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公開番号2025077525
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-19
出願番号2023189783
出願日2023-11-07
発明の名称コンクリート補強工法
出願人株式会社大林組,東レ株式会社,コニシ株式会社,株式会社ケミカル工事
代理人個人,個人
主分類E21D 11/10 20060101AFI20250512BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】1層の補強層の形成によってコンクリートの補強ができるコンクリート補強工法を提供する。
【解決手段】コンクリート構造物の表面に繊維シートを貼付けて補強層を形成するコンクリート補強工法であって、補強層は、二方向炭素繊維シートを貼付けて炭素繊維強化プラスチック化させた1層のみで構成し、二方向炭素繊維シートは、織糸であるたて糸とよこ糸のそれぞれに炭素繊維を含む炭素繊維織物であり、織物目付が300g/m2以上800g/m2以下であり、クリンプ角θが1.0°以上3.3°以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
コンクリート構造物の表面に繊維シートを貼付けて補強層を形成するコンクリート補強工法であって、
前記補強層は、二方向炭素繊維シートを貼付けて炭素繊維強化プラスチック化させた1層のみで構成し、
前記二方向炭素繊維シートは、織糸であるたて糸とよこ糸のそれぞれに炭素繊維を含む炭素繊維織物であり、織物目付が300g/m

以上800g/m

以下であり、クリンプ角が1.0°以上3.3°以下であるコンクリート補強工法。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記炭素繊維の織度は、1.000g/m(1,000テックス)以上4.000g/m(4,000テックス)以下である請求項1に記載のコンクリート補強工法。
【請求項3】
前記炭素繊維のサイジング付着率は、0.5質量%以上10質量%以下である請求項1又は2に記載のコンクリート補強工法。
【請求項4】
前記二方向炭素繊維シートのせん断剛性は、0.40N/°以上10N/°以下である請求項1又は2に記載のコンクリート補強工法。
【請求項5】
前記二方向炭素繊維シートの剛軟度は、170mm以上400mm以下である請求項1又は2に記載のコンクリート補強工法。
【請求項6】
前記二方向炭素繊維シートの開口率は、0.1%以上10%以下である請求項1又は2に記載のコンクリート補強工法。
【請求項7】
前記炭素繊維の引張強度が3,000MPa以上7,000MPa以下、引張弾性率が200GPa以上600GPa以下である請求項1又は2に記載のコンクリート補強工法。
【請求項8】
前記二方向炭素繊維シートは、前記たて糸、又は前記よこ糸の少なくとも一方に熱溶着繊維を含み、前記熱溶着繊維が加熱・溶着され前記炭素繊維が目止めされている請求項1又は2に記載のコンクリート補強工法。
【請求項9】
前記二方向炭素繊維シートは、端部からラップ長の位置に目印糸を配置され、
前記二方向炭素繊維シートは、前記ラップ長をラップさせて貼付ける請求項1又は2に記載のコンクリート補強工法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素繊維シートを用いてコンクリートを補強するコンクリート補強工法に関する。特に、炭素繊維シートを用いて既設トンネルの覆工コンクリートを補強するコンクリート補強工法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
既設トンネルの覆工コンクリートの補修・補強工事は、はく落対策と内面補強に大別される。トンネル覆工の内面補強は、一般的に「炭素繊維シート」を使用した「連続繊維接着工」が採用されている。「連続繊維接着工」は、マトリックス樹脂を用いて「炭素繊維シート」を炭素繊維強化プラスチック(CFRP)化させる。CFRPは、軽量性や力学特性に優れ、トンネル覆工の内面補強に適している。
【0003】
「連続繊維接着工」に用いられる「炭素繊維シート」は、耐震補強工事の汎用品である、補強方向に繊維が連続している「一方向炭素繊維シート」で「高強度タイプ」が使用されている。「一方向炭素繊維シート」の目付量(1m

