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公開番号
2025033694
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023139600
出願日
2023-08-30
発明の名称
二軸配向積層フィルムの製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B32B
37/14 20060101AFI20250306BHJP(積層体)
要約
【課題】
長手方向の周期的な厚みムラに起因する品質の変動を抑え、ドライフィルムレジスト支持体用途やセラミックコンデンサー用途フィルムに好適な二軸配向積層フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】
固有粘度(IV)の異なる熱可塑性樹脂組成物A、Bからなる層をそれぞれA層、B層とし、前記熱可塑性樹脂組成物A、Bよりも粒子を多く含む熱可塑性樹脂組成物Cからなる層をC層としたときに、前記A層、前記B層、前記C層がこの順に積層された二軸配向積層フィルムの製造方法であって、未延伸の積層シートの前記A層側の表面を大気圧グロー放電処理する放電処理工程、ロールを用いて予熱及び長手方向への延伸を行う縦延伸工程、テンター装置により予熱及び幅方向への延伸を行う横延伸工程、及びフィルムを中間製品として巻き取る巻き取り工程をこの順に有し、かつ特定の要件を満たす、二軸配向積層フィルムの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
固有粘度(IV)の異なる熱可塑性樹脂組成物A、Bからなる層をそれぞれA層、B層とし、前記熱可塑性樹脂組成物A、Bよりも粒子を多く含む熱可塑性樹脂組成物Cからなる層をC層としたときに、前記A層、前記B層、前記C層がこの順に積層された二軸配向積層フィルムの製造方法であって、
未延伸の積層シートの前記A層側の表面を大気圧グロー放電処理する放電処理工程、ロールを用いて予熱及び長手方向への延伸を行う縦延伸工程、テンター装置により予熱及び幅方向への延伸を行う横延伸工程、及びフィルムを中間製品として巻き取る巻き取り工程をこの順に有し、かつ下記1)~3)を全て満たす、二軸配向積層フィルムの製造方法。
1) 前記熱可塑性樹脂組成物A、前記熱可塑性樹脂組成物BのIVをそれぞれIV(A)、IV(B)としたときに、下記式1及び2を満たす。
式1: 0.500< IV(A) <0.595
式2: 0.030<(IV(B)-IV(A))<0.150
2) 前記熱可塑性樹脂組成物Cにおける粒子の含有量が0.002質量%以上1.000質量%以下であり、前記粒子の体積平均粒子径が10nm以上400nm以下である。
3) 前記縦延伸工程において、長手方向への延伸を1区間のロール間延伸で行い、延伸倍率が3.0倍以上である。
続きを表示(約 390 文字)
【請求項2】
前記A層の厚みが1.0μm以上2.0μm以下であり、総厚みに占める前記A層の厚みが15%未満である、請求項1に記載の二軸配向積層フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記C層の厚みが0.5μm以上3.0μm以下である、請求項1又は2に記載の二軸配向積層フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記二軸配向積層フィルムの厚みが15μm以上39μm以下である、請求項1又は2に記載の二軸配向積層フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記中間製品の幅が2000mm以上である、請求項1又は2に記載の二軸配向積層フィルムの製造方法
【請求項6】
前記二軸配向積層フィルムが、ドライフィルムレジスト支持体用途又はセラミックコンデンサー用途に用いられる、請求項1又は2に記載の二軸配向積層フィルムの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二軸配向積層フィルムの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
フィルムに様々な光学特性を付与させる手法として、特性の異なる樹脂を積層させた積層フィルムとする手法が知られている。このような積層フィルムを製造する手法としては、優れた透過性と必要とされる光学特性を付与させるため、添加粒子を極限まで減らしつつ、特性の異なる樹脂を積層したシートを長手方向と幅方向の2方向に延伸して二軸配向積層フィルムとする手法が知られている。また、近年ではそれに加えて、結晶化が進む前の未延伸シートの表面に大気圧グロー放電を行い、シート表面の分子鎖を破壊した後に延伸を行うことで、フィルム表面に添加粒子に因らない微細な突起を作る手法も知られている。
【0003】
このような積層フィルムにおいては高度な品質の均一性が要求される。しかしながら、大気圧グロー放電処理を行った積層フィルムは、その後の加工によっては品質において周期的なムラがあることが分かってきた。
【0004】
粒子を含む未延伸シートの場合、延伸前の予熱の段階で粒子は未延伸シート中に埋もれたままで表面に現れていないため、表裏の添加粒子の径や量に差があったとしても、シートの表裏でロールへの接触状態にはそれほど差がみられない。しかしながら、片面に大気圧グロー放電処理を行ったシートの場合、処理によってシート片面の分子鎖が破壊されている事で、延伸前であってもシートの表裏においてロールへの接触状態に差が生じる。そのため、最終的に得られる積層フィルム品質において周期的な変動が発生することや、製膜性にも影響することが分かってきた。
