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公開番号
2025033692
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023139594
出願日
2023-08-30
発明の名称
構造部材およびその製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
C08J
9/00 20060101AFI20250306BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】
軽量性と力学特性とガスの放散抑制効果とを両立させた構造部材を提供する。
【解決手段】
強化繊維と樹脂と連続空孔を含む多孔質の繊維強化樹脂から本質的になる構造部材であって、前記強化繊維100質量部に対して、前記樹脂が100~1,000質量部であり、前記連続空孔に面する多孔質表面にガス吸着性化合物が定着してなる構造部材。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
強化繊維と樹脂と連続空孔を含む多孔質の繊維強化樹脂から本質的になる構造部材であって、前記強化繊維100質量部に対して、前記樹脂が100~1,000質量部であり、前記連続空孔に面する多孔質表面にガス吸着性化合物が定着してなる構造部材。
続きを表示(約 730 文字)
【請求項2】
前記樹脂としてフェノール樹脂を含む、請求項1に記載の構造部材。
【請求項3】
前記ガス吸着性化合物が、アミノ基および/またはイミノ基を有する化合物である、請求項2に記載の構造部材。
【請求項4】
前記ガス吸着性化合物として、グアニジン化合物、メラミン化合物、尿素化合物、ヒドラジド化合物、ポリエチレンイミン化合物からなる群より選択されるアミン化合物を含む、請求項3に記載の構造部材。
【請求項5】
前記アミン化合物が、リン酸グアニジン、硫酸グアニジン、塩酸グアニジン、酢酸グアニジン、炭酸グアジニンおよびスルファミン酸グアニジンからなる群より選択されるグアニジン化合物を含む、請求項4に記載の構造部材。
【請求項6】
JIS A1460(2021)で測定したホルムアルデヒド放散量が1.5mg/L以下である、請求項5に記載の構造部材。
【請求項7】
前記ガス吸着性化合物として、アンモニアを吸着する化合物を含む、請求項1に記載の構造部材。
【請求項8】
水銀圧入法で測定される比表面積が0.01~0.5m
2
/gである、請求項1~7のいずれかに記載の構造部材。
【請求項9】
前記強化繊維100質量部に対して、前記ガス吸着性化合物が1~1,000質量部である、請求項1~7のいずれかに記載の構造部材。
【請求項10】
前記ガス吸着性化合物が前記多孔質表面に平均膜厚0.01~100μmの膜を形成している、請求項1~7のいずれかに記載の構造部材。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質の繊維強化樹脂から本質的になる構造部材に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
強化繊維基材を補強材として用い、その空孔にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化複合材料は、軽量でありながら、強度や弾性率などの力学特性に優れており、航空・宇宙、自動車、鉄道車両、船舶、電子機器、産業機械、スポーツ用品および土木建築などの数多くの分野における構造部材として利用されている。
【0003】
なかでも、不織布形態の強化繊維基材は、マトリクス樹脂の含浸後に加圧力を除去するとスプリングバックにより膨張し、構造部材とすることができる。このような構造部材は、空孔を強化繊維が補強する構造となるため、相当程度の力学特性を維持しながら非常に軽量にすることが可能であり、新規な構造部材として期待されている。例えば特許文献1には、樹脂と強化繊維と空隙からなる構造体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2017/110528号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、このような構造部材は比表面積が大きいために、空孔内でマトリクス樹脂が大面積で外気と接することになる。そのため、マトリクス樹脂の分解物やマトリクス樹脂に含まれる低分子化合物がガスとして空気中に拡散し易かった。例えば、マトリクス樹脂としてフェノール樹脂を含む場合、ホルムアルデヒドが徐々に放散されてしまう可能性があった。
【0006】
本発明は、軽量性と力学特性とガスの放散抑制効果とを両立させた構造部材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するための本発明は、強化繊維と樹脂と連続空孔を含む多孔質の繊維強化樹脂からなる構造部材であって、前記強化繊維100質量部に対して、前記樹脂が100~1,000質量部であり、前記連続空孔に面する多孔質表面にガス吸着性化合物が定着してなる構造部材である。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、多孔質の繊維強化樹脂からなる構造部材において、マトリクス樹脂に含まれる低分子化合物の拡散を抑制することができる。さらに、本発明の構造部材は、空気中に存在する低分子化合物を捕捉することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明における繊維強化樹脂の一実施形態を示す模式図
本発明の構造部材の一実施形態を示す模式図
本発明の構造部材の一実施形態を示す模式図
本発明における強化繊維基材の一実施形態を示す模式図
本発明におけるプリプレグの一実施形態を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0010】
<構造部材>
本発明の構造部材は、強化繊維と樹脂と連続空孔を含む多孔質の繊維強化樹脂から本質的になる。ここで、「強化繊維と樹脂と連続空孔を含む多孔質の繊維強化樹脂から本質的になる」とは、構造部材の骨格をなす大部分がこのような繊維強化樹脂である限り、後述するガス吸着性化合物等の他の要素を含む態様を排除しないことを意味する。また、本明細書において特に断らずに「繊維強化樹脂」という場合、ガス吸着性化合物等の他の要素を含まない、構造部材の骨格をなす部分のみを指すものとする。
(【0011】以降は省略されています)
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