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公開番号
2025048703
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-03
出願番号
2024028296
出願日
2024-02-28
発明の名称
離型フィルムとその製造方法、及び積層体
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B32B
27/36 20060101AFI20250326BHJP(積層体)
要約
【課題】本発明は、離型層の上に形成された相手部材との離型性に優れ、特に加熱後も安定した離型性を有した、表面保護フィルム製造用離型フィルムを提供する。
【解決手段】
ポリエステル樹脂基材層の少なくとも片面に離型層を有し、飛行時間型2次イオン質量分析により前記離型層の表面を分析した際に、最大強度で検出される正イオンのフラグメントのピーク強度をK、ジメチルシロキサンに由来する正イオンのフラグメントのピーク強度をPとしたときにP/Kが0.01未満であり、前記離型層の表面自由エネルギーが25.0mN/m以下であり、前記離型層における極性力γpと水素結合力γhの比γh/γpが1.0以下である、離型フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリエステル樹脂基材層の少なくとも片面に離型層を有し、飛行時間型2次イオン質量分析により前記離型層の表面を分析した際に、最大強度で検出される正イオンのフラグメントのピーク強度をK、ジメチルシロキサンに由来する正イオンのフラグメントのピーク強度をPとしたときに、P/Kが0.01未満であり、前記離型層の表面自由エネルギーが25.0mN/m以下であり、前記離型層における極性力γpと水素結合力γhの比γh/γpが1.0以下である、離型フィルム。
続きを表示(約 950 文字)
【請求項2】
ポリエステル樹脂基材層の少なくとも片面に離型層を有し、飛行時間型2次イオン質量分析により前記離型層の表面を分析した際に、最大強度で検出される正イオンのフラグメントのピーク強度をK、ジメチルシロキサンに由来する正イオンのフラグメントのピーク強度をPとしたときに、P/Kが0.01未満であり、前記離型層の水の後退接触角θrが85°以上である、離型フィルム。
【請求項3】
前記離型層の水の後退接触角θrが85°以上である、請求項1に記載の離型フィルム。
【請求項4】
前記離型層の初期テープ剥離力をR1、50℃で1時間加熱した後の前記離型層のテープ剥離力をR2とした際に、前記R1が4.0N/50mm以下であり、R2/R1が5.0以下である、請求項1から3のいずれかに記載の離型フィルム。
【請求項5】
バイオマス原料とリサイクル原料の少なくとも一方を含む、請求項1から3のいずれかに記載の離型フィルム。
【請求項6】
前記離型層がスルホイソフタル酸(SSIA)基とカルボキシル(COOH)基の少なくとも一方を有するポリエステル樹脂を含有する、請求項1から3のいずれかに記載の離型フィルム。
【請求項7】
飛行時間型2次イオン質量分析により前記離型層の表面を分析した際、メチロールメラミンに由来する正イオンのフラグメントのピーク強度をFとしたときに、F/Kが0.001未満である、請求項1から3のいずれかに記載の離型フィルム。
【請求項8】
請求項1から3のいずれかに記載の離型フィルムの一方の表層に前記離型層を有し、前記離型層側の面に粘着剤層を有する、積層体。
【請求項9】
請求項1から3のいずれかに記載の離型フィルムの製造方法であって、ポリエステル樹脂基材シートの少なくとも一方の面に前記離型層形成用の樹脂組成物を塗布する塗布工程、前記樹脂組成物を塗布した後の前記ポリエステル樹脂基材シートを少なくとも一軸方向に延伸する延伸工程、及び延伸後の前記ポリエステル樹脂基材シートを150℃以上に加熱して離型層を形成せしめる熱処理工程をこの順に有する、離型フィルムの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、離型フィルムとその製造方法、及び積層体に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
離型性に優れた積層フィルムは、隣接する相手部材との界面で剥離することが可能な部材であり、粘着製品における粘着材層の保護フィルムや、各種工業製品の加工工程におけるキャリアフィルムとして使用される。特に近年、各種製品の製造速度向上や高品位化の観点から、離型性に優れた積層フィルムの需要が高まっている。
【0003】
離型性に優れる積層フィルムとしては、工業的な生産性や耐熱性の点から、シリコーン化合物を離型層に含有せしめたフィルム(以下、シリコーン離型フィルムと記載する。)が最も一般的に使用されている(例えば、特許文献1)。但し、シリコーン離型フィルムは離型層にシリコーン化合物を含有しており、離型層の表面自由エネルギーが低くなるため、相手部材形成用の塗料のハジキや気泡の噛み込み等により相手部材の塗布性が不良となり、相手部材が均一に形成できない場合がある。
【0004】
一方、例えば高度に精密性が要求される光学部材や電子部材は、加工、組立、検査、輸送などの際の表面の傷付き防止を目的として、積層フィルム基材上に粘着剤層を備えた表面保護フィルムが貼着される(特許文献2)。このような表面保護フィルムの製造に用いられる離型フィルムとしても、従来からシリコーン離型フィルムが用いられてきたが(特許文献3)、近年では、表面保護フィルムの相手部材表面がシリコーン化合物で汚染されることを防止するため、シリコーン化合物を含まない離型フィルム(以下、非シリコーン離型フィルムと記載する。)を好適に用いることができると知られている(特許文献4)。
