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公開番号2024154954
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069207
出願日2023-04-20
発明の名称エチレン吸着フィルム、巻回体及びエチレン吸着フィルムの製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社,公立大学法人大阪
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類B32B 15/08 20060101AFI20241024BHJP(積層体)
要約【課題】本発明は、優れたエチレン吸着能を発揮するエチレン吸着フィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、基材層と、極性基含有ポリマー又は有機オニウム化合物を含むアンカー層と、多孔性金属錯体層とを備える、エチレン吸着フィルムに関する。また、本発明は、基材層上に、極性基含有ポリマー又は有機オニウム化合物を含むアンカー層を形成する工程と、アンカー層上に金属水酸化物を分散させた溶液を塗工し、金属水酸化物を多孔性金属錯体に変換することで多孔性金属錯体層を形成する工程とを有する、エチレン吸着フィルムの製造方法に関する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材層と、極性基含有ポリマー又は有機オニウム化合物を含むアンカー層と、多孔性金属錯体層とを備える、エチレン吸着フィルム。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記多孔性金属錯体層が、
チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、アルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、バナジウム、カドミウム及びパラジウムよりなる群から選択される少なくとも1種の金属と、有機配位子とが結合してなる多孔性金属錯体を含む、請求項1に記載のエチレン吸着フィルム。
【請求項3】
前記有機配位子が、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基及びスルホン酸基よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する、請求項2に記載のエチレン吸着フィルム。
【請求項4】
前記有機配位子が、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、1,4-ベンゼンジカルボン酸及び2,5-ジヒドロキシテレフタル酸よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項2に記載のエチレン吸着フィルム。
【請求項5】
前記多孔性金属錯体層の厚みが0.1~10μmである、請求項1に記載のエチレン吸着フィルム。
【請求項6】
前記アンカー層の算術平均高さSaが0.1~20μmである、請求項1に記載のエチレン吸着フィルム。
【請求項7】
前記アンカー層の水接触角が50°以下である、請求項1に記載のエチレン吸着フィルム。
【請求項8】
前記極性基含有ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(4-スチレンスルホン酸)、ポリ(4-スチレンスルホン酸ナトリウム)及びポリアリルアミン塩酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のエチレン吸着フィルム。
【請求項9】
前記アンカー層が有機粒子及び無機粒子から選択される少なくとも1種を有する、請求項1に記載のエチレン吸着フィルム。
【請求項10】
前記有機粒子及び前記無機粒子の平均粒子径がそれぞれ0.1~20μmである、請求項9に記載のエチレン吸着フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン吸着フィルム、巻回体及びエチレン吸着フィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
エチレンは、果物や野菜で作られるガスであり、成熟と植物組織の老化を促進させる植物ホルモンの一つとして知られている。果物等を収穫した後、保管や運送の間に、果物等の鮮度が落ちてしまうのは、このエチレンの発生が大きな原因であると考えられている。このため、果物や野菜の鮮度を保つために、エチレンを除去もしくは分解し、収穫された果物等に接触させないことが重要となる。
【0003】
エチレンを除去もしくは分解する方法として、種々の方法が検討されている。例えば、特許文献1には、青果物等生鮮品の劣化を抑制することにより青果物等生鮮品の鮮度を維持する鮮度維持材の組成物であって、シクロデキストリンを含有する組成物が開示されている。また、特許文献2には、エチレンを表面に付着可能なプラスチック製の機能性フィルムであって、エチレンを二酸化炭素と水に分解し、フィルムの一方の面から他方の面に排出可能は触媒機能を有する物質を含む機能性フィルムが開示されている。
【0004】
脱臭や、ガスの分離・精製には活性炭やシリカゲル、ゼオライト、多孔性金属錯体といった多孔質材料が用いられる場合があり、エチレンの除去にもこのような材料を使用することが検討されている。例えば、特許文献3には、金属イオンと、金属イオンに結合可能な有機配位子によって多孔構造を構成している多孔性金属錯体と、有機繊維を含む吸着シートが開示されている。また、特許文献4には、[Cu(C
10




)]

を基本構成単位とする化学構造を有する多孔質配位高分子錯体からなることを特徴とするエチレンガス吸着剤が開示されており、特許文献5には、多孔性金属錯体、または金属担持無機多孔体を含むエチレンガス吸着剤が開示されている。なお、特許文献3に開示された吸着シートは、湿式抄紙法により形成された繊維シートであり、特許文献4に開示されたエチレン吸着剤は多孔質配位高分子錯体からなる粉末である。また、特許文献5に開示されたエチレンガス吸着剤においては、エチレンガス吸着剤は熱可塑性樹脂中に混在、分散されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-170368号公報
