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公開番号
2024173758
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2024085285
出願日
2024-05-27
発明の名称
被膜除去装置および被膜除去方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B29B
17/02 20060101AFI20241205BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約
【課題】
基材フィルムの少なくとも片面に水溶性樹脂を含む被膜を有する被膜付きフィルムの表面から、ごく少量の溶媒を用いて効率的に被膜を除去できる被膜除去方法を提供する。-
【解決手段】
本発明の被膜除去方法は、基材フィルムの少なくとも片面に水溶性樹脂を含む被膜を有する被膜付きフィルムから当該被膜を取り除く方法であって、筐体中で、被膜付きフィルムの被膜の表面に水を主成分とする洗浄液を付与した後に、被膜付きフィルムから洗浄液を含んだ被膜を取り除く。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基材フィルムの少なくとも片面に水溶性樹脂を含む被膜を有する被膜付きフィルムから当該被膜を取り除く装置であって、
搬送される前記被膜付きフィルムが入ってくる入口と前記被膜の一部または全部が取り除かれた前記基材フィルムが出て行く出口を有する筐体と、
前記筐体中に配置され、前記被膜付きフィルムの前記被膜の表面に水を主成分とする洗浄液を付与する洗浄液付与機構と、
前記筐体中に前記洗浄液付与機構よりも前記被膜付きフィルムの搬送方向下流側に配置され、前記洗浄液が前記被膜の表面に付与された前記被膜付きフィルムから、洗浄液を含んだ被膜を取り除く除去機構と、
を備えた、被膜除去装置。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
基材フィルムの片面のみに水溶性樹脂を含む被膜を有する被膜付きフィルムから当該被膜を取り除く装置であって、
前記筐体が、前記被膜付きフィルムに対して前記被膜を有する面側とは反対側から見て、前記被膜付きフィルムの少なくとも一部を覆っていない、請求項1の被膜除去装置。
【請求項3】
前記筐体が、前記入口に当該入口に入ってくる前記被膜付きフィルムに接するシール機構と、前記出口に当該出口から出ていく前記基材フィルムに接するシール機構と、を有する、請求項1の被膜除去装置。
【請求項4】
前記洗浄液付与機構が前記被膜付きフィルムに前記洗浄液を付与する位置から前記除去機構が前記被膜付きフィルムに接触する位置までの、前記被膜付きフィルムの搬送距離が100mm以上2000mm以下である、請求項1~3のいずれかの被膜除去装置。
【請求項5】
基材フィルムの少なくとも片面に水溶性樹脂を含む被膜を有する被膜付きフィルムから当該被膜を取り除く方法であって、
搬送されている前記被膜付きフィルムが入ってくる入口と前記被膜の一部または全部が取り除かれた前記基材フィルムが出て行く出口を有する筐体中で、
前記被膜付きフィルムの前記被膜の表面に水を主成分とする洗浄液を付与した後に、前記被膜付きフィルムから前記洗浄液を含んだ前記被膜を取り除く、
被膜除去方法。
【請求項6】
基材フィルムの片面のみに水溶性樹脂を含む被膜を有する被膜付きフィルムから当該被膜を取り除く方法であって、
前記筐体が、前記被膜付きフィルムに対して前記被膜を有する面側とは反対側から見て、前記被膜付きフィルムの少なくとも一部を覆っていない、請求項5の被膜除去方法。
【請求項7】
前記洗浄液を付与してから前記被膜を取り除くまでの前記被膜付きフィルムの搬送距離が100mm以上2000mm以下である、請求項5または6の被膜除去方法。
【請求項8】
前記洗浄液を付与してから前記被膜を取り除くまでの時間が0.5秒以上100秒以下である、請求項5または6の被膜除去方法。
【請求項9】
前記被膜が硬化型シリコーン樹脂を含む、請求項5または6の被膜除去方法。
【請求項10】
