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公開番号2025004844
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-16
出願番号2023104704
出願日2023-06-27
発明の名称被膜剥離装置および被膜剥離方法
出願人東レ株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類B29B 17/02 20060101AFI20250108BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】被膜付きフィルムからの被膜剥離部材への伝熱による熱変形を防止して、被膜の除去性能を保持し得る被膜剥離装置、および被膜剥離方法を提供する。
【解決手段】本発明の被膜剥離装置は、基材フィルムの少なくとも片面に被膜を有する被膜付きフィルムから当該被膜を剥離する装置であって、前記被膜付きフィルムを搬送する搬送機構と、前記被膜付きフィルムを加熱する加熱機構と、前記被膜付きフィルムの幅方向に延在し、前記被膜付きフィルムの前記被膜の表面と接触する先端部を有する被膜剥離部材と、前記剥離部材の前記先端部の温度を調整する温調機構と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基材フィルムの少なくとも片面に被膜を有する被膜付きフィルムから当該被膜を剥離する装置であって、
前記被膜付きフィルムを搬送する搬送機構と、
前記被膜付きフィルムを加熱する加熱機構と、
前記被膜付きフィルムの幅方向に延在し、前記被膜付きフィルムの前記被膜の表面と接触する先端部を有する被膜剥離部材と、
前記剥離部材の前記先端部の温度を調整する温調機構と、
を備える被膜剥離装置。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記温調機構が、少なくとも前記被膜付きフィルムが接触する範囲の前記先端部の温度を調整する、請求項1に記載の被膜剥離装置。
【請求項3】
前記被膜剥離部材よりも搬送方向の上流側に、前記被膜付きフィルムの被膜の表面に向けて洗浄液を吐出する洗浄液付与機構を備える、請求項1に記載の被膜剥離装置。
【請求項4】
基材フィルムの少なくとも片面に被膜が形成された被膜付きフィルムから当該被膜を剥離する方法であって、
前記被膜付きフィルムを搬送させながら、前記被膜付きフィルムを加熱し、
前記被膜付きフィルムの幅方向に延在し、前記被膜付きフィルムの前記被膜の表面と接触する先端部を有する被膜剥離部材の当該先端部の温度を調整しながら、前記先端部を前記被膜の表面に接触させて前記被膜付きフィルムから前記被膜を剥離する、
被膜剥離方法。
【請求項5】
前記被膜の表面に接触している範囲の前記先端部を、前記先端部に接触する前記被膜付きフィルムの温度に対して±10℃以内の範囲に温調する、請求項4に記載の被膜剥離方法。
【請求項6】
前記被膜付きフィルムの前記被膜の表面に洗浄液を付与した後に、前記被膜剥離部材で前記洗浄液を含む被膜を剥離する、請求項5に記載の被膜剥離方法。
【請求項7】
前記被膜が水溶性樹脂を含む、請求項6に記載の被膜剥離方法。
【請求項8】
前記被膜が硬化型シリコーンを含む、請求項7に記載の被膜剥離方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、基材フィルムの表面の被膜を効率よく除去することが可能な被膜剥離装置および被膜剥離方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
プラスチックは様々な分野に利用されている一方、マイクロプラスチックなど海洋汚染の原因物とされ、プラスチックによる環境負荷低減が急務となっている。
また近年、IoT(Internet of Things)の進化により、コンピュータやスマートフォンに搭載されるCPUなどの電子デバイスが増加し、それに伴い、電子デバイスを駆動するために必要な積層セラミックコンデンサー(MLCC)の数も急激に増加している。このMLCCの一般的な製造方法は、プラスチックの基材フィルム上に離型層を形成した離型フィルムをキャリアシートとして使用し、該離型フィルム上にセラミックグリーンシート層を形成する工程と、該セラミックグリーンシート層を剥離してセラミックグリーンシートとする工程がある。この工程において、セラミックシートが剥離された離型フィルムは不要物として廃棄されることとなる。
【0003】
