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公開番号2024140284
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023051351
出願日2023-03-28
発明の名称繊維強化樹脂中空構造体
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08J 5/04 20060101AFI20241003BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】軽量でスロープ自体の運搬性にも優れ、かつ耐荷、耐久性に優れ、車いす利用者の使用時にスロープ上に荷重が負荷されたときの剛性を確保しつつ安全性に優れ、長尺化することによって高い段差に対応することのできる携帯用スロープを提供する。
【解決手段】繊維強化樹脂構造体であって、前記繊維強化樹脂構造体が少なくとも一つの平板部と、前記平板部の少なくとも一方の面に、前記平板部とは異なる繊維強化樹脂層が接合一体化されており、前記繊維強化樹脂層の一部は前記平板部の延設方向と垂直な断面形状において多角形状の中空断面が形成され、前記平板部の幅方向に沿って前記中空断面が並列していることを特徴とする繊維強化樹脂構造体である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
繊維強化樹脂構造体であって、前記繊維強化樹脂構造体が少なくとも一つの平板部と、前記平板部の少なくとも一方の面に、前記平板部とは異なる繊維強化樹脂層が接合一体化されており、前記繊維強化樹脂層の一部は前記平板部の延設方向と垂直な断面形状において多角形状の中空断面が形成され、前記平板部の幅方向に沿って前記中空断面が並列していることを特徴とする繊維強化樹脂構造体。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記平板部および前記繊維強化樹脂層はそれぞれ少なくとも一層の繊維強化織物を含み、前記平板部に含まれる前記繊維強化織物の強化繊維が経緯方向に交差するとともに強化繊維の経糸が前記平板部の延設方向と平行に配置されることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化樹脂構造体。
【請求項3】
前記平板部の延設方向と垂直な断面形状における全長が200~500mmであり、前記多角形状の中空断面が台形形状であり、前記台形形状のうち前記平板部の稜線長さが10~100mmであり、前記台形形状の高さが10~50mmであり、前記平板部から立設する前記繊維強化樹脂層と前記平板部とのなす角が45~90°であることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維強化樹脂構造体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は引抜成形により形成される繊維強化樹脂中空構造体に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、繊維強化樹脂中空構造体は、医療用天板、介護用スロープ、止水板、渡し板、建材、足場、配管などの幅広い分野で使用されており、主に引抜成形によって成形され、その軽量性から金属材料に代わる材料として期待されている。
【0003】
中でも公共施設等ではバリアフリー対策としてエレベータやエスカレータが設置され、また、階段にはその傍らに迂回路としてスロープが作られている場合もあり、車椅子での通行が容易に行えるようになっている。しかし、いまだ公共施設やビルディング等の建造物の内外において、多くの段差が存在している。こうした段差は、通常人であれば容易に超えることが出来るが、車椅子使用者や老人にとっては、乗り越えるのが困難な場合がある。
【0004】
バリアフリーの社会インフラ整備が進んでも、未だ整備されていない段差は数多く存在し、たとえば、歩道と車道との段差、バスの乗降口と道路との段差、道路に作られた溝、電車に乗降する際の車両とホームとの段差や溝が車椅子の通行に支障を来している。
【0005】
多数の段差が存在するという状況は、公共の空間や交通機関のみならず、車椅子使用者や老人の居住する個人住居の内外でも同様である。
【0006】
最近、可搬型の携帯用スロープを用い、必要な時のみ設置して使用することを可能とし、例えば、車椅子をホームから電車の車内に移動させる際や電車の乗降口からホームに移動させる際、あるいは、車椅子を道路からバスの車内に移動させる際やバスの乗降口から道路に移動させる際、ホームと電車の車内とに架け渡す渡し板や道路とバスの車内とに架け渡す渡し板が利用される場合がある。
【0007】
これらのスロープは、可搬型であることを前提とするため、軽量で運搬しやすいことが望ましく、このため、金属製や木製のスロープよりも、樹脂製のスロープ、特に軽量である上に耐荷重性能に優れた繊維強化プラスチック製のものが開示されている(例えば特許文献1、特許文献2)。
【0008】
車椅子用スロープは、車椅子に要介護者1名が乗車した車椅子を、介助者による介助操縦により、その板上に行き来させる器具であるため、段差を掛け渡したスロープが急勾配になってはならないため、より高い高低差に対応する場合には、通行者の転落と墜落をさせないスロープの強度剛性、スロープ仮設者の負担軽減のための軽量性などを、損なわない範囲でスロープを長尺化する必要がある。
【0009】
特許文献1では、「電車の乗降口とプラットホームとの間に掛け渡されて使用される電車乗降用スロープであって、一端側が前記乗降口に載置されかつ他端側が前記プラットホームに載置される長さを有しかつ車いすが通行可能な幅を有する板状のスロープ本体と、該スロープ本体の前記一端側の縁部に固着されかつスロープ本体から離間する向きにのびる基片の先端部に下方に折れ曲がることにより前記乗降口に設けられた段差部に係合可能な垂下片を有するフック部材と、このフック部材に前記スロープ本体の幅方向に沿った軸線の回りで揺動自在に連結されて基片から離間する向きに伸びるフラップとを含み、スロープ本体が繊維強化樹脂からなる電車乗降用スロープが記載され、「一端側が乗降口に載置されかつ他端側がプラットホームに載置される長さを有しかつ車いすが通行可能な幅を有する板状のスロープ本体を具える。従って、車いすの利用者は、スロープ本体上を走行することで、プラットホームと電車との間を容易に行き来することができ」る効果が開示されている。
【0010】
また、特許文献2では、「発泡性樹脂からなる方形の芯材の表裏両面に、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastic)製の板材を接着した少なくとも2枚以上の合板からなり、合板は、通行方向上下端それぞれに合板自身の段差を解消するためのテーパ構造4,5を有し、通行方向に対する外側面を枠部材9によって嵌合させた構造を有し、2枚以上の合板を、通行方向に対して並列させ、合板の対向側面をシート材6によって連結させ、合板が互いに重なり合うように折り畳み」する構成が記載され、「軽量で持ち運びが容易であり、加工性が良く最適なサイズを容易かつ安価に製造でき、固定性能に秀で、スロープ縁部及び脱輪防止壁の高い耐衝撃性能により破損が生じにくく、優れた補修性能を有する」効果が開示されている。そのスロープは、硬質ウレタン、ポリプロピレン又はアクリル等の発泡性樹脂からなる芯材の表裏両面に炭素繊維強化プラスチックを接着した合板の構成である。
(【0011】以降は省略されています)

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