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公開番号2024094145
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022210921
出願日2022-12-27
発明の名称堤防構造物
出願人個人
代理人
主分類E02B 9/04 20060101AFI20240702BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】公共のインフラストラクチャーとして、持続可能性が高い堤防構造物を提供する。
【解決手段】河川の既存の堤防の上に、水路(暗渠または開渠)を内蔵した新たな堤防を設けることで、堤防高を既存高より高くする。水路の取水口をなるべく標高が高い適切な場所に設置して、右岸と左岸の水路に導水することにより、全体流量を3分割する。取水口の標高よりやや低い位置まで貯水が可能な状況をつくるならば、堤防内水路の大部分は管路等の暗渠でよく、水路のうち適切な位置に調整池機能がある構造物(貯水槽等)を設置すれば、サイフォンの原理により必要十分に貯水することができる。構造物(貯水槽等)の適切な位置に取水量よりやや減じた排水量の排水口と水力発電機を設置して水力発電を行い、さらに標高を下げた箇所に構造物(貯水槽等)を設置し、サイフォンの原理により必要十分に貯水すれば、条件が許す限り複数回の水力発電が可能になる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
堤防の上部または内部に、水路(暗渠または開渠)を併設し、水路の取水口を適切な場所に設置して、右岸と左岸の水路に導水することにより、全体流量を3分割して、既存河川部分の流量を減らすことができ、かつ水力発電等に利活用できる構造の堤防内水路。
続きを表示(約 150 文字)【請求項2】
請求項1の堤防内水路を活用し、適切な位置に調整池機能がある構造物(貯水槽等)を設置し、必要十分に貯水したのち、構造物(貯水槽等)の適切な位置に取水量よりやや減じた排水量の排水口と水力発電機を設置して水力発電を行い、河川延長等の条件が許す限りの水力発電が可能になる構造物(貯水槽等)。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、堤防構造物に関するものである。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
(国際特許分類)
F03B 7/00
F03B 17/06
F03B 3/18
(FI)
F03B 7/00
F03B 17/06
F03B 3/18
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、地球温暖化や異常気象等の影響による災害が日本や世界各地で頻繁に発生しており、集中豪雨や台風等による水害もその一つである。
異常気象等による災害対策のため、河川の堤防機能の強化の必要性が高まっているが、国や地方自治体等の行政機関の予算には限りがあるため、多くの地方の対策はできておらず、対策が後手後手になり、毎年各地で大きな被害が発生している実態である。
国民福祉向上と経済発展に必要な公共のインフラストラクチャー(infrastructure)として、持続可能性が高い施設整備方法の開発が喫緊の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の構造物について、詳細な設計は実際の河川の様々な条件に合わせて行うため、ここではその基本的構造や機能について述べる。
河川の既存の堤防の上に、水路(暗渠または開渠)を内蔵した新たな堤防を設けることで、堤防高を既存高より高くする。
このような構造の水路を仮に堤防内水路(仮称)と呼称する。
水路の取水口をなるべく標高が高い適切な場所に設置して、右岸と左岸の水路に導水することにより、全体流量を3分割して、既存河川部分の流量を減らすことができる。
一例をあげると、仮に100kmの延長がある河川の標高100mの位置に取水口を設置したとして、堤防内水路の構造物を仮に高さ10m(3階建ビルほど)まで建設可能とし、堤防幅の天端と法面含めて5mの内幅の構造物を建設可能とすると、断面が長さ1km高さ10mの三角形かつ内幅5mの構造物(貯水槽等)を設置でき、この場合の理論上は250,000m3の容積を確保できる。
電力会社管理ダムの一例では、長野県の信濃川水系渋沢ダムは総貯水量220,000m3で常時出力4,800キロワットなので、匹敵する貯水量がある。
これは理論上であり、実際の曲がりくねった河川に10km構造物を建設すると建設費が大きくなるが、サイフォンの原理を有効にすること、つまり取水口の標高よりやや低い位置まで貯水が可能な状況をつくるならば、堤防内水路の大部分は管路等の暗渠でよく、水路のうち適切な位置に調整池機能がある構造物(貯水槽等)を設置すれば、サイフォンの原理により必要十分に貯水することができる。
