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公開番号
2024145227
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023057488
出願日
2023-03-31
発明の名称
チーズ様食品
出願人
不二製油株式会社
代理人
主分類
A23C
20/00 20060101AFI20241004BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】本発明は、シュレッドなどが可能な成形加工適性を有し、さらに加熱により良好な糸引き性を有し、かつ、加熱後の油分離が抑制された、チーズ様食品を提供することを課題とする。
【解決手段】(a)~(d)の全てを満たすことを特徴とするチーズ様食品とする。
(a)レンネットカゼインを含有する。
(b)リン酸二水素ナトリウムを含有する。
(c)コハク酸モノグリセリド、HLB1であるショ糖脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる1種以上の乳化剤を含有する。
(d)油脂を含有する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記(a)~(d)の全てを満たすチーズ様食品。
(a)レンネットカゼインを含有する。
(b)リン酸二水素ナトリウムを含有する。
(c)コハク酸モノグリセリド、HLB1であるショ糖脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる1種以上の乳化剤を含有する。
(d)油脂を含有する。
続きを表示(約 460 文字)
【請求項2】
更に、(e)を満たす、請求項1に記載のチーズ様食品。
(e)カゼインカルシウム、カゼインマグネシウム、及びカゼインナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上を含有する。
【請求項3】
(a)レンネットカゼインを3~33質量%含有する、請求項1又は2に記載のチーズ様食品。
【請求項4】
(b)リン酸二水素ナトリウムを0.1~4.3質量%含有する、請求項1又は2に記載のチーズ様食品。
【請求項5】
(c)コハク酸モノグリセリド、HLB1であるショ糖脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる1種以上の乳化剤を0.01~2質量%含有する、請求項1又は2に記載のチーズ様食品。
【請求項6】
(a)レンネットカゼイン、及び、(e)カゼインカルシウム、カゼインマグネシウム、及びカゼインナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上の総量が、チーズ様食品中3~33質量%である、請求項2に記載のチーズ様食品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、チーズ様食品に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
チーズとは、牛・水牛・羊・山羊・ヤクなどからとれる乳を原料とし、凝固や発酵などの加工をしてつくられる食品(乳製品)の一種であり、そのまま食する以外に、他の食品と組み合わせて用いられることも多く、例えばピザやパスタ、グラタン、リゾット、チーズフォンデュ等々、様々な料理に用いられ、その需要は年々増加している。
【0003】
チーズは他の食品と組み合わされて用いられる場合、加熱調理されることが多く、加熱時の糸引き性を有することが好ましい。
さらに、ピザやグラタン等に用いられるチーズは、調理の際の使いやすさや加熱調理時の溶けやすさから、ブロック状のチーズを削ったり、スライスしたりといった成形チーズとして利用されることが多く、シュレッドできるような成形加工適性も求められている。
【0004】
チーズ類の糸引き性改良手段の1つとして、レンネットないしはレンネット反応を施したカゼイン素材であるレンネットカゼインの利用が挙げられる。
チーズ類の糸引き性に関する出願としては、例えば特許文献1~3が存在する。特許文献1では、「原料ナチュラルチーズの配合量が全体の20~60重量%の「チーズフード」または「乳等を主要原料とする食品」であって、加熱時の糸引き性が100mm以上であることを特徴とするチーズ様食品」に関して記載されている。特許文献2では、「レンネットカゼインおよび寒天を含み、チーズを含まない原料を混合する工程、得られた混合物を加熱・溶融し、pHを調整する工程、を含むチーズ様食品の製造方法」について記載されている。
特許文献3は、「溶融塩と乳化剤とを併用して製造されるチーズ類において、乳化剤がW/O型用乳化剤であり、脂肪含有率が4~23重量%であることを特徴とする低脂肪チーズ類」について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-159906号公報
国際公開2020/218428号
特開平6-276936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1~3は、レンネットを利用する糸引き性を有するチーズ類に関する出願であるが、その効果は不十分であり、より良好な糸引き性を有するチーズ類が求められている。さらに、糸引き性に加え、ピザやグラタン等に用いられるシュレッドできるような成形加工適性を有するチーズ類が求められているが、糸引き性および成形加工適性を兼ね備えることは困難であった。
また、チーズ類に含有する油脂の量が多いと加熱後に油分離が生じる場合があり、チーズらしい食感が失われやすく、歯ごたえのない食感になる場合がある。
【0007】
かかる状況に鑑みて、本発明は、シュレッドなどが可能な成形加工適性を有し、さらに加熱により良好な糸引き性を有し、かつ、加熱後の油分離が抑制された、チーズ様食品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
なお、特許文献1は、「原料ナチュラルチーズの配合量が全体の20~60重量%の「チーズフード」または「乳等を主要原料とする食品」」を必須とするため、本発明を完成させる上で参考とはならなかった。特許文献2は、「寒天」を必須としていた。また、特許文献3は「W/O型用乳化剤」を必須としていた。よって、特許文献2~3は、本発明とは解決手段が異なっており、本発明を完成させる上で参考とはならなかった。
【0009】
本発明者らは、シュレッドなどが可能な成形加工適性を有し、さらに加熱により良好な糸引き性を有し、かつ、加熱後の油分離が抑制された、チーズ様食品を提供することが出来れば、更なる市場の拡大につながるのではないかと、鋭意検討を重ねた。その結果、蛋白質として(a)レンネットカゼイン、溶融塩として(b)リン酸二水素ナトリウム、乳化剤として(c)コハク酸モノグリセリド、HLB1であるショ糖脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる1種以上の乳化剤、および(d)油脂を含有することで、前記課題を解決し本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち本発明は、
(1)下記(a)~(d)の全てを満たす、チーズ様食品、
(a)レンネットカゼインを含有する、
(b)リン酸二水素ナトリウムを含有する、
(c)コハク酸モノグリセリド、HLB1であるショ糖脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる1種以上の乳化剤を含有する、
(d)油脂を含有する、
(2)更に、(e)を満たす、(1)に記載のチーズ様食品、
(e)カゼインカルシウム、カゼインマグネシウム、及びカゼインナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上を含有する、
(3)(a)レンネットカゼインを3~33質量%含有する、(1)又は(2)に記載のチーズ様食品、
(4)(b)リン酸二水素ナトリウムを0.1~4.3質量%含有する、(1)又は(2)に記載のチーズ様食品、
(5)(c)コハク酸モノグリセリド、HLB1であるショ糖脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる1種以上の乳化剤を0.01~2質量%含有する、(1)又は(2)に記載のチーズ様食品、
(6)(a)レンネットカゼイン、及び、(e)カゼインカルシウム、カゼインマグネシウム、及びカゼインナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上の総量が、チーズ様食品中3~33質量%である、(2)に記載のチーズ様食品、
に関するものである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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