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公開番号2025081223
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-27
出願番号2024161653
出願日2024-09-19
発明の名称二軸配向ポリプロピレンフィルム
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20250520BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 本発明は、加工性や高温環境下での耐電圧特性に優れ、フィルムコンデンサ(主に大容量フィルムコンデンサ)の誘電体として使用した際に適正な保安性を得ることができる、二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供することを課題とする。
【解決手段】 高さ80nm以上の山側面積が0.5%以上5.0%以下である表面(以下、X面という。)を少なくとも片方に有することを特徴とする、二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
高さ80nm以上の山側面積が0.5%以上5.0%以下である表面(以下、X面という。)を少なくとも片側に有することを特徴とする、二軸配向ポリプロピレンフィルム。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記X面における高さ80nm以上の山側面積のばらつきが、長手方向と幅方向のうち少なくとも一方において2.0%以下である、請求項1に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項3】
前記X面において、突出谷部深さ(RvK)が20nm以上60nm以下である、請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項4】
直鎖状ポリプロピレン樹脂(A)と低立体規則性ポリプロピレン樹脂(B)、及び2種類の分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(H)、(I)を含み、
前記分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(H)の、溶融張力(MS)が1.0cN以上6.0cN以下であり、かつ溶融流動指数(MFR)が4.0g/10分以上10.0g/10分以下であり、
前記分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(I)の、MSが6.0cNを超え20cN以下であり、かつMFRが1.0g/10分以上4.0g/10分未満である、請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項5】
二軸配向ポリプロピレンフィルムを構成する全成分100質量%中に、前記直鎖状ポリプロピレン樹脂(A)を70質量%以上95質量%未満、前記低立体規則性ポリプロピレン樹脂(B)を1.0質量%より多く10.0質量%以下、前記分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(H)を2.0質量%以上10.0質量%以下、前記分岐鎖状ポリプロピレン樹脂(I)を2.0質量%以上10.0質量%以下含有する、請求項4に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項6】
請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に金属膜を有する、金属膜積層フィルム。
【請求項7】
請求項6に記載の金属膜積層フィルムを、積層させた構成、もしくは巻回した構成を有する、フィルムコンデンサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高温・高電圧環境下において高い耐電圧性を有する二軸配向ポリプロピレンフィルムに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
二軸配向ポリプロピレンフィルムは、透明性、機械特性、及び電気特性などに優れるため、包装用途、テープ用途、及びケーブルラッピングやフィルムコンデンサをはじめとする電気用途などの様々な用途に用いられている。
【0003】
中でもフィルムコンデンサ用途においては、その優れた高耐電圧特性や低損失特性から、二軸配向ポリプロピレンフィルムが誘電体として特に好ましく用いられている。最近では、各種電気設備がインバーター化されつつあり、それに伴いフィルムコンデンサの小型化や大容量化の要求が一層強まってきている。さらに、特に自動車用途(ハイブリッドカーや電気自動車含む。)、太陽光発電、及び風力発電等の用途では、使用環境の高温化(85℃以上125℃以下を示す。)が進んでおり、フィルムコンデンサに対する耐熱化の要求も高まっている。
【0004】
そのため、誘電体である二軸配向ポリプロピレンフィルムの薄膜化、耐熱化、及び厚み当たりの耐電圧の向上とともに、フィルムコンデンサ自体の保安性の向上も求められている。ここで、フィルムコンデンサの保安性とは、誘電体となるフィルム上に形成した金属蒸着膜を電極とする金属蒸着フィルムコンデンサにおいて、異常放電時の放電エネルギーによって蒸着金属を飛散させることで絶縁性を維持する性質を意味し、これはフィルムコンデンサのショートや破壊を防止する上で重要な性質である。フィルムの厚み当たりの耐電圧とフィルムコンデンサの保安性を両立させる手段として、二軸配向ポリプロピレンフィルムの表面性状を制御することが有効であると考えられており、これまで様々な検討がされている。
【0005】
二軸配向ポリプロピレンフィルムの表面性状を制御する方法として、ポリプロピレンのβ晶からα晶への結晶転移を利用する方法(以下、β晶法と記載することがある。)が知られている。この結晶転移を利用する方法は、耐電圧の悪化が懸念される添加剤等の不純物を混入させる必要がないため、フィルムコンデンサ用の二軸配向ポリプロピレンフィルムの粗面化方法として好ましく用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0006】
他に、表面粗さの密度や突起の均一性に着目した技術として、分岐鎖状ポリプロピレンを添加する方法(例えば、特許文献3、4参照)や分子量や分子量分布の異なるポリプロピレンを混合する方法(例えば、特許文献5参照)等が提案されている。これらの方法では球晶サイズを小さく制御できるため、高さの均一な凸部を高密度で形成することができる。また、凸部と凹部の高さに着目した技術として、キャストシートに高温加圧処理する方法(例えば、特許文献6参照)も提案されている。本方法では凸部と凹部の高さを均一に制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2008-133446号公報
特開2014-077057号公報
国際公開第2007/094072号
国際公開第2012/121256号
特開2014-231584号公報
特開2019-26211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、一般的な直鎖状ポリプロピレンからなるフィルムを使用して特許文献1や2に記載のβ晶法を適用した場合、クレーター状に急峻な凸部と凹部が低い密度で形成される。そのため、これらの方法で得られる二軸配向ポリプロピレンフィルムをフィルムコンデンサの誘導体として使用した場合、特に凹部で絶縁破壊が発生しやすく、高温状況下での耐電圧特性に課題があった。また、高さの均一な凸部を高密度で形成する特許文献3~5に記載の方法を適用した場合や、凸部と凹部の高さを均一に制御する特許文献6に記載の方法を適用した場合は、局所的な粗大突起や凹部形状の発生を抑制することが困難である。そのため、これらの方法で得られる二軸配向ポリプロピレンフィルムをフィルムコンデンサの誘導体として使用した場合、フィルムコンデンサ作製時の加工性が十分ではなく、近年の高温かつ高電圧な環境における耐電圧性や保安性に影響するフィルム層間のエアー量等の制御も十分であるとはいえなかった。
【0009】
そこで本発明の課題は、加工性や高温環境下での耐電圧特性に優れ、フィルムコンデンサ(主に大容量フィルムコンデンサ)の誘電体として使用した際に適正な保安性を得ることができる、二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題は、以下により達成できる。すなわち、本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、高さ80nm以上の山側面積が0.5%以上5.0%以下である表面(以下、X面という。)を少なくとも片側に有することを特徴とする、二軸配向ポリプロピレンフィルムである。
(【0011】以降は省略されています)

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