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公開番号2024122901
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2024024718
出願日2024-02-21
発明の名称風味油脂の製造方法
出願人不二製油株式会社
代理人
主分類A23D 9/00 20060101AFI20240902BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】
本発明は、風味付けされた新規の油脂、特にカカオ含有飲食品用として好ましく使用できる風味油脂を提供することを課題とする。
【解決手段】
ポリフェノール素材を油脂に配合し、80~200℃、5~180分間反応後に、固形分を除去して得られた風味油脂が、カカオ含有飲食品に使用した場合にカカオの風味を増強させることを見出した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
油脂を、ポリフェノール素材の存在下で、80~200℃、5~180分間反応後に、固形分を除去することを特徴とする、風味油脂の製造方法。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
さらに、トレオニン、アラニン、バリン、ロイシン及びグルタミンの群から選ばれる1種以上のアミノ酸の存在下で反応させる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
さらに、グルコース、フルクトース及びキシロースの群から選ばれる1種以上の糖の存在下で反応させる、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
該風味油脂がカカオ含有飲食品用である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項5】
該風味油脂がカカオ含有飲食品用である、請求項3に記載の製造方法。
【請求項6】
該風味油脂がチョコレート類用である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項7】
該風味油脂がチョコレート類用である、請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
油脂を、ポリフェノール素材の存在下で、80~200℃、5~180分間反応後に、固形分を除去することにより得られる風味油脂を、0.01~20質量%含有された、カカオ含有飲食品。
【請求項9】
該カカオ含有飲食品がチョコレート類である、請求項8に記載の飲食品。
【請求項10】
油脂を、ポリフェノール素材の存在下で、80~200℃、5~180分間反応後に、固形分を除去することを特徴とする、油脂への風味付与方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、風味油脂の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
特定の風味を向上させる目的で、風味油脂の開発がなされている。例えば、カカオの風味を付与、向上させる風味油脂として、特許文献1~2が挙げられる。
【0003】
特許文献1では、脱臭焙煎胡麻油を含有するハードバター組成物を使用することで、良好なカカオ風味やコクが感じられる油性菓子を提供することができると記載されている。また、特許文献2では、カカオ脂以外の油脂中にカカオ豆由来の油溶性成分を含有することで、カカオ豆の持つ芳醇な香味を呈した食用香味油を提供することが可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-180297号公報
特開平05-146251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、胡麻油の処理方法によっては胡麻油の風味が強く感じられる場合があり、条件設定が難しい。特許文献2では、風味油脂としての効果は示されているものの、何れも少量の配合ではチョコレートの風味増強効果は弱い。特許文献2では油脂に付与される、カカオ豆由来の油溶性成分の量が少ないことから、より力価の強い風味油脂が求められている。
【0006】
また、チョコレートの風味向上が可能と言われるような香料や抽出物をチョコレートに配合したが、チョコレートの風味増強効果としては満足のいくようなものではなかった。チョコレート類において、チョコレート類の風味付与や増強といった効果を得るには、チョコレート類の連続相である油脂そのものに着味する必要があると考えられた。
よって本発明は、風味付けされた新規の油脂、特にカカオ含有飲食品用として好ましく使用できる風味油脂を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、ポリフェノール素材を油脂に配合し、特定の条件で反応させて得られた風味油脂が、カカオ含有飲食品に使用した場合にカカオの風味を増強させることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、
[1]油脂を、ポリフェノール素材の存在下で、80~200℃、5~180分間反応後に、固形分を除去することを特徴とする、風味油脂の製造方法、
[2]さらに、トレオニン、アラニン、バリン、ロイシン及びグルタミンの群から選ばれる1種以上のアミノ酸の存在下で反応させる、[1]に記載の製造方法、
[3]さらに、グルコース、フルクトース及びキシロースの群から選ばれる1種以上の糖の存在下で反応させる、[1]または[2]に記載の製造方法、
[4]該風味油脂がカカオ含有飲食品用である、[1]又は[2]に記載の製造方法、
[5]該風味油脂がカカオ含有飲食品用である、[3]に記載の製造方法、
[6]該風味油脂がチョコレート類用である、[4]に記載の製造方法、
[7]該風味油脂がチョコレート類用である、[5]に記載の製造方法、
[8]油脂を、ポリフェノール素材の存在下で、80~200℃、5~180分間反応後に、固形分を除去することにより得られる風味油脂を、0.01~20質量%含有された、カカオ含有飲食品、
[9]該カカオ含有飲食品がチョコレート類である、[8]に記載の飲食品、
[10]油脂を、ポリフェノール素材の存在下で、80~200℃、5~180分間反応後に、固形分を除去することを特徴とする、油脂への風味付与方法、
に関するものである。
【0009】
また、本発明は換言すれば、
[11]油脂を、ポリフェノール素材の存在下で、80~200℃、5~180分間反応後に、固形分を除去することを特徴とする、風味油脂の製造方法、
[12]さらに、トレオニン、アラニン、バリン、ロイシン及びグルタミンの群から選ばれる1種以上のアミノ酸の存在下で反応させる、[11]に記載の製造方法、
[13]さらに、グルコース、フルクトース及びキシロースの群から選ばれる1種以上の糖の存在下で反応させる、[11]または[12]に記載の製造方法、
[14]該風味油脂がチョコレート用である、[11]に記載の製造方法、
[15]該風味油脂がチョコレート用である、[12]に記載の製造方法、
[16]該風味油脂がチョコレート用である、[13]に記載の製造方法、
[17]油脂を、ポリフェノール素材の存在下で、80~200℃、5~180分間反応後に、固形分を除去することにより得られる風味油脂を、0.01~20質量%含有する、チョコレート類、
[18]油脂を、ポリフェノール素材の存在下で、80~200℃、5~180分間反応後に、固形分を除去することを特徴とする、油脂への風味付与方法、
[19]風味付与された油脂がチョコレート用である、[18]に記載の油脂への風味付与方法、
に関するものでもある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カカオの風味の増強が可能な風味油脂を提供することができる。そして、カカオの風味が増強された飲食品も提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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