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公開番号
2024154842
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-31
出願番号
2023068989
出願日
2023-04-20
発明の名称
二軸配向ポリエステルフィルム、サンドマットフィルムの製造方法、および印刷ラベルの製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B32B
27/36 20060101AFI20241024BHJP(積層体)
要約
【課題】ブロッキングと滑り性、および深いサンドマット処理後の印刷密着性を両立した二軸配向ポリエステルフィルム、およびそれを用いたサンドマットフィルム、ならびにそれを用いた印刷ラベルを提供すること。
【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片側の最外層に厚みが150nm以上400nm以下の樹脂層(A層)を有し、前記A層がポリエステルを主成分とするB層に接してなり、前記A層側の表面で測定したクルトシスSkuが20以上250以下である、二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリエステルフィルムの少なくとも片側の最外層に厚みが150nm以上400nm以下の樹脂層(A層)を有し、前記A層がポリエステルを主成分とするB層に接してなり、前記A層側の表面で測定したクルトシスSkuが20以上250以下である、二軸配向ポリエステルフィルム。
続きを表示(約 560 文字)
【請求項2】
前記A層側で測定した全反射測定法赤外分光分析(ATR-IR)により求められる表面結晶化度が0.70以上1.10未満である、請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項3】
前記A層に樹脂粒子を有する、請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項4】
23℃で測定したカール量が0.2mm以上3.0mm以下である、請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項5】
前記B層の厚みが0.5μm以上4.0μm以下である、請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項6】
請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルムをサンドマット処理する工程を含むサンドマットフィルムの製造方法であって、前記B層が比率0.5%以上10.0%以下で露出している、サンドマットフィルムの製造方法。
【請求項7】
請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルムに前記B層が比率0.5%以上10.0%以下で露出するようサンドマット処理されたサンドマットフィルムと、印刷層とを有し、前記印刷層が前記A層および前記B層の両層に接してなる、印刷ラベルの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロッキングと滑り性、および深いサンドマット処理後の印刷密着性を両立した二軸配向ポリエステルフィルム、サンドマットフィルムの製造方法、および印刷ラベルの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリエステルフィルムは、耐熱性、印刷適性、接着特性に優れることからラベルなどの基材フィルムとして広く用いられている。また、ラベルの風合いや印刷の鮮明性を良好とする目的から、光沢度を下げる加工(マット加工)をポリエステルフィルムの表面に施すことが必要となる場合がある。
【0003】
フィルムの光沢度を下げる代表的な加工(マット加工)としては、サンドブラスト加工や、ヘアライン加工が挙げられる。サンドブラスト加工は、粉粒体(サンド)をフィルムの表面に高速で衝突せしめ、フィルム表面の形状を変化させて、フィルムの光沢度を下げるものである。ヘアライン加工は、金属の旋盤で表面に髪の毛状のキズをつけることで光沢度を下げる加工であり、いずれもフィルム表面に凹凸を形成せしめることで、光を乱反射する表面形状とするものである。求められる光沢度の要求に応じてマット加工の強度は適宜調整されるが、近年のより高度な低光沢意匠への要求を満たすために、凹凸が深くかつより緻密である表面形状を形成する必要性が高まっている。
【0004】
他方、ポリエステルフィルムをラベルなどの基材フィルムとして用いる場合、印刷層との密着性を良好とする目的からポリエステルフィルムの表面に易接着層を設けることがある。しかしながら、易接着層を有するフィルムに前記のマット加工を行うことで易接着層が剥落し、マット加工後の易接着性が不十分となる課題があった。易接着層の剥落を防ぐ目的でマット加工の強度を調整した場合にマット感が不十分となることがあり、両者を両立することが困難であることが多く、特により低光沢な意匠のラベルにおいて大きな課題となっている。
【0005】
かかる課題を解決するため、易接着層を厚くする構成でサンドマット後の易接着性を担保する検討がなされている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-124875号公報
特開平2-42475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1、2のフィルムでは、易接着層の厚膜化がフィルム表面の平滑化を伴い、サンドマット加工前にフィルム同士が密着するブロッキングが生じてしまうことがある点、および特に近年求められるより低光沢とするための深いサンドマット加工後に表面に残存した易接着層の粒子が、印刷加工後に脱落し密着不良や印刷ヌケが生じることがあり、マット加工を行う基材の特性としては改善の余地があった。
【0008】
そこで本発明は、ブロッキングと滑り性、および深いサンドマット処理後の印刷密着性を両立した二軸配向ポリエステルフィルム、およびそれを用いたサンドマットフィルム、ならびにそれを用いた印刷ラベルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の好ましい一態様は以下の構成をとる。
(1)ポリエステルフィルムの少なくとも片側の最外層に厚みが150nm以上400nm以下の樹脂層(A層)を有し、前記A層がポリエステルを主成分とするB層に接してなり、前記A層側の表面で測定したクルトシスSkuが20以上250以下である、二軸配向ポリエステルフィルム。
(2)前記A層側で測定した全反射測定法赤外分光分析(ATR-IR)により求められる表面結晶化度が0.70以上1.10未満である、(1)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(3)前記A層に樹脂粒子を有する、(1)または(2)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(4)23℃で測定したカール量が0.2mm以上3.0mm以下である、(1)~(3)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(5)前記B層の厚みが0.5μm以上4.0μm以下である、(1)~(4)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(6)(1)~(5)に記載の二軸配向ポリエステルフィルムをサンドマット処理する工程を含むサンドマットフィルムの製造方法であって、前記B層が比率0.5%以上10.0%以下で露出している、サンドマットフィルムの製造方法。
(7)(1)~(5)に記載の二軸配向ポリエステルフィルムに前記B層が比率0.5%以上10.0%以下で露出するようサンドマット処理されたサンドマットフィルムと、印刷層とを有し、前記印刷層が前記A層および前記B層の両層に接してなる、印刷ラベルの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ブロッキングと滑り性、および深いサンドマット処理後の印刷密着性を両立した二軸配向ポリエステルフィルム、およびそれを用いたサンドマットフィルム、ならびにそれを用いた印刷ラベルを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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