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公開番号2024176575
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023095247
出願日2023-06-09
発明の名称基材の検査装置、基材の検査方法および被膜除去装置
出願人東レ株式会社
代理人
主分類G01B 11/08 20060101AFI20241212BHJP(測定;試験)
要約【課題】
非水溶性の樹脂からなる基材の表面に水溶性の樹脂が存在するか否かを効率よく、正確に検査することができる基材の検査装置を提供する。
【解決手段】
本発明の基材の検査装置は、非水溶性の樹脂からなる基材の被検査対象の表面に水溶性の樹脂が存在するかどうかを検査する装置であって、上記被検査対象の表面に対して水滴を付与する水滴付与部と、上記水滴が付与された上記被検査対象の表面を計測する計測部と、上記計測部の計測結果に基づいて、上記被検査対象の表面に上記水溶性の樹脂が存在すかどうかを判定する判定部と、を備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
非水溶性の樹脂からなる基材の被検査対象の表面に水溶性の樹脂が存在するかどうかを検査する装置であって、
前記被検査対象の表面に対して水滴を付与する水滴付与部と、
前記水滴が付与された前記被検査対象の表面を計測する計測部と、
前記計測部の計測結果に基づいて、前記被検査対象の表面に前記水溶性の樹脂が存在するかどうかを判定する判定部と、
を備えた、基材の検査装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記計測部が、前記被検査対象の表面を面直上から観察した画像を取得する処理と、当該画像から前記被検査対象の表面に付着している水滴の平均径を算出する処理を行い、
前記判定部が、前記水滴の平均径に基づいて前記被検査対象の表面に前記水溶性の樹脂が存在するかどうかを判定する処理を行う、
請求項1の基材の検査装置。
【請求項3】
前記計測部が、前記被検査対象の表面を面直上から観察した画像を取得する処理と、当該画像から前記被検査対象の表面に付着している水滴の真円度を算出する処理を行い、
前記判定部が、前記水滴の真円度に基づいて前記被検査対象の表面に前記水溶性の樹脂が存在するかどうかを判定する処理を行う、
請求項1の基材の検査装置。
【請求項4】
前記計測部が、前記被検査対象の表面のヘイズ値を測定し、
前記判定部が、前記ヘイズ値に基づいて前記被検査対象の表面に前記水溶性の樹脂が存在するかどうかを判定する処理を行う、
請求項1の基材の検査装置。
【請求項5】
前記計測部が、
前記水滴が付与される前の前記被検査対象の表面も計測するものであり、
前記水滴が付与される前の前記被検査対象の表面の第一のヘイズ値を測定し、
前記水滴が付与された前記被検査対象の表面の第二のヘイズ値を測定し、
前記判定部が、前記第一のヘイズ値と前記第二のヘイズ値に基づいて前記被検査対象の表面に前記水溶性の樹脂が存在するかどうかを判定する処理を行う、
請求項1の基材の検査装置。
【請求項6】
前記水滴が付与される前の前記被検査対象の表面を計測する初期状態計測部を備え、
前記初期状態計測部が、前記水滴が付与される前の前記被検査対象の表面の第一のヘイズ値を測定し、
前記計測部が、前記水滴が付与された前記被検査対象の表面の第二のヘイズ値を測定し、
前記判定部が、前記第一のヘイズ値と前記第二のヘイズ値に基づいて前記被検査対象の表面に前記水溶性の樹脂が存在するかどうかを判定する処理を行う、
請求項1の基材の検査装置。
【請求項7】
前記判定部が、前記第一のヘイズ値と前記第二のヘイズ値の差分値または比を算出する処理と、当該差分値または当該比に基づいて前記被検査対象の表面に前記水溶性の樹脂が存在するかどうかを判定する処理を行う、
請求項5または6の基材の検査装置。
【請求項8】
前記水滴付与部が、平均粒径が1~500μmの範囲内の水滴を付与する、請求項1の基材の検査装置。
【請求項9】
前記水滴付与部が、粒径の変動係数が0.005~0.050の範囲内で水滴を付与する、請求項8の基材の検査装置。
【請求項10】
非水溶性の樹脂からなる基材の少なくとも片面に水溶性の樹脂を含む被膜を有する被膜付きフィルムから当該被膜を取り除く装置であって、
前記被膜付きフィルムを搬送する搬送機構と、
前記被膜付きフィルムから前記被膜を取り除く被膜除去機構と、
前記被膜除去機構よりも搬送方向の下流側に、前記基材に前記水溶性の樹脂を含む被膜が残っているかどうかを検査する検査機構と、を備え、
前記検査機構に請求項1の基材の検査装置を用いる、
被膜除去装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査対象である非水溶性の樹脂からなる基材の表面に水溶性の樹脂が存在するか否かを効率よく、正確に検査することが可能な検査装置および検査方法、ならびに上記検査装置を有する被膜除去装置に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックの廃棄物増大が環境問題になっており、プラスチックの再利用に向けた取り組みが活発化している。プラスチックは様々な形態にて使用されているが、これらプラスチックを再利用する方法の一つに、マテリアルリサイクルがある。マテリアルリサイクルでは、プラスチック廃棄物を樹脂種別に分別し、それぞれの樹脂を再溶融させて新たな形態へ成型して用いられるのが一般的である。
【0003】
樹脂別に分別する工程を容易にする目的で、製品として使用する間は複数の種類の樹脂の複合体として機能し、使用後には複合化された各樹脂成分を分離できる樹脂複合体が知られている。
【0004】
上記樹脂複合体では、例えば構成する樹脂の一部を水溶性樹脂とし、基材、水溶性樹脂、その他の機能樹脂をこの順番で積層し、使用後に水に浸漬して水溶性樹脂を溶解除去することにより基材と機能樹脂を分離し、別々に回収するといった分別方法がある。
【0005】
上記分別方法において、基材と機能樹脂を確実に分離できたかどうかを検査する手法としては、たとえば基材と機能樹脂の分離処理を施した後の基材側の表面について化学構造解析を実施し、機能樹脂由来の成分が検出されるか否かといった観点で判別する方法があり、例えば特許文献1では、赤外分光法を用いた方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-187869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている検査方法は、検査精度を高めるために検査対象を集めた後に高濃度な状態で測定する必要があり、表面の水溶性樹脂の厚みが薄い場合には検出ができなかったり、検出できたとしても正確性が損なわれたりするという問題がある。
【0008】
また、測定視野が小さいため、被検査対象の表面全体の検査を迅速に実施することが容易ではなく、非効率的であるという問題もある。
【0009】
そこで本発明では、被検査対象の表面に水溶性の樹脂が存在するか否かを効率よく、正確に検査することが可能な検査装置および検査方法、ならびに上記検査装置を有する被膜除去装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1]上記課題を解決する本発明の基材の検査装置は、非水溶性の樹脂からなる基材の被検査対象の表面に水溶性の樹脂が存在するかどうかを検査する装置であって、
上記被検査対象の表面に対して水滴を付与する水滴付与部と、
上記水滴が付与された上記被検査対象の表面を計測する計測部と、
上記計測部の計測結果に基づいて、上記被検査対象の表面に上記水溶性の樹脂が存在するかどうかを判定する判定部と、を備えている。
(【0011】以降は省略されています)

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