TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025030085
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023135079
出願日2023-08-22
発明の名称軟らかい食肉製品の製造方法
出願人長野県
代理人
主分類A23L 13/00 20160101AFI20250228BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】従来の加熱のみによる食肉加工では食感が硬くなる、もしくは軟らかくなると同時にジューシー感が失われるなど、消費者にとって好ましい食感を得るのが困難であった。
【解決手段】食肉をpH3.5~7.5の調味液と合わせて密封し、50~200MPa、65~85℃、30分以上の加熱高圧同時処理を行う。この製造方法により従来の加熱のみによる食肉加工品よりも軟らかい食感を有し、同時に食品衛生法に適合する殺菌処理の施された食肉加工品が得られ、前記課題を解決することができる。
【選択図】図6

特許請求の範囲【請求項1】
食肉加工品の製造方法であって、食肉と調味液を合わせて密封したものに対して、高圧加工工程と加熱工程を同時に同時間行う食肉加工品の製造方法。
続きを表示(約 210 文字)【請求項2】
前記高圧加工工程が、50~200MPaの静水圧である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記加熱工程が、65~85℃の加熱処理である請求項1および2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記製造方法の時間が、30分以上である請求項1~3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記調味液が、pH3.5~7.5の調味液である、請求項1~4に記載の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧処理と加熱処理を同時に同時間行うことで、軟らかい食感に調整されると同時に食品衛生法に適合する食肉加工品の製造方法を提供するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
豚肉や牛肉等の食肉を原料とする食品は、殺菌のために加熱処理が不可欠であるが、加熱殺菌に用いられる65~100℃程度の熱処理は食肉を硬くしてしまうことが知られている(非特許文献1)。そのため、加熱後も軟らかい食肉加工品を得るため、圧力鍋やレトルト加工による高温調理方法が用いられてきた。しかし、高い温度で加熱されるため製品の色や風味に影響し、また軟らかくなるが同時に弾力やジューシー感も失われ、消費者が好ましいと感じる食感にならないという問題があった。
【0003】
熱の影響を最小限に抑えながら殺菌を行う技術として、高圧食品加工技術が知られている。高圧食品加工技術は,数百MPaの静水圧を用いる非熱的な殺菌技術として考案され,生ハム等の食肉製品の殺菌にも用いられている(非特許文献2)。
【0004】
当該技術は低温で殺菌する技術としては有用であるものの、多くの食肉製品は食品衛生法において63℃30分相当以上の加熱殺菌が厳格に規定されているため、適用可能な製品の範囲が限られている。また圧力のみでは、芽胞形成菌等の耐熱性菌の殺菌が困難とされている。
【0005】
我々は、これまで100~200MPa程度の静水圧処理と60℃~80℃程度の加熱を併用する加工手法の研究を行ってきた。当該技術は芽胞形成菌にも高い殺菌効果が得られることが知られている。そこで我々は当該技術を用いて、加熱食肉製品の加工を試みた。その結果、高い殺菌効果のみならず軟らかい食感を同時に得ることができ、本発明に至った。
【0006】
なお、当該技術の関連特許である特許文献1には、食肉を軟化する手法が記載されている。しかしこの手法は対象となるサンプルが牛外モモと牛タンに限られており、また加熱温度を60℃以下としていることから、食品衛生法で規定される殺菌条件に満たないため、本発明が目指す技術とは異なるものである。
【0007】
特許文献2には、40℃~60℃、50MPa~100MPaの圧力を負荷することでたんぱく質を主体とする食材を酵素分解し、調味料を製造する方法が記載されている。また特許文献3には、調味料や保存料等が添加されたフレーク状の食肉に、15~150℃、300~650MPa、1~10分間の圧力処理を行い、固形状の食品を製造する方法が記載されている。しかし本発明が目指すものは、肉としての形状や食感を残した製品であり、これらの発明とは異なる。
【0008】
特許文献4には、生の食肉を重曹液に漬けた後、調味液に浸し、100~400MPaの圧力を負荷することで、食肉を調理後も軟らかさを保つ方法が記載されている。また特許文献5には、特許文献4と同様に生の食肉を重曹液に漬けた後、100~500MPaの圧力を負荷することで、機能性ペプチドを増強する方法が記載されている。しかし本発明は圧力と同時に熱を加えることで殺菌を行うことができ、処理後の調理を前提としたこれらの発明とは異なるものである。
【0009】
特許文献6には、調味料や保存料等が添加された生の食肉に、200~600MPa、40~60℃、20~60分間の圧力処理を行い、物性の変化や保存性の向上を行う食肉加工方法が記載されている。しかしこの発明は特許文献1と同様に処理温度が食品衛生法上必要な温度に達しておらず、本発明が目指すものとは異なる。
【0010】
特許文献7には、pH4.5以上で70℃の予備加熱を行った後、50,000~140,000psi(約345~965MPa)の圧力処理を行い、食品の殺菌を行う方法が記載されている。また特許文献8には、200~250MPa、20~40℃の圧力処理と、60~70℃の燻煙処理を組み合わせた、ハムの製造方法が記載されている。しかしこれらの発明は熱処理と圧力処理を別々に行っており、また食感への影響を考慮していない。本発明は熱処理と圧力処理を同時に行うことで、殺菌と同時に食感の改良を行うものであり、前記の発明とは異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

長野県
軟らかい食肉製品の製造方法
1か月前
長野県
高濃度イソマルトース麹発酵食品の製造法
3日前
タカノ株式会社
シリコン構造体の製造方法
8か月前
デンカ株式会社
きのこ栽培用人工培養基、きのこ栽培用培地、きのこの人工栽培方法
9か月前
岐阜県
乳酸菌及び発酵物
10か月前
個人
堤防構造物
9か月前
公立大学法人公立諏訪東京理科大学
水位予測装置、降水量推定装置、及び、水位予測方法
9か月前
株式会社アシックス
評価装置、登山能力評価システム、および評価方法
11か月前
国立大学法人信州大学
オルニチンおよび/またはシトルリンの産生能に優れた新規微生物
10日前
株式会社ペリカン
全脂組織状蛋白及びその製造方法
5か月前
FLOATBASE株式会社
移動型医療・ヘルスケアボックス
4か月前
MiZ株式会社
水素産生菌の水素発生量を向上させる組成物
10か月前
株式会社バンダイ
菓子
1か月前
株式会社バンダイ
菓子
1か月前
個人
焼き魚の製造方法
10日前
池田食研株式会社
発泡顆粒
1か月前
池田食研株式会社
免疫賦活剤
1か月前
個人
サメの加工品の識別方法
1か月前
キッコーマン株式会社
粉末醤油
2か月前
池田食研株式会社
乳化用組成物
1か月前
第一工業製薬株式会社
固形食品
10日前
長谷川香料株式会社
香味改善剤
1か月前
アサヒ飲料株式会社
飲料
1か月前
日澱化學株式会社
チーズ様食品
13日前
個人
ブライン液の製造方法
2か月前
一般社団法人神真都Q会
松の木茶
1か月前
日本メナード化粧品株式会社
飲料
1か月前
個人
薬草茶用の薬草配合物
2か月前
長谷川香料株式会社
苦味感増強剤
12日前
株式会社SERE
だしパック
25日前
不二製油株式会社
含水飲食品用油脂
1か月前
長野県
軟らかい食肉製品の製造方法
1か月前
不二製油株式会社
菓子類の製造方法
1か月前
池田食研株式会社
風味付与用組成物
24日前
株式会社バンダイ
菓子及び菓子セット
24日前
株式会社バンダイ
菓子及び菓子セット
24日前
続きを見る