【0005】
このような課題に対して、非シリコーン離型フィルムの主材料として、長鎖アルキル基含有樹脂、オレフィン樹脂、フッ素化合物、ワックス系化合物、中でも長鎖アルキル基含有樹脂を用いる検討が行われている(例えば、特許文献5~7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-155459号公報
特開2016-017109号公報
特開2012-224811号公報
特開2019-194337号公報
特開2004-351626号公報
特開2004-230772号公報
特開2015-199329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献5~7に記載されている非シリコーン離型フィルムを表面保護フィルム等の製造に用いる場合には、シリコーン離型フィルムを用いた場合に比べて、当該離型フィルム上に塗布などによって設けられる層(例えば、粘着剤層等)が重剥離となる傾向がある。また、非シリコーン離型フィルムには、一般的に、当該離型フィルム上に塗布などによって設けられる層の剥離力が加熱によって大幅に増加するという課題もある。例えば、特許文献5に記載のフィルムについて、本発明者らが検証したところ、樹脂層に粘着テープを貼合し、加熱後に剥離した際、粘着テープが大幅に重剥離になることが判明した。また、特許文献6に記載のフィルムのように、長鎖アルキル基含有樹脂と架橋剤を併用する場合や、特許文献7に記載のフィルムのように、長鎖アルキルアクリレート樹脂とメラミン樹脂を併用する場合は、加熱による粘着テープの剥離力変化が小さいが、依然粘着テープの剥離力が高く、加熱後にも剥離が困難となることが判明した。
【0008】
そこで、本発明では上記欠点を解消し、塗布などによって設けられる層を形成する塗料組成物の塗布性に優れ、相手部材を軽い力で剥離することができ、かつ加熱後も軽い力で相手部材を剥離することができる、離型フィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の物理特性を有する離型フィルムを用いることにより、塗布性と離型性、及び加熱による剥離力の制御に優れた、表面保護フィルム製造用の離型フィルムとなし得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は次の構成からなる。すなわち、
[I] ポリエステル樹脂基材層の少なくとも片面に離型層を有し、飛行時間型2次イオン質量分析により前記離型層の表面を分析した際に、最大強度で検出される正イオンのフラグメントのピーク強度をK、ジメチルシロキサンに由来する正イオンのフラグメントのピーク強度をPとしたときに、P/Kが0.01未満であり、前記離型層の表面自由エネルギーが25.0mN/m以下であり、前記離型層における極性力γpと水素結合力γhの比γh/γpが1.0以下である、離型フィルム。
[II]ポリエステル樹脂基材層の少なくとも片面に離型層を有し、飛行時間型2次イオン質量分析により前記離型層の表面を分析した際に、最大強度で検出される正イオンのフラグメントのピーク強度をK、ジメチルシロキサンに由来する正イオンのフラグメントのピーク強度をPとしたときに、P/Kが0.01未満であり、前記離型層の水の後退接触角θrが85°以上である、離型フィルム。
[III]前記離型層の水の後退接触角θrが85°以上である、[I]に記載の離型フィルム。
[IV] 前記離型層の初期テープ剥離力をR1、50℃で1時間加熱した後の前記離型層のテープ剥離力をR2とした際に、前記R1が4.0N/50mm以下であり、R2/R1が5.0以下である、[I]~[III]のいずれかに記載の離型フィルム。
[V] バイオマス原料とリサイクル原料の少なくとも一方を含む、[I]~[IV]のいずれかに記載の離型フィルム。
[VI] 前記離型層がSSIA基とCOOH基の少なくとも一方を有するポリエステル樹脂を含有する、[I]~[V]のいずれかに記載の離型フィルム、
[VII] 飛行時間型2次イオン質量分析により前記離型層の表面を分析した際、メチロールメラミンに由来する正イオンのフラグメントのピーク強度をFとしたときに、F/Kが0.001未満である、[I]~[VI]のいずれかに記載の離型フィルム。
[VIII] [I]~[VII]のいずれかに記載の離型フィルムの前記離型層側の面に粘着剤層を有する、積層体。
[IX] [I]~[VII]のいずれかに記載の離型フィルムの製造方法であって、ポリエステル樹脂基材シートの少なくとも一方の面に前記離型層形成用の樹脂組成物を塗布する塗布工程、前記樹脂組成物を塗布した後の前記ポリエステル樹脂基材シートを少なくとも一軸方向に延伸する延伸工程、及び延伸後の前記ポリエステル樹脂基材シートを150℃以上に加熱して離型層を形成せしめる熱処理工程をこの順に有する、離型フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、塗布などによって設けられる層を形成する塗料組成物の塗布性に優れ、相手部材を軽い力で剥離することができ、かつ加熱後も軽い力で相手部材を剥離することができる、離型フィルムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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