマスキングする方法、
(a)20℃での10質量%水溶液の粘度が200mPa・s以下の水溶性多糖類を準備する工程、
(b)(a)の水溶性多糖類と、グリシンとを混合する工程、ただし、(a)の水溶性多糖類が、グリシン1質量部に対して固形分換算で0.01質量部以上8質量部以下となるように添加する、
(c)(b)で得られる混合物を用い、pH4.6以上であり、グリシンを0.1質量%以上含有する食品を調製する工程、
に関するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、グリシン含有食品において、グリシンの不快味である甘味をマスキングするマスキング剤、及び、該グリシンの不快な甘味がマスキングされた食品を提供することができる。
また、グリシンの不快味をマスキングし、食品そのものの良好な風味を有する食品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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