国際公開第2017/135433号
国際公開第2013/115033号
特開2004-322005号公報
特開2022-001357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、多孔性金属錯体等にエチレンを吸着させることで、エチレンを除去する方法が検討されている。しかしながら、従来のエチレン吸着フィルムにおいては、そのエチレン吸着能が十分に高くなく、さらなる改良が求められていた。
【0007】
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、優れたエチレン吸着能を発揮するエチレン吸着フィルムを提供することを目的として検討を進めた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の具体的な態様の例を以下に示す。
【0009】
[1] 基材層と、極性基含有ポリマー又は有機オニウム化合物を含むアンカー層と、多孔性金属錯体層とを備える、エチレン吸着フィルム。
[2] 多孔性金属錯体層が、
チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、アルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、バナジウム、カドミウム及びパラジウムよりなる群から選択される少なくとも1種の金属と、有機配位子とが結合してなる多孔性金属錯体を含む、[1]に記載のエチレン吸着フィルム。
[3] 有機配位子が、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基及びスルホン酸基よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する、[2]に記載のエチレン吸着フィルム。
[4] 有機配位子が、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、1,4-ベンゼンジカルボン酸及び2,5-ジヒドロキシテレフタル酸よりなる群から選択される少なくとも1種である、[2]又は[3]に記載のエチレン吸着フィルム。
[5] 多孔性金属錯体層の厚みが0.1~10μmである、[1]~[4]のいずれかに記載のエチレン吸着フィルム。
[6] アンカー層の算術平均高さSaが0.1~20μmである、[1]~[5]のいずれかに記載のエチレン吸着フィルム。
[7] アンカー層の水接触角が50°以下である、[1]~[6]のいずれかに記載のエチレン吸着フィルム。
[8] 極性基含有ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(4-スチレンスルホン酸)、ポリ(4-スチレンスルホン酸ナトリウム)及びポリアリルアミン塩酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種である、[1]~[7]のいずれかに記載のエチレン吸着フィルム。
[9] アンカー層が有機粒子及び無機粒子から選択される少なくとも1種を有する、[1]~[8]のいずれかに記載のエチレン吸着フィルム。
[10] 有機粒子及び無機粒子の平均粒子径がそれぞれ0.1~20μmである、[9]に記載のエチレン吸着フィルム。
[11] アンカー層が2層以上からなる、[1]~[10]のいずれかに記載のエチレン吸着フィルム。
[12] 青果物包装用である、[1]~[11]のいずれかに記載のエチレン吸着フィルム。
[13] [1]~[12]のいずれかに記載のエチレン吸着フィルムを巻回してなる、巻回体。
[14] 基材層上に、極性基含有ポリマー又は有機オニウム化合物を含むアンカー層を形成する工程と、
アンカー層上に金属水酸化物を分散させた溶液を塗工し、金属水酸化物を多孔性金属錯体に変換することで多孔性金属錯体層を形成する工程とを有する、エチレン吸着フィルムの製造方法。
[15] 多孔性金属錯体層を形成する工程は、
アンカー層上に金属水酸化物を分散させた溶液を塗工し塗膜を形成する工程と、塗膜を、有機配位子を含有する溶液に浸漬して多孔性金属錯体層を形成する工程とを有する、[14]に記載のエチレン吸着フィルムの製造方法。
[16] 金属水酸化物を構成する金属が、チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、アルミニウム、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、バナジウム、カドミウム及びパラジウムよりなる群から選択される少なくとも1種である、[14]又は[15]に記載のエチレン吸着フィルムの製造方法。
[17] 有機配位子が1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、1,4-ベンゼンジカルボン酸及び2,5-ジヒドロキシテレフタル酸よりなる群から選択される少なくとも1種である、[15]又は[16]に記載のエチレン吸着フィルムの製造方法。
[18] 極性基含有ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(4-スチレンスルホン酸)、ポリ(4-スチレンスルホン酸ナトリウム)及びポリアリルアミン塩酸塩よりなる群から選択される少なくとも1種である、[14]~[17]のいずれかに記載のエチレン吸着フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、優れたエチレン吸着能を発揮するエチレン吸着フィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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