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公開番号2025042594
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-27
出願番号2024150514
出願日2024-09-02
発明の名称織物
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D03D 15/46 20210101AFI20250319BHJP(織成)
要約【課題】優れた波長選択透過機能を有し、かつ、高い光線反射性能により日よけシート自体が高温となりにくい日よけシートを得るのに好適に用いられる織物を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂を主成分として、可視光透過率から赤外線透過率を減じた値が35%以上であり、かつ、光線反射率が20%以下であるテープ状ヤーンAと、熱可塑性樹脂を主成分として、光線反射率が30%以上であるテープ状ヤーンBと、熱可塑性樹脂を主成分とするヤーンCから構成され、ヤーンCは、経糸および緯糸の一方を構成しており、テープ状ヤーンAおよびテープ状ヤーンBは、ともに経糸および緯糸の他方を構成しており、テープ状ヤーンAの織物面積に占める割合Aと、テープ状ヤーンBの織物面積に占める割合Bの比(割合A/割合B)が、0.30~3.00であり、割合Aと割合Bの合計が0.700以上であり、ヤーンCは、特定条件を満たす、織物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂を主成分として、
可視光透過率から赤外線透過率を減じた値が35%以上であり、かつ、
光線反射率が20%以下であるテープ状ヤーンAと、
熱可塑性樹脂を主成分として、
光線反射率が30%以上であるテープ状ヤーンBと、
熱可塑性樹脂を主成分とするヤーンCから構成され、
前記ヤーンCは、経糸および緯糸の一方を構成しており、
テープ状ヤーンAおよびテープ状ヤーンBは、ともに経糸および緯糸の他方を構成しており
前記テープ状ヤーンAの織物面積に占める割合Aと、前記テープ状ヤーンBの織物面積に占める割合Bの比(割合A/割合B) が、0.30~3.00であり
前記割合Aと前記割合Bの合計が0.700以上であり、
前記ヤーンCは、以下の(A)および(B)の条件の少なくとも何れか一方を満たすものであることを特徴とする織物。
(A)ヤーンCは、前記ヤーンCの前記テープ状ヤーンAと重なっている部位の面積の織物面積に占める割合Cが0.182以下である。
(B)ヤーンCの可視光透過率は、70%以上である
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記テープ状ヤーンAが、タングステン酸化物、インジウムドープ酸化スズ、および六ホウ化ランタンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の織物
【請求項3】
前記テープ状ヤーンBが、数平均粒径500~2500nmの酸化チタンを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の織物。
【請求項4】
前記テープ状ヤーンBの少なくとも一方の面が、白色または黄色ではない色であることを特徴とする請求項1または2に記載の織物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、織物に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
農業において、夏場の高温障害に起因する農作物の生育不良や品質低下による生産性低下の問題がある。園芸作物ハウス(以下、ハウスと称することがある)においてはハウス内の温度が高くなり作業者の日射病や熱中症となるリスクが、昨今の気候変動の影響による気温上昇により年々増加している。これら課題に対しては、日よけシートをハウスの外側に被覆して太陽光によるハウス内の温度の上昇を抑制することが従来から行われてきた。
【0003】
従来の日よけシートをハウスに被覆した場合、熱線となる赤外線が遮蔽されると同時に、農作物の成長に必要な可視光も遮断されてしまうトレードオフの関係がある。そこで可視光を選択的に透過し、赤外線を選択的に遮蔽するという波長選択透過機能を有する日よけシートが提案されている。
【0004】
特許文献1には、日よけシートとして、赤外線遮蔽機能を有するタングステン酸化物微粒子を含有するテープ状ヤーンを経糸もくしは緯糸の少なくとも一方に用い、テープ状ヤーンの総露出面積が織物の単位面積に占める割合が50%以上となる織物が記載されている。このシートは、広い波長域の赤外線を遮蔽することができるが、主な赤外線遮蔽メカニズムが赤外線の吸収であるため、日よけシート自体が高温となり、暑熱環境下で展張する作業者に対し熱的負荷が大きくなる課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-59582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
優れた波長選択透過機能を有し、かつ、高い光線反射性能により日よけシート自体が高温となりにくい日よけシートの開発が求められている。なお、本発明では日よけシートの光線反射性能は、380~2500nmの波長範囲の反射率の算術平均値である光線反射率にて評価をすることができ、この光線反射率が高いほど光線反射性能はより優れたものとなる。また、本発明の遮熱性能は、日射熱取得率で表す。詳細は後述するが、日射熱取得率とは、日よけシートの内側に取り込む太陽エネルギーの割合のことであり、日よけシートを透過するエネルギーと、日よけシートに吸収され、内側に放出されるエネルギーの合計となる。よって、日よけシートを透過するエネルギー(本発明では日射透過率とする)を小さくすることや、日よけシートに吸収されるエネルギー(本発明では、日射吸収率とする)を小さくすることで、日射熱取得率を小さく、すなわち遮熱性能を高めることができる。
【0007】
上述の通り、可視光透過率と日射熱取得率はトレードオフの関係にあるため、例えば、同等の日射熱取得率である2枚の日よけシートがあり、可視光透過率に差異がある場合、可視光透過率が高い日よけシートの方が波長選択透過機能に優れると言うことができる。
【0008】
また、日よけシート自体が高温となるのを抑制するためには、日よけシートに吸収されるエネルギーの量を少なくすること、すなわち日射吸収率を小さくすることが重要である。
【0009】
そこで、本発明はかかる課題に鑑み、優れた波長選択透過機能を有し、かつ、高い光線反射性能により日よけシート自体が高温となりにくい日よけシートを得るのに好適に用いられる織物を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための、本発明の織物は次のようなものである。
すなわち、
(1)熱可塑性樹脂を主成分として、
可視光透過率から赤外線透過率を減じた値が35%以上であり、かつ、
光線反射率が20%以下であるテープ状ヤーンAと"
熱可塑性樹脂を主成分として、
光線反射率が30%以上であるテープ状ヤーンBと
熱可塑性樹脂を主成分とするヤーンCから構成され、
前記ヤーンCは、経糸および緯糸の一方を構成しており、
テープ状ヤーンAおよびテープ状ヤーンBは、ともに経糸および緯糸の他方を構成しており
前記テープ状ヤーンAの織物面積に占める割合Aと、前記テープ状ヤーンBの織物面積に占める割合Bの比(割合A/割合B) が、0.3~3.0であり
前記割合Aと前記割合Bの合計が0.700以上であり、
前記ヤーンCは、以下の(A)および(B)の条件の少なくとも何れか一方を満たすものであることを特徴とする織物であり、
(A)前記ヤーンCの前記テープ状ヤーンAと重なっている部位の面積の織物面積に占める割合Cが0.182以下である
(B)ヤーンCの可視光透過率は、70%以上である
また、(2)前記テープ状ヤーンAが、タングステン酸化物、インジウムドープ酸化スズ、および六ホウ化ランタンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいることを特徴とする(1)に記載の織物であることが好ましく、
また、(3)前記テープ状ヤーンBが、数平均粒径500~2500nmの酸化チタンを含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の織物であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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