あたりの炭素繊維の重量;g/m

)は、期待する補強効果に合わせて設定され、標準設計の200g/m

が適用される事例が多い。
【0004】
「連続繊維接着工」の施工は、図6に示すように、まず、下地処理(ステップS101)、プライマー塗布(ステップS102)、不陸修正(ステップS103)を前処理工程として実施する。次に、主たる補強材としてまず1層目にトンネル周方向に「一方向炭素繊維シート」を貼付けてCFRP化させ(ステップS104)、1層目の連結、落下防止のため2層目にトンネル軸方向に「一方向炭素繊維シート」を貼付けてCFRP化させる(ステップS105)。最後に、仕上塗装の下塗り(ステップS106)、仕上塗装の上塗り(ステップS107)を後処理工程として実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6064070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
「一方向炭素繊維シート」のCFRP化工程は、図6に示すように、(1)接着含浸樹脂の下塗り、(2)シート貼付け、(3)脱泡・含浸、(4)接着含浸樹脂の上塗り、(5)硬化養生、の手順を1層ごとに実施する。従って、積層数が増えるほど施工日数が増加する。特に、接着含浸樹脂の上塗り後は、樹脂の硬化を待つ硬化養生が必要となるため、2層目の施工は翌日となり、施工日数が増加していた。
【0007】
なお、二方向性の複合繊維シートを使用するコンクリート構造物の補強工法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1で用いられる二方向性の複合繊維シートは、交錯させずに並列させたたて糸とよこ糸を複数の編み糸を用いて一体に結束している。編み糸を用いてたて糸とよこ糸を結束するシートは、設計で規定される耐力を得るために高い目付量にした場合、CFRP化の際に炭素繊維シート内部への樹脂含浸が難しくなる。そのため、炭素繊維シート中に未含浸部が残ったり、含浸させるために炭素繊維シートを強くしごく等により炭素繊維が蛇行したり、損傷を受けたりして、炭素繊維シートの優れた力学特性が低下する場合がある。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消し、1層の補強層の形成によってコンクリートの補強ができるコンクリート補強工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコンクリート補強工法は、コンクリート構造物の表面に繊維シートを貼付けて補強層を形成するコンクリート補強工法であって、前記補強層は、二方向炭素繊維シートを貼付けて炭素繊維強化プラスチック化させた1層のみで構成し、前記二方向炭素繊維シートは、織糸であるたて糸とよこ糸のそれぞれに炭素繊維を含む炭素繊維織物であり、織物目付が300g/m

以上800g/m

以下であり、クリンプ角が1.0°以上3.3°以下である。
さらに、本発明のコンクリート補強工法において、前記炭素繊維の織度は、1.000g/m(1,000テックス)以上4.000g/m(4,000テックス)以下としても良い。
さらに、本発明のコンクリート補強工法において、前記炭素繊維のサイジング付着率は、0.5質量%以上10質量%以下としても良い。
さらに、本発明のコンクリート補強工法において、前記二方向炭素繊維シートのせん断剛性は、0.40N/°以上10N/°以下としても良い。
さらに、本発明のコンクリート補強工法において、前記二方向炭素繊維シートの剛軟度は、170mm以上400mm以下としても良い。
さらに、本発明のコンクリート補強工法において、前記二方向炭素繊維シートの開口率は、0.1%以上10%以下としても良い。
さらに、本発明のコンクリート補強工法において、前記炭素繊維の引張強度が3,000MPa以上7,000MPa以下、引張弾性率が200GPa以上600GPa以下としても良い。
さらに、本発明のコンクリート補強工法において、前記二方向炭素繊維シートは、前記たて糸、又は前記よこ糸の少なくとも一方に熱溶着繊維を含み、前記熱溶着繊維が加熱・溶着され前記炭素繊維が目止めされても良い。
さらに、本発明のコンクリート補強工法において、前記二方向炭素繊維シートは、端部からラップ長の位置に目印糸を配置され、前記二方向炭素繊維シートは、前記ラップ長をラップさせて貼付けても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高い目付量であっても樹脂含浸が容易な二方向炭素繊維シートを用いることで、1層の補強層の形成によってコンクリートの補強ができ、工期を短縮できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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