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公開番号2025079254
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-21
出願番号2023191833
出願日2023-11-09
発明の名称物体の設置方法
出願人株式会社大林組
代理人弁理士法人一色国際特許事務所
主分類E02D 27/01 20060101AFI20250514BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】コンクリート体と物体との間に充填される充填材の、より高い充填性を確保することが可能な物体の設置方法を提供する。
【解決手段】環状プレートを設置する第1工程と、コンクリートを打設して上面に環状プレートを備えたコンクリート体を形成する第2工程と、環状プレートの外周縁より囲繞枠体の内側がはみ出ないように、当該囲繞枠体を設置する第3工程と、囲繞枠体の内周縁より内方の位置に充填材を充填する第4工程と、囲繞枠体を真上方向に取り外す第5工程と、充填材の固化前に、物体の下面によって充填材を上方から押し潰しながら物体を環状プレート上に載置する第6工程と、押し潰された充填材が外方にはみ出しているか否かを判定する第7工程と、を備える。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
物体をコンクリート体上に設置する物体の設置方法であって、
所定厚みの環状プレートの上面が所定高さに位置するように前記環状プレートを設置する第1工程と、
前記環状プレートの前記上面の高さから、前記所定厚みより小さい所定寸法だけ低い位置に前記コンクリート体の上面が位置するようにコンクリートを打設して前記コンクリート体を形成する第2工程と、
前記コンクリート体の固化後に、前記環状プレートの外周縁より囲繞枠体の内側がはみ出ないように、当該囲繞枠体を設置する第3工程と、
前記囲繞枠体の内周縁より内方の位置に充填材を充填する第4工程と、
前記囲繞枠体を真上方向に取り外す第5工程と、
前記充填材の固化前に、前記物体の下部をなす下部プレート部材の下面によって前記充填材を上方から押し潰しながら前記下部プレート部材を前記環状プレート上に載置する第6工程と、
押し潰された前記充填材が、前記環状プレートの外周縁又は前記下部プレート部材の外周縁より外方にはみ出しているか否かを判定する第7工程と、を備えたことを特徴とする物体の設置方法。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
請求項1に記載の物体の設置方法であって、
前記コンクリート体の前記上面に打設される第一充填材を有し、前記第一充填材の上面は、前記環状プレートの前記上面と一致し、前記充填材は、前記囲繞枠体の内周縁より内方の位置に前記第一充填材の上に打設される第二充填材であることを特徴とする物体の設置方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の物体の設置方法であって、
前記囲繞枠体は、前記環状プレートの前記上面に掛け渡されていることを特徴とする物体の設置方法。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の物体の設置方法であって、
前記囲繞枠体により囲繞される領域の広さは、1人の作業者により表面を平坦に均すことが可能な広さであることを特徴とする物体の設置方法。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の物体の設置方法であって、
前記囲繞枠体において内周縁の内側に収容される前記充填材の高さは、前記下部プレート部材の下面の面積に、前記下部プレート部材の下面及び前記環状プレートの上面の不陸を吸収可能な高さを乗じた体積を、前記囲繞枠体の内周縁の内方の面積で除した高さより高いことを特徴とする物体の設置方法。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の物体の設置方法であって、
前記外周縁は、真円でないことを特徴とする物体の設置方法。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の物体の設置方法であって、
前記外周縁は、多角形であることを特徴とする物体の設置方法。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の物体の設置方法であって、
前記下部プレート部材の前記下面の形状と前記囲繞枠体の内周縁の形状とは略相似形状であることを特徴とする物体の設置方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、物体をコンクリート体上に設置する物体の設置方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、物体をコンクリート体上に設置する物体の設置方法として、コンクリート体の上に配置された環状プレートの内周縁より内側に充填材を山状に盛り上げるように打設し、当該充填材の固化前に、例えば免震装置などの物体を載置し、物体の平坦な下面によって充填材を上方から押し潰して物体を設置する方法は知られている(例えば、特許文献1参照)。この物体の設置方法では、物体が充填材を上方から押し潰すことで、充填材がコンクリート体の上面に放射状に広がり、物体の下面と、コンクリート体の上面及び環状プレートの上面との間に充填材が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-59686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コンクリート体の上に山状に盛り上げるように打設した充填材は、物体に上方から押し潰されたときに、コンクリート体の上面に放射状に広がるので、例えば、環状プレートや物体の下面が矩形状をなしている場合には、物体の下面と、コンクリート体の上面及び環状プレートの上面との間の隅々まで充填材が充填されない虞がある。また、充填材が充填されやすいように、山状に盛り上げた充填材をコテなどで広げてしまうと、コテムラにより表面に凹凸が生じてしまい、物体を取り付ける際に空気が入り、空隙が発生して充填率が低下するという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンクリート体と物体との間に充填される充填材の、より高い充填性を確保することが可能な物体の設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために本発明の物体の設置方法は、物体をコンクリート体上に設置する物体の設置方法であって、