【0005】
近年、特にドライフィルムレジストの支持体用フィルムには、高い平滑性と透過性が要求されており、また、セラミックコンデンサー用途のフィルムには高い平滑性が求められている。これらのことから、この大気圧グロー放電処理によるフィルム表面処理が行われてきており、実際、特許文献1や2には平滑面側に大気圧グロー放電処理を行う方法が開示されている。また、特許文献3に粒子の添加量が多い搬送面側に大気圧グロー放電処理を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-52031号公報
特開2022-52717号公報
特開2021-109441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1や2の方法ではグロー放電処理のために加工速度を低速にする必要があり、また、一定の幅以上のポリエステルフィルムを得ようとした場合、長手方向の周期的な厚みムラに起因する品質の変動が生じることがあった。また、特許文献3の方法においても同様の傾向があった。本発明は上記の課題を解決し、長手方向の周期的な厚みムラに起因する品質の変動を抑え、ドライフィルムレジスト支持体用途やセラミックコンデンサー用途フィルムに好適な二軸配向積層フィルムの製造方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、固有粘度(IV)の異なる熱可塑性樹脂組成物A、Bからなる層をそれぞれA層、B層とし、前記熱可塑性樹脂組成物A、Bよりも粒子を多く含む熱可塑性樹脂組成物Cからなる層をC層としたときに、前記A層、前記B層、前記C層がこの順に積層された二軸配向積層フィルムの製造方法であって、
未延伸の積層シートの前記A層側の表面を大気圧グロー放電処理する放電処理工程、ロールを用いて予熱及び長手方向への延伸を行う縦延伸工程、テンター装置により予熱及び幅方向への延伸を行う横延伸工程、及びフィルムを中間製品として巻き取る巻き取り工程をこの順に有し、かつ下記1)~3)を全て満たす、二軸配向積層フィルムの製造方法である。
1) 前記熱可塑性樹脂組成物A、前記熱可塑性樹脂組成物BのIVをそれぞれIV(A)、IV(B)としたときに、下記式1及び2を満たす。
式1: 0.500< IV(A) <0.595
式2: 0.030<(IV(B)-IV(A))<0.150
2) 前記熱可塑性樹脂組成物Cにおける粒子の含有量が0.002質量%以上1.000質量%以下であり、前記粒子の体積平均粒子径が10nm以上400nm以下である。
3) 前記縦延伸工程において、長手方向への延伸を1区間のロール間延伸で行い、延伸倍率が3.0倍以上である。
【0009】
また、本発明の二軸配向積層フィルムの製造方法は以下の態様とすることもできる。
(1) 固有粘度(IV)の異なる熱可塑性樹脂組成物A、Bからなる層をそれぞれA層、B層とし、前記熱可塑性樹脂組成物A、Bよりも粒子を多く含む熱可塑性樹脂組成物Cからなる層をC層としたときに、前記A層、前記B層、前記C層がこの順に積層された二軸配向積層フィルムの製造方法であって、未延伸の積層シートの前記A層側の表面を大気圧グロー放電処理する放電処理工程、ロールを用いて予熱及び長手方向への延伸を行う縦延伸工程、テンター装置により予熱及び幅方向への延伸を行う横延伸工程、及びフィルムを中間製品として巻き取る巻き取り工程をこの順に有し、かつ下記1)~3)を全て満たすことを特徴とする、二軸配向積層フィルムの製造方法。
1) 前記熱可塑性樹脂組成物A、前記熱可塑性樹脂組成物BのIVをそれぞれIV(A)、IV(B)としたときに、下記式1及び2を満たす。
式1: 0.500< IV(A) <0.595
式2: 0.030<(IV(B)-IV(A))<0.150
2) 前記熱可塑性樹脂組成物Cにおける粒子の含有量が0.002質量%以上1.000質量%以下であり、前記粒子の体積平均粒子径が10nm以上400nm以下である。
3) 前記縦延伸工程において、長手方向への延伸を1区間のロール間延伸で行い、延伸倍率が3.0倍以上である。
(2) 前記A層の厚みが1.0μm以上2.0μm以下であり、総厚みに占める前記A層の厚みが15%未満である、(1)に記載の二軸配向積層フィルムの製造方法。
(3) 前記C層の厚みが0.5μm以上3.0μm以下である、(1)又は(2)に記載の二軸配向積層フィルムの製造方法。
(4) 前記二軸配向積層フィルムの厚みが15μm以上39μm以下である、(1)~(3)のいずれかに記載の二軸配向積層フィルムの製造方法。
(5) 前記中間製品の幅が2000mm以上である、(1)~(4)のいずれかに記載の二軸配向積層フィルムの製造方法。
(6) 前記二軸配向積層フィルムが、ドライフィルムレジスト支持体用途又はセラミックコンデンサー用途に用いられる、(1)~(5)のいずれかに記載の二軸配向積層フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、長手方向の周期的な厚みムラに起因する品質の変動を抑えることが可能な二軸配向積層フィルムの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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