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公開番号2025043446
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-01
出願番号2023150717
出願日2023-09-19
発明の名称積層シート、建築材料、および通信機器筐体。
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B32B 7/025 20190101AFI20250325BHJP(積層体)
要約【課題】 本発明は、成形性と強度に優れ、高周波帯までの吸収が可能な電磁波吸収性を有するシートを提供することをその課題とする。
【解決手段】 周波数1GHz~1000GHzの帯域の反射減衰量曲線における最大ピークにおいて反射減衰量が5.0dB以上であり、互いに異なる2種類の層(A層とB層)を交互に合計5層以上積層した交互積層ユニットを含み、かつ凹凸構造を有することを特徴とする、積層シート。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
周波数1GHz~1000GHzの帯域の反射減衰量曲線における最大ピークにおいて反射減衰量が5.0dB以上であり、互いに異なる2種類の層(A層とB層)を交互に合計5層以上積層した交互積層ユニットを含み、かつ凹凸構造を有することを特徴とする、積層シート。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
凸部が凹部で囲まれた構造を構造Xとし、凹部が凸部で囲まれた構造を構造Yとしたときに、前記凹凸構造が前記構造Xと前記構造Yの少なくとも一方を有する、請求項1に記載の積層シート。
【請求項3】
以下の特徴1と2の少なくとも一方を具備する、請求項2に記載の積層シート。
特徴1:前記構造Xにおいて最も近接する凸部の中心間の距離(ピッチX)が一定である。
特徴2:前記構造Yにおいて最も近接する凹部の中心間の距離(ピッチY)が一定である。
【請求項4】
前記ピッチXと前記ピッチYの少なくとも一方が0.6mm以上30cm以下である、請求項3に記載の積層シート。
【請求項5】
以下の特徴3と4の少なくとも一方を具備する、請求項3に記載の積層シート。
特徴3:前記構造Xにおける前記凹部の幅の平均値が、前記ピッチXの5%以上かつ20%以下である。
特徴4:前記構造Yにおける前記凸部の幅の平均値が、前記ピッチYの5%以上かつ20%以下である。
【請求項6】
以下の特徴5と6の少なくとも一方を具備する、請求項3に記載の積層シート。
特徴5:前記構造Xにおける前記凹部の深さがシート厚みの70%以下、かつ前記ピッチXの1%以上である。
特徴6:前記構造Yにおける前記凸部の高さがシート厚みの70%以下、かつ前記ピッチYの1%以上である。
【請求項7】
以下の特徴7と8の少なくとも一方を具備する、請求項2に記載の積層シート。
特徴7:前記交互積層ユニットの各層の厚みの平均値が前記構造Xにおける前記凹部の深さの1%以上40%以下である。
特徴8:前記交互積層ユニットの各層の厚みの平均値が前記構造Yにおける前記凸部の高さの1%以上40%以下である。
【請求項8】
以下の特徴9と10の少なくとも一方を具備する、請求項3に記載の積層シート。
特徴9:同じ方向に連続して前記ピッチXの長さを50点評価した際に、標準偏差が平均値の10%以下である。
特徴10:同じ方向に連続して前記ピッチYの長さを50点評価した際に、標準偏差が平均値の10%以下である。
【請求項9】
少なくとも一方の最表層の厚みがシート全体の5%以上40%以下である、請求項1に記載の積層シート。
【請求項10】
80℃でのヤング率の最大値が50MPa以上200MPa以下である、請求項1に記載の積層シート。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、成形性と強度、電磁波吸収性に優れた積層シート、及びこれを用いた建築材料や通信機器筐体に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
通信技術の進歩に伴い、近年、携帯電話や無線通信などでは主に数百MHz~数GHz帯域のメートル波が使用されている。より具体的には、4G、5Gなどのモバイル通信や無線LAN(Wi-fi)通信などで、数GHz~数十GHz帯域のセンチ波が主に使用され、自動車衝突防止レーダーなどで、数十GHz~数百GHz帯域のミリ波が主に使用されている。
【0003】
このように電磁波の周波数帯域は、情報の容量や伝達する距離や用途に合わせて適したものが選択されるが、近い周波数帯域の電磁波が様々な装置や用途で使用されるため、装置の誤作動や通信障害、情報漏洩等が懸念されている。また、電磁波に敏感な人体への影響も指摘されている。こうした懸念や指摘に応えるため、電磁波を遮蔽する電磁波シールド材料のニーズが高まっている。特に、近年では、高速・大容量通信を実現するために、GHz周波数帯域の電磁波を利用する通信技術の開発が加速しており、当該周波数帯域の電磁波を遮蔽できる電磁波シールド材料が求められている。
【0004】
電磁波は、電界と磁界の2成分から構成される波として空間を伝播する。電磁波を遮蔽する電磁波シールド材料は、その表面や内部で電磁波を反射することや、材料内部で電磁波を吸収して電磁波の持つエネルギーを損失・減衰させることができ、反射と吸収を組み合わせることでより効果を高めることができる。
【0005】
例えば、電磁波シールド材料の表面での反射による導電反射技術は、空気界面と電磁波シールド材料界面の電気抵抗値(比誘電率をもとに算出されるインピーダンス)が異なることで効果を高めることができ、一般的に金属(銅)など非常に抵抗値が低い材料を基材の表面に塗布、積層することで広範囲の周波数帯域にわたり高い電磁波シールド性を実現できる(特許文献1)。
【0006】
一方、電磁波シールド材料内部での吸収による電磁波吸収技術は、材料の内部に導電性材料および/または磁性材料を含有させ、内部に進入した電磁波を誘導電流に変換することで電磁波の持つエネルギーを損失させるものであり、カーボン材料やフェライト等の金属材料をゴムなどの誘電体ポリマーに含有させることで吸収性能を発現させることができる(特許文献2~4)。また、インピーダンスの異なる層を重ね合わせることで、電磁波シールド材料の表裏で反射した電磁波同士を干渉・打消して損失させることもできる(特許文献5)。
【0007】
特に、吸収による電磁波シールド性は、誘電性(絶縁性)を示す基材と内部に含有する導電性材料の組合せ、基材厚み、導電性材料の処方(材料の種類、組合せ方、含有量)などで特性が変化するものであるが、導電性材料の基材内での配列状態も重要な要素である。例えば、導電性を向上するために一定方向に導電性材料を配列させて横並びに重ね合わさる態様をとることで、シールド材料全体の効果を高めることができるマクスウェル-ワグナー効果と呼ばれる知見もある(非特許文献1)。マクスウェル-ワグナー効果を利用した電磁波吸収材料として、低誘電体層と高誘電体層を交互に積層したフィルムが開示されている(特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特表2011-502285号公報
特開2003-158395号公報
特開2017-118073号公報
特開2019-057730号公報
特開2019-102665号公報
国際公開第2021/100566号
【非特許文献】
【0009】
Z.M.Dang,Prog.Matter.Sci.,2012,57,660-723
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載されているような電磁波シールド材料の表面での反射による導電反射技術を利用した電磁波シールド材料では、金属スパッタリングや真空蒸着、最表層へ導電性および/または磁性材料を含有するペースト材料をコーティングする技術が用いられるが、剥落による電子機器や通信機器の短絡が生じたり、耐久性や強度が低下したりする観点で課題が生じる場合がある。
(【0011】以降は省略されています)

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