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公開番号
2025057018
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-09
出願番号
2023166625
出願日
2023-09-28
発明の名称
人工皮革および人工皮革の製造方法
出願人
東レ株式会社
,
岐セン株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
D06N
3/00 20060101AFI20250402BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約
【課題】天然由来の染料のみで染色され、かつ洗濯堅牢度と耐光堅牢度とを両立した人工皮革を提供すること。
【解決手段】染料を含むポリエステル系繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、高分子弾性体とからなる人工皮革であって、前記染料における天然由来の染料の割合が98質量%以上100質量%以下であり、前記人工皮革のAATCC-61 1-A法で規定される洗濯堅牢度(変色)が3級以上、かつ、JIS L0842で規定される耐光堅牢度が3級以上である、人工皮革。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
染料を含むポリエステル系繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、高分子弾性体とを含む人工皮革であって、前記染料における天然由来の染料の割合が98質量%以上100質量%以下であり、前記人工皮革のAATCC-61-2006 1-A法で規定される洗濯堅牢度(変色)が3級以上、かつ、JIS L0842:2021で規定される耐光堅牢度が3級以上である、人工皮革。
続きを表示(約 700 文字)
【請求項2】
前記人工皮革がカチオン性化合物を含む、請求項1に記載の人工皮革。
【請求項3】
前記ポリエステル系繊維がさらに紫外線吸収剤を含む、請求項1または2に記載の人工皮革。
【請求項4】
前記繊維絡合体がさらに織編物を構成要素として含む、請求項1または2に記載の人工皮革。
【請求項5】
前記人工皮革に対する高分子弾性体の質量割合が2質量%以上50質量%以下である、請求項1または2に記載の人工皮革。
【請求項6】
前記ポリエステル系繊維の平均単繊維直径が1.0μm以上10.0μm以下である、請求項1または2に記載の人工皮革。
【請求項7】
ポリエステル系繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、高分子弾性体とを含むシートを、全染料に占める天然由来の染料の割合が98質量%以上100質量%以下である染料配合を用い、かつ、染色浴中における染色液の最高温度が100℃以上130℃以下の条件で染色して、AATCC-61-2006 1-A法で規定される洗濯堅牢度(変色)が3級以上、かつ、JIS L0842:2021で規定される耐光堅牢度が3級以上である人工皮革を得る、人工皮革の製造方法。
【請求項8】
前記染色前、および/または、染色と同浴で、前記シートにカチオン性化合物を付与する、請求項7に記載の人工皮革の製造方法。
【請求項9】
前記染色前、および/または、染色と同浴で、前記シートに紫外線吸収剤を付与する、請求項7または8に記載の人工皮革の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は天然由来の染料で染色された人工皮革およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
スエード調人工皮革は、一般にポリエステル系繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、高分子弾性体とで構成され、自動車内装材、家具、雑貨、衣料用途など幅広い分野で使用されている。そして、意匠性の観点から、人工皮革は着色されている場合が多く、化学染料による染色、特にポリエステル系繊維の染色においては、分散染料を用いて染色する方法が一般的である。
一方で、近年は環境配慮の要求の高まりがあり、人工皮革の染色においては化学染料ではなく、天然由来の染料(天然染料)による染色技術が求められている。
天然染料は動植物から得られる染料であり、化学染料と比較して環境負荷は低くなるが、一般的に合成繊維を染色する場合には、洗濯堅牢度や耐光堅牢度が低いという課題がある。
【0003】
このような課題を解決する技術として、例えば、特許文献1や2では、洗濯堅牢度を良化するためにカチオン性化合物を併用し、また、耐光堅牢度を良くするために化学染料も併用して、ポリエステル系繊維を含む合成繊維を染色する製造方法が提案されている。
一方、特許文献3では、染色温度を特定の範囲とすることで、ポリエステル系繊維を天然染料で、しかも、金属媒染なしで染色できる製造方法が提案されている。そして、この発明によれば、落ち着いた色彩のポリエステル系繊維が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-127536号公報
特開2012-233081号公報
特開平10-072787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2で開示される方法で得られる染色物は、洗濯や光による変色/退色は抑えられるものの、天然染料のみの染色ではないことで、環境負荷は顕著には低下できないという課題がある。
逆に、特許文献3で開示される方法で得られる染色物は、天然染料のみで染色できるが、洗濯または光による変色/退色の両立はできないという課題がある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、天然由来の染料のみで染色されながら、洗濯堅牢度と耐光堅牢度とを両立できる人工皮革を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、染料を含むポリエステル繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、高分子弾性体とを含むシートについて、染色温度を一定範囲とし、天然由来の染料がポリエステル繊維の内部に入り込む構造をとることで、天然由来の染料のみで染色されながら、洗濯堅牢度と耐光堅牢度とを両立した人工皮革を得ることができるという知見を得た。
本発明は、これら知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
【0008】
[1] 染料を含むポリエステル系繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、高分子弾性体とを含む人工皮革であって、前記染料における天然由来の染料の割合が98質量%以上100質量%以下であり、前記人工皮革のAATCC-61-2006 1-A法で規定される洗濯堅牢度(変色)が3級以上、かつ、JIS L0842:2021で規定される耐光堅牢度が3級以上である、人工皮革。
[2] 前記人工皮革がカチオン性化合物を含む、前記[1]に記載の人工皮革。
[3] 前記ポリエステル系繊維がさらに紫外線吸収剤を含む、前記[1]または[2]に記載の人工皮革。
[4] 前記繊維絡合体がさらに織編物を構成要素として含む、前記[1]~[3]のいずれかに記載の人工皮革。
[5] 前記人工皮革に対する高分子弾性体の質量割合が2質量%以上50質量%以下である、前記[1]~[4]のいずれかに記載の人工皮革。
[6] 前記ポリエステル系繊維の平均単繊維直径が1.0μm以上10.0μm以下である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の人工皮革。
[7] ポリエステル系繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、高分子弾性体とを含むシートを、全染料に占める天然由来の染料の割合が98質量%以上100質量%以下である染料配合を用い、かつ、染色浴中における染色液の最高温度が100℃以上130℃以下の条件で染色して、AATCC-61-2006 1-A法で規定される洗濯堅牢度(変色)が3級以上、かつ、JIS L0842:2021で規定される耐光堅牢度が3級以上である人工皮革を得る、人工皮革の製造方法。
[8] 前記染色前、および/または、染色と同浴で、前記シートにカチオン性化合物を付与する、前記[7]に記載の人工皮革の製造方法。
[9] 前記染色前、および/または、染色と同浴で、前記シートに紫外線吸収剤を付与する、前記[7]または[8]に記載の人工皮革の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ポリエステル系繊維からなる不織布を構成要素として含み天然由来の染料のみで染色された人工皮革が得られる。特に、本発明の人工皮革は、洗濯堅牢度と耐光堅牢度とを両立できる特徴から、雑貨や小物、衣類用途等に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の人工皮革は、染料を含むポリエステル系繊維からなる不織布を構成要素として含む繊維絡合体と、高分子弾性体とからなる人工皮革であって、前記染料における天然由来の染料の割合が98質量%以上100質量%以下であり、前記人工皮革のAATCC-61-2006 1-A法で規定される洗濯堅牢度(変色)が3級以上、かつ、JIS L0842:2021で規定される耐光堅牢度が3級以上である。
以下に、その構成要素について詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する範囲に何ら限定されるものではなく、そして、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(【0011】以降は省略されています)
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