構造物(貯水槽等)が設置できなくても、水路に十分な容量があり、河川の傾斜と同じ傾斜がある構造ならば、水路そのものが貯水槽の役割を果たすことができる。
一例をあげると、100kmの延長がある河川の標高100mの位置に取水口を設置し、水路を仮に長さ10km高さ5m内幅5mとすると、理論上は250,000m3の容積を確保でき、水路の中の河川水の重量と圧力によるエネルギーを得ることができる。
構造物(貯水槽等)の適切な位置に取水量よりやや減じた排水量の排水口と水力発電機を設置して水力発電を行い、さらに標高を下げた箇所に構造物(貯水槽等)を設置し、サイフォンの原理により必要十分に貯水すれば、河川延長等の条件が許す限り複数回の水力発電が可能になる。
水力発電のためにダム等を建設すると大規模な工事となり、新規の用地取得など大きな費用が必要になるが、上記のように既存の堤防敷を有効活用し、堤防機能と水路機能を両用させれば、工事規模を小さく、かつ防災機能と発電機能両面で活用が可能である。
発電した電気を長期間売電することにより施設整備費を回収できる上に、適切に管理や補修をすれば永続的に収入が見込めるため、事業者(国、地方自治体等)の収入の一助となり、再生可能エネルギーによる電力自給自足の一助となる。
国営や県営の事業等において、今まで有効活用されていなかった河川水の位置エネルギー、運動エネルギー、圧力エネルギーを最大限有効活用し、再生可能エネルギーの開発を行政機関自ら率先して開発する取組を示すことができれば望ましい。
以上のような基本的構造と機能を持った、堤防構造物である。
【発明の効果】
【0005】
異常気象等による災害対策のため、河川の堤防機能の強化の必要性が高まっていることから、国民福祉向上と経済発展に必要な公共のインフラストラクチャー(infrastructure)として、持続可能性が高い施設整備方法を提供できる。
河川管理者である国や地方自治体が本発明を採用すれば、売電することにより施設整備費を回収できる上に、適切に管理や補修をすれば永続的に収入が見込めるため、事業者(国、地方自治体等)の収入の一助となり、再生可能エネルギーによる電力自給自足の一助となる。
国営や県営の事業等において、今まで有効活用されていなかった河川水の位置エネルギー、運動エネルギー、圧力エネルギーを最大限有効活用し、再生可能エネルギーの開発を行政機関自ら率先して開発する取組を示すことができれば望ましい。
実用化できれば日本国内はもとより、全世界における需要を見込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
堤防構造物(堤防内水路)と水路(暗渠等)の構造図(横断面)
構造物(貯水槽等)の構造図(縦断面)
【発明を実施するための形態】
【0007】
河川の既存の堤防の上に、水路(暗渠または開渠)を内蔵した新たな堤防を設けることで、堤防高を既存高より高くする。
このような構造の堤防を仮に堤防内水路(仮称)と呼称する。
水路の取水口をなるべく標高が高い適切な場所に設置して、右岸と左岸の水路に導水することにより、全体流量を3分割して、既存河川部分の流量を減らすことができる。
一例をあげると、仮に100kmの延長がある河川の標高100mの位置に取水口を設置したとして、堤防内水路の構造物を仮に高さ10m(3階建ビルほど)まで建設可能とし、堤防幅の天端と法面含めて5mの幅の構造物を建設可能とすると、断面が長さ10km高さ10mの三角形かつ幅5mの構造物(貯水槽等)を設置でき、この場合の理論上は250,000m3の容積を確保できる。
これは理論上であり、実際の曲がりくねった河川に10km構造物を建設すると建設費が大きくなるが、サイフォンの原理を有効にすること、つまり取水口の標高よりやや低い位置まで貯水が可能な状況をつくるならば、堤防内水路の大部分は管路等の暗渠でよく、水路のうち適切な位置に調整池機能がある構造物(貯水槽等)を設置すれば、サイフォンの原理により必要十分に貯水することができる。
構造物(貯水槽等)の適切な位置に取水量よりやや減じた排水量の排水口と水力発電機を設置して水力発電を行い、さらに標高を下げた箇所に構造物(貯水槽等)を設置し、サイフォンの原理により必要十分に貯水すれば、河川延長等の条件が許す限り複数回の水力発電が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0008】
異常気象等による災害対策のため、河川の堤防機能の強化の必要性が高まっていることから、国民福祉向上と経済発展に必要な公共のインフラストラクチャー(infrastructure)として、持続可能性が高い施設整備方法を提供できる。
実用化できれば日本国内はもとより、全世界における需要を見込むことができる。
【符号の説明】
【0009】
1 堤防構造物(堤防内水路)
2 水路(暗渠等)
3 既存堤防
4 構造物(貯水槽等)
5 取水口
6 取水口の標高と同じ標高の可能貯水高
7 排水口
8 河川の傾斜と同じ傾斜がある構造

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