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公開番号2024140375
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023051490
出願日2023-03-28
発明の名称油脂の製造方法
出願人不二製油株式会社
代理人
主分類A23D 9/02 20060101AFI20241003BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】油脂のトリグリセリド組成及び物性についての、微少な調整が可能となる、油脂の製造方法を提供すること。
【解決手段】原料油にナトリウムメトキシドを0.01~0.05質量%添加し、200℃以上に加温した真空条件下で反応させる、油脂の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
原料油にナトリウムメトキシドを0.01~0.05質量%添加し、200℃以上に加温した真空条件下で反応させる、油脂の製造方法。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
反応が以下の条件で実施される、請求項1に記載の油脂の製造方法。
(条件)
真空度:3kPa以下
反応時間:20分間以上
【請求項3】
前記原料油が、パーム系油脂を含む油脂である、請求項1又は請求項2に記載の油脂の製造方法。
【請求項4】
以下で定義されたXXXの反応変化指標が、±30%以内である、請求項1又は請求項2に記載の油脂の製造方法。
XXX:原料油の構成脂肪酸組成中、最も質量組成比の高い飽和脂肪酸をX、Xが3分子結合しているトリグリセリド
XXXの反応変化指標:(反応油中のXXX含有量-原料油中のXXX含有量)×100/(完全ランダムエステル交換反応油中のXXX含有量-原料油中のXXX含有量)
【請求項5】
前記原料油が、パーム系油脂を含む油脂である、請求項4に記載の油脂の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、油脂の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
油脂の加工において、加工後の油脂の上昇融点や固体脂含量といった物性を如何に細かく調整できるかは加工油脂の設計において非常に重要な要素である。
【0003】
油脂の代表的な加工技術の一つに、エステル交換反応がある。エステル交換反応は油脂を構成するトリグリセリドに結合している脂肪酸を分子内、及び分子間で交換することによりトリグリセリド分子種の組成、及び油脂の物性を変化させる技術である。エステル交換反応は特に近年、トランス脂肪酸の懸念から忌避されている部分水素添加法の代替技術として用いられている。
【0004】
エステル交換反応はアルカリ金属触媒を用いる化学エステル交換反応と、酵素を触媒として用いる酵素エステル交換反応の二つに大別される。
【0005】
化学エステル交換反応は、素早い化学反応と高い反応率から、効率の良い油脂の加工法として広く利用されている。反面、素早い化学反応と高い反応率から、反応率を微小に留めておくような細かい調整には不向きとされている。例えば、部分水素添加油の中でも、特に微水素添加油と呼ばれる油脂の物性を微小に変化させた油脂を、化学エステル交換反応で製造することは困難である。
【0006】
一方、酵素エステル交換反応は、その反応率を調整することで、化学エステル交換反応では調整が難しい細かいトリグリセリド分子種組成及び物性の調整が可能である。また使用する酵素を選択することで、トリグリセリドのグリセリン骨格の特定の位置に結合している脂肪酸のみ交換することも可能である。
ただし、化学エステル交換反応ほどの効率の良い加工技術ではないため、作業性、コスト面で問題を抱えている。さらに本手法は、反応率を分析し、分析結果を見て反応終点を見極める必要があるため煩雑な作業が必要である。
【0007】
前述のような課題を解決するため、例えば、特許文献1は油脂のエステル交換反応を2段階で行うことで、酵素による1、3位特異的なエステル交換を行う油脂の製造において、安価な酵素を用いても、2位の脂肪酸組成の異性化率を低く保ち、しかも製造時間が短い方法が例示されている。しかしながら、複数のエステル交換反応を実施する必要があるため、煩雑であり、化学エステル交換反応と比較すると作業性、コスト面で劣るものであった。
【0008】
また特許文献2は、原料油脂を、アミノ基を有する物質で処理することで、酵素剤の活性低下を抑制し、長期間安定な酵素エステル交換反応が可能とされているが、こちらも化学エステル交換反応と比較すると作業性、コスト面で劣るものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2009-045033号公報
特開平8-140689号公報
【非特許文献】
【0010】
松井,油化学,1979 ,第28巻,第10号,p.680~688
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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