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公開番号2025036356
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2024148086
出願日2024-08-30
発明の名称生体成分吸着材料
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B01J 20/22 20060101AFI20250306BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】本発明は、生体成分、特にサイトカインの高い吸着能とヘパリンの低い吸着能を兼ね備えた生体成分吸着材料を提供することを目的とする。
【解決手段】繰り返し単位に芳香環を有する重合体を含む基材と、上記基材に固定化されたスルホン酸基と、上記重合体を架橋する架橋構造と、からなる水不溶性材料を含み、上記スルホン酸基の含有量は、水不溶性材料1g当たり0.2~2.0mmolであり、上記水不溶性材料の含水率は60%以上100%未満である、生体成分吸着材料を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
繰り返し単位に芳香環を有する重合体を含む基材と、前記基材に固定化されたスルホン酸基と、前記重合体を互いに架橋する架橋構造と、からなる水不溶性材料を含み、
前記スルホン酸基の含有量は、水不溶性材料1g当たり0.2~2.0mmolであり、
前記水不溶性材料の含水率は、60%以上100%未満である、生体成分吸着材料。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記含水率は、60~95%である、請求項1記載の生体成分吸着材料。
【請求項3】
前記重合体は、ポリスチレン又はポリスチレン誘導体である、請求項1又は2記載の生体成分吸着材料。
【請求項4】
前記重合体の最大架橋率は、0超1.00mol%以下である、請求項1又は2記載の生体成分吸着材料。
【請求項5】
前記架橋構造は、ホルムアルデヒド又は置換ベンズアルデヒドに由来する、請求項1又は2記載の生体成分吸着材料。
【請求項6】
請求項1又は2記載の生体成分吸着材料を備える、生体成分吸着カラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生体成分吸着材料に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、炎症性疾患の治療、移植前後の免疫抑制及び血液製剤の発熱・感染症等の副作用抑制の目的で、サイトカインや白血球等の生体成分を吸着除去する血液浄化療法に関する技術が開発されている。中でもサイトカイン、特に炎症性疾患のバイオマーカーであるインターロイキン6又はインターロイキン8を吸着除去する技術が開発されている。
【0003】
基材に架橋構造とスルホン酸基を固定化した材料は、物理的に安定で溶出物が出にくく、かつスルホン酸基の負電荷で静電相互作用を制御できることから、その特性を活かした、サイトカイン吸着を含む多数の生体成分吸着材料が開発されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、繊維又は粒子からなる水不溶性担体の表面に、硫酸基、亜硫酸基及びスルホン酸基からなる群から選ばれる酸性官能基と、アミノ基とを有する官能基が導入されてなり、上記繊維の繊維径又は上記粒子の粒子径は、0.5~20μmであり、上記水不溶性担体の陰性荷電量は、1.5×10-5~1.5×10-3eq/gである、生体成分吸着用担体が開示されている。当該吸着用担体の特長としては、酸性官能基と塩基性官能基であるアミノ基の両方を有する双性イオン官能基を導入することにより、サイトカインと3種類の白血球成分を同時に除去できることが開示されている。
【0005】
特許文献2には、吸水率が1~50%であり、芳香族炭化水素又はその誘導体を繰り返し単位とし、上記繰り返し単位が有する芳香環の一部が特定の化学構造を介して架橋されているポリマーを含有するタンパク質吸着用繊維が開示されている。当該吸着用繊維の特長としては、含水率の制御により、サイトカイン吸着能及び微粒子の発生抑制効果を発現させることができることが開示されている。
【0006】
特許文献3には、スルホン酸基を有するスチレン-ジビニルベンゼン共重合体から構成される、腫瘍壊死因子-αの吸着剤が開示されており、実施例として、イオン交換樹脂であるダイヤイオンHPK55が開示されている。しかし、ダイヤイオンHPK55のスルホン酸基の含有量に相当するイオン交換容量は、約1meq/mLであることが開示されているが、乾燥重量当たりのイオン交換容量は開示されていない。なお、非特許文献1に記載のとおり、ダイヤイオンHPKシリーズは現在販売中止となっており、その後継品はダイヤイオンRCP160Mである。非特許文献2には、ダイヤイオンRCP160Mの含水状態のイオン交換樹脂の密度(見かけ密度)は740g/Lであり、その水分量は45~55%であることが開示されている。つまり、ダイヤイオンRCP160Mの乾燥状態のイオン交換樹脂の密度は333~407g/Lである。そして、乾燥状態のイオン交換樹脂の密度が、ダイヤイオンHPKシリーズとダイヤイオンRCP160Mとで同等であると仮定すると、ダイヤイオンRCP160Mの乾燥重量当たりのイオン交換容量は、約2.5~3.0meq/gであると推定される。また、非特許文献1に記載のとおり、ダイヤイオンHPKシリーズ及びダイヤイオンRCPシリーズは、架橋度が高いハイポーラス型イオン交換樹脂であり、水分量には樹脂への含水だけでなくマクロポアーの水が含まれる。加えて、標準架橋樹脂は、ジビニルベンゼンの仕込み量として8wt%の架橋度であることが開示されている。
【0007】
特許文献4には、血液導入口及び血液排出口を有する容器と、上記容器内に充填される生体成分吸着材料とを備え、上記生体成分吸着材料は、織物又は編地からなり、上記織物又は上記編地の開口率は、3%以上10%未満であり、上記生体成分吸着材料の充填密度は、0.30g/cm

以上1.30g/cm

以下であり、上記開口率と上記充填密度を乗じた値は、1.1%・g/cm

以上3.9%・g/cm

未満である、生体成分吸着カラムが開示されている。
【0008】
血液浄化療法では、血液は体外へ導出され異物と接触することになるが、血液成分の中でも細胞成分は異物に接触すると活性化、凝集する。これによって血液が凝固しまうことから、生体成分吸着材料が充填されたカラムに血液を通液する場合は、細胞成分の凝集を抑制するために、抗凝固剤を用いるのが一般的である。特に血液浄化療法に生体成分吸着材料が充填されたカラムを用いる場合、血液の凝固によりカラムの目詰まりが発生して治療が行えなくなるため、血液浄化療法中、抗凝固剤を常に投与する必要がある。抗凝固剤には、例えばヘパリン、メシル酸ナファモスタット及びクエン酸等複数の種類があるが、一般にヘパリンが好ましく用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第5929197号公報
国際公開公報2016/043223号
特許第3633978号
特開2018-102659号公報
【非特許文献】
【0010】
Mitsubishi Chemical Corporation、「DIAION MANUAL OF ION EXCHANGE RESINS AND SYSTHETIC ADSORBENTS 1 (Sixth Edition)」、March 2018、p3~22
Mitsubishi Chemical Corporation、「Product Data Sheet DIAION RCP160M」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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