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公開番号2025044677
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-02
出願番号2023152399
出願日2023-09-20
発明の名称ポリアミック酸溶液
出願人ユニチカ株式会社
代理人
主分類C08G 73/10 20060101AFI20250326BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】良好な被膜物性が得られ、保存安定性に優れ、巻線被覆用途、特に平角線形状の巻線被覆用途に好適に用いることができるPAA溶液を提供する。
【解決手段】PAAと溶媒とを含有するPAA溶液であり、PAAの分子鎖は一般式(1)で表される繰り返し単位を有し、PAAの分子鎖の一端または両端に、一般式(2)で表される末端構造と、一般式(3)で表される末端構造とを有するPAA溶液。ここで、一般式(2)で示される末端構造は、全ての芳香族酸二無水物成分の量に対して4モル%以上12モル%以下であり、一般式(3)で示される末端構造は、芳香族酸二無水物の量に対して2モル%以上8モル%以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアミック酸(PAA)と溶媒とを含有するPAA溶液であり、PAAの分子鎖は一般式(1)で表される繰り返し単位を有し、PAAの分子鎖の一端または両端に、一般式(2)で表される末端構造と、一般式(3)で表される末端構造とを有するPAA溶液。
ここで、一般式(2)で示される末端構造は、全ての芳香族酸二無水物成分の量に対して4モル%以上12モル%以下であり、一般式(3)で示される末端構造は、芳香族酸二無水物の量に対して2モル%以上8モル%以下である。
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2025044677000008.jpg
52
130
(式(1)中、R

は芳香族酸二無水物成分に由来する4価の有機基であり、R

は芳香族ジアミン成分に由来する2価の有機基であり、繰り返し数nは1以上の整数である。)
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45
125
(式(2)中、R

は芳香族酸二無水物成分に由来する4価の有機基であり、R

は1価のアルコール成分に由来する1価の有機基である。)
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2025044677000010.jpg
43
108
(式(3)中、R

は酸無水物成分に由来する2価の有機基である。)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイミド(PI)前駆体であるポリアミック酸(PAA)を含有する溶液に関するものであり、この溶液は例えば、丸線、平角線、六角線等の絶縁電線へのポリイミド層被覆のための塗工用溶液として好適に用いることができる。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
絶縁電線用への被覆用途として、良好な機械特性と優れた電気特性を有するポリイミド層を形成するため、ポリアミック酸溶液はしばしば用いられる。特に近年、電子機器の高出力化、小型化、省電力化に伴い、丸線以外にも様々な電線形状へ塗工可能であることが求められる。特に、平角線形状は、コイルの占有率を向上でき、丸線よりも少ない体積で大電流化が可能となる(特許文献1)。平角線に絶縁層を形成する際、その被膜原料となるポリアミック酸溶液には、塗工時の膜厚の変動を防止し、均一な絶縁被膜を生産性良く形成する観点から、使用する塗液には固形分濃度が高濃度でありながらも粘度が低いものが求められている。また、特許文献2には、エステル末端のポリアミック酸とジアミン末端のポリアミック酸とを含有する溶液が示されており、高濃度低粘度を両立しつつ、加熱時に重合反応が進むことによって機械強度の高いポリイミド樹脂が実現できることが開示されている。また、特許文献3には、ポリアミック酸製造時の急激な粘度上昇を防止する観点で、無水フタル酸を末端封止材に使用したポリアミック酸溶液について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-288088号公報
特開2016-151020号公報
特開2013-28695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、絶縁電線の製造工程においては、塗工時に塗液を40~50℃の環境下で長時間(数日)放置することになるため、粘度の経時変化性をできるだけ小さくする必要がある。粘度経時変化性が大きいと、安定して同等厚みの被膜を得ることができない。また、粘度上昇すると、より欠点が発生しやすくなる。これらの問題は、特に平角線のような角を持つ電線への塗工時に顕著である。そのため、少なくとも工程中は40℃程度の環境下で粘度がなるべく変化しないものが求められている。
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の溶液は保存安定性が悪く、高温環境下で一定時間保管すると粘度上昇してしまう傾向があった。そのため、それらの溶液を実際に使用するためには、例えば塗液の貯蔵容器に冷却機能を持たせる特殊設備の導入や、塗工工程1回あたりの長さを制限するなど、使用に際しては大きな制約を伴っていた。
【0006】
そこで、本発明は前記課題を解決するものであって、電線塗工に適した粘度を有し、粘度の経時変化性が良好であり、さらにフィルム化時の引張伸度が高いポリアミック酸溶液の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために鋭意研究した結果、PAA末端を特定のものとすることにより、前記課題が解決されることを見出し、本発明の完成に至った。すなわち、本発明は以下を趣旨とするものである。
PAAと溶媒とを含有するPAA溶液であり、PAAの分子鎖は一般式(1)で表される繰り返し単位を有し、PAAの分子鎖の一端または両端に、一般式(2)で表される末端構造と、一般式(3)で表される末端構造とを有するPAA溶液。
ここで、一般式(2)で示される末端構造は、全ての芳香族酸二無水物成分の量に対して4モル%以上12モル%以下であり、一般式(3)で示される末端構造は、芳香族酸二無水物の量に対して2モル%以上8モル%以下である。
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2025044677000001.jpg
59
133
(式(1)中、R

は芳香族酸二無水物成分に由来する4価の有機基であり、R

は芳香族ジアミン成分に由来する2価の有機基であり、繰り返し数nは1以上の整数である。)
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2025044677000002.jpg
52
133
(式(2)中、R

は芳香族酸二無水物成分に由来する4価の有機基であり、R

は1価のアルコール成分に由来する1価の有機基である。)
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2025044677000003.jpg
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111
(式(3)中、R

は酸無水物成分に由来する2価の有機基である。)
【発明の効果】
【0008】
本発明のPAA溶液は、所定の固形分濃度において低粘度であると共に、粘度の経時変化が抑制されている。そのため、本溶液から厚み均一性に優れた被膜を形成することができる。かつ、被膜形成時の物理物性として、巻線被覆用途に必要な引張伸度を十分満たす被膜が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明で用いられるPAA溶液は、PAAと有機溶媒とを含有する。PAAは、芳香族テトラカルボン酸二無水物成分と芳香族ジアミン成分とに由来する一般式(1)の分子鎖を有する。
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2025044677000004.jpg
52
130
また、PAAは、その末端構造として、一般式(2)および一般式(3)の末端構造を有する。
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2025044677000005.jpg
50
130
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42
107
(【0011】以降は省略されています)

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