すなわち、近年のMLCC製造数量の急激な増加に伴う離型フィルムの廃棄物としての増大が環境問題になっており、基材フィルムの再利用に向けた取り組みが活発化してきている。離型フィルムに含まれる離型層の成分は、離型性の観点から、一般的には基材フィルムを構成する成分とは異なる組成であるため、離型層が付いた離型フィルムをそのまま再溶融して再生フィルムを製膜した場合、離型層の成分が異物として存在するため、安定製膜をすることができない。
特許文献1では、離型フィルムから水溶性樹脂を含む離型層を除去する方法として、離型層に液滴の状態の洗浄液を付与し、その洗浄液を離型層の表面で液滴の状態で保持させ、その後洗浄液を含んだ離型層を剥離する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2022/190713号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の剥離方法では、被膜の剥離性能を向上することを目的として、被膜付きフィルムおよび/または洗浄液を加熱しているが、加熱された被膜付きフィルムの被膜を除去する剥離部材も伝熱により温度が上昇する。これにより、図3に示すように、剥離部材の被膜付きフィルムと接触する箇所で熱変形が発生し、剥離部材の全幅方向において均一に被膜付きフィルムとの接触できないおそれ、すなわち被膜の剥離ができないおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、被膜付きフィルムからの被膜剥離部材への伝熱による局所的な熱変形を防止して、被膜の除去性能を保持し得る被膜剥離装置、および被膜剥離方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]前記課題を解決する本発明の被膜剥離装置は、基材フィルムの少なくとも片面に被膜を有する被膜付きフィルムから当該被膜を剥離する装置であって、前記被膜付きフィルムを搬送する搬送機構と、前記被膜付きフィルムを加熱する加熱機構と、前記被膜付きフィルムの幅方向に延在し、前記被膜付きフィルムの前記被膜の表面と接触する先端部を有する被膜剥離部材と、前記剥離部材の前記先端部の温度を調整する温調機構と、を備える。
本発明の被膜剥離装置は、下記[2]~[3]のいずれかであることが好ましい。
[2]前記温調機構が、少なくとも前記被膜付きフィルムが接触する範囲の前記先端部の温度を調整する、[1]に記載の被膜剥離装置。
[3]前記被膜剥離部材よりも搬送方向の上流側に、前記被膜付きフィルムの被膜の表面に向けて洗浄液を吐出する洗浄液付与機構を備える、[1]または[2]に記載の被膜剥離装置。
[4]前記課題を解決する本発明の被膜剥離方法は、基材フィルムの少なくとも片面に被膜が形成された被膜付きフィルムから当該被膜を剥離する方法であって、前記被膜付きフィルムを搬送させながら、前記被膜付きフィルムを加熱し、前記被膜付きフィルムの幅方向に延在し、前記被膜付きフィルムの前記被膜の表面と接触する先端部を有する被膜剥離部材の当該先端部の温度を調整しながら、前記先端部を前記被膜の表面に接触させて前記被膜付きフィルムから前記被膜を剥離する。
本発明の被膜剥離方法は、下記[5]~[8]のいずれかであることが好ましい。
[5]前記被膜の表面に接触している範囲の前記先端部を、前記先端部に接触する前記被膜付きフィルムの温度に対して±10℃以内の範囲に温調する、[4]に記載の被膜剥離方法。
[6]前記被膜付きフィルムの前記被膜の表面に洗浄液を付与した後に、前記被膜剥離部材で前記洗浄液を含む被膜を剥離する、[4]または[5]に記載の被膜剥離方法。
[7]前記被膜が水溶性樹脂を含む、[6]に記載の被膜剥離方法。
[8]前記被膜が硬化型シリコーンを含む、[4]~[7]のいずれかに記載の被膜剥離方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の被膜剥離装置および被膜剥離方法によれば、被膜付きフィルムからの被膜剥離部材への伝熱による局所的な熱変形を防止して、被膜の除去性能を保持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明の実施の形態にかかる被膜剥離装置の概略図である。
図2は、本発明の実施の形態の変形例にかかる被膜剥離装置の概略図である。
図3は、従来の被膜剥離装置の剥離部材の熱変形を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明は本発明に係る実施形態を例示するものであり、これに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更や組み合わせが可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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