所定厚みの環状プレートの上面が所定高さに位置するように前記環状プレートを設置する第1工程と、
前記環状プレートの前記上面の高さから、前記所定厚みより小さい所定寸法だけ低い位置に前記コンクリート体の上面が位置するようにコンクリートを打設して前記コンクリート体を形成する第2工程と、
前記コンクリート体の固化後に、前記環状プレートの外周縁より囲繞枠体の内側がはみ出ないように、当該囲繞枠体を設置する第3工程と、
前記囲繞枠体の内周縁より内方の位置に充填材を打設する第4工程と、
前記囲繞枠体を真上方向に取り外す第5工程と、
前記充填材の固化前に、前記物体の下部をなす下部プレート部材の下面によって前記充填材を上方から押し潰しながら前記下部プレート部材を前記環状プレート上に載置する第6工程と、
押し潰された前記充填材が、前記環状プレートの外周縁又は前記下部プレート部材の外周縁より外方にはみ出しているか否かを判定する第7工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書および添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コンクリート体と物体との間に充填される充填材の、より高い充填性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
建物に適用された免震装置の概念図である。
図2(a)は、環状プレートを設置した状態を示す斜視図であり、図2(b)は、構築した基礎コンクリートを示す斜視図である。
図3(a)は、第一充填材を打設した状態を示す斜視図であり、図3(b)は、枠体を設置した状態を示す斜視図である。
図4(a)は、第二充填材を打設した状態を示す斜視図であり、図4(b)は、枠体を取り外した状態を示す斜視図である。
積層ゴムの設置方法の説明図である。
図6(a)は、充填材がはみ出している状態を示す斜視図であり、図6(b)は、設置が完了した積層ゴムを示す斜視図である。
図7(a)は、構築した基礎コンクリートを示す断面図であり、図7(b)は、第一充填材を打設した状態を示す断面図であり、図7(c)は、枠体を設置した状態を示す断面図であり、図7(d)は、第二充填材を打設した状態を示す断面図である。
図8(a)は、枠体を取り外した状態を示す断面図であり、図8(b)は、下部フランジプレートが第二充填材に当接した状態を示す断面図であり、図8(c)は、押しつぶされる第二充填材の状態を示す断面図であり、図8(d)は、充填材がはみ出している状態を示す断面図である。
図9(a)は、直動転がり支承用の環状プレートが設置された基礎コンクリートを示す斜視図であり、図9(b)は、直動転がり支承用の環状プレートの開口に第一充填材を打設した状態を示す斜視図である。
図10(a)は、直動転がり支承用の枠体を設置した状態を示す斜視図であり、図10(b)は、直動転がり支承用の枠体内に第二充填材を打設した状態を示す斜視図である。
直動転がり支承用の枠体を取り外した状態を示す斜視図である。
図12(a)は、直動転がり支承用の環状プレートの開口に第一充填材を打設した状態を示す断面図であり、図12(b)は、直動転がり支承用の枠体を設置した状態を示す断面図であり、図12(c)は、直動転がり支承用の枠体内に第二充填材を打設した状態を示す図12(d)は、直動転がり支承用の枠体を取り外した状態を示す断面図であり、図12(e)は、設置が完了した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1:物体をコンクリート体上に設置する物体の設置方法であって、
所定厚みの環状プレートの上面が所定高さに位置するように前記環状プレートを設置する第1工程と、
前記環状プレートの前記上面の高さから、前記所定厚みより小さい所定寸法だけ低い位置に前記コンクリート体の上面が位置するようにコンクリートを打設して前記コンクリート体を形成する第2工程と、
前記コンクリート体の固化後に、前記環状プレートの外周縁より囲繞枠体の内側がはみ出ないように、当該囲繞枠体を設置する第3工程と、
前記囲繞枠体の内周縁より内方の位置に充填材を打設する第4工程と、
前記囲繞枠体を真上方向に取り外す第5工程と、
前記充填材の固化前に、前記物体の下部をなす下部プレート部材の下面によって前記充填材を上方から押し潰しながら前記下部プレート部材を前記環状プレート上に載置する第6工程と、
押し潰された前記充填材が、前記環状プレートの外周縁又は前記下部プレート部材の外周縁より外方にはみ出しているか否かを判定する第7工程と、を備えたことを特徴とする物体の設置方法である。
【0010】
態様1の物体の設置方法によれば、物体が設置されるコンクリート体の固化後に、当該コンクリート体上に設置した囲繞枠体の内周縁より内方の位置に充填材を打設し、その後囲繞枠体を真上方向に取り外すので、コンクリート体上に囲繞枠体により形作られた所望の形状に充填材を打設することが可能となる。そして、コンクリート体上に盛られた所望の形状の充填材は、固化前に物体の下部をなす下部プレート部材の下面によって上方から押し潰され、下部プレート部材は環状プレート上に押しつぶされた充填材上に載置されるので、固化前の流動性を有する充填材が、物体の重量によって容易且つ速やかに潰れ、コンクリート体の上面にほぼ矩形が広がるように広がっていく。
(【0011】以降は省略されています)

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