前記洗浄液を含む被膜の複素粘性率が500Pa・s以上5000Pa・s以下の状態で前記被膜を取り除く、請求項5または6の被膜除去方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂フィルムの表面の被膜を効率よく除去することが可能な除去方法および除去装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
プラスチックは様々な分野に利用されている一方、マイクロプラスチックなど海洋汚染の原因物とされ、プラスチックによる環境負荷低減が急務となっている。
【0003】
また近年、IoT(Internet of Things)の進化により、コンピュータやスマートフォンに搭載されるCPUなどの電子デバイスが増加し、それに伴い、電子デバイスを駆動するために必要な積層セラミックコンデンサー(MLCC)の数も急激に増加している。このMLCCの一般的な製造方法は、プラスチックの基材フィルム上に離型層を形成した離型フィルムをキャリアシートとして使用し、該離型フィルム上にセラミックグリーンシート層を形成する工程と、該セラミックグリーンシート層を剥離してセラミックグリーンシートとする工程がある。この工程において、セラミックシートが剥離された離型フィルムは不要物として廃棄されることとなる。
【0004】
すなわち、近年のMLCC製造数量の急激な増加に伴う離型フィルムの廃棄物としての増大が環境問題になっており、基材フィルムの再利用に向けた取り組みが活発化してきている。離型フィルムに含まれる離型層の成分は、離型性の観点から、一般的には基材フィルムを構成する成分とは異なる組成であるため、離型層が付いた離型フィルムをそのまま再溶融して再生フィルムを製膜した場合、離型層の成分が異物として存在するため、安定製膜をすることができない。
【0005】
特許文献1では、離型フィルムから離型成分を除去する方法として、基材フィルムと離型層との間に水溶性樹脂層を形成した離型フィルムを使用して、温水槽に2秒以上浸漬させた後に、離型フィルム表面をブラシロールで擦過させることで離型層を除去する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2004-363140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている被膜除去の方法は、温水槽内に水溶性樹脂層が溶出するため、処理時間の経過とともに温水中の樹脂濃度が上昇して、初期の除去能力を継続して発現することができないという問題がある。樹脂濃度の上昇を抑制するために、水の供給量を増大する手法を採用した場合でも、水の供給量とともに廃水量も増大するため、洗浄コストが大幅に高くなるだけでなく、環境負荷が著しく大きくなる、という問題がある。
【0008】
そこで本発明は、使用後の被膜付きフィルムから再溶融しても安定して再生フィルムが製膜できる基材フィルムを得るために、基材フィルムの少なくとも片面に水溶性樹脂を含む被膜を有する被膜付きフィルムの表面から、ごく少量の溶媒を用いて水溶性樹脂を溶解し、効率的に被膜を取り除ける被膜除去方法、および被膜除去装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1] 上記課題を解決する本発明の被膜除去方法は、基材フィルムの少なくとも片面に水溶性樹脂を含む被膜を有する被膜付きフィルムから当該被膜を取り除く方法であって、
搬送されている上記被膜付きフィルムが入ってくる入口と上記被膜の一部または全部が取り除かれた上記基材フィルムが出て行く出口を有する筐体中で、
上記被膜付きフィルムの上記被膜の表面に水を主成分とする洗浄液を付与した後に、上記被膜付きフィルムから上記洗浄液を含んだ上記被膜を取り除く。
【0010】
また、本発明の被膜除去方法は、以下の[2]~[6]のいずれかであることが好ましい。
[2] 基材フィルムの片面のみに水溶性樹脂を含む被膜を有する被膜付きフィルムから当該被膜を取り除く方法であって、
上記筐体が、上記被膜付きフィルムに対して上記被膜を有する面側とは反対側から見て、上記被膜付きフィルムの少なくとも一部を覆っていない、上記[1]の被膜除去方法。
[3] 上記洗浄液を付与してから上記被膜を取り除くまでの上記被膜付きフィルムの搬送距離が100mm以上2000mm以下である、上記[1]または[2]の被膜除去方法。
[4] 上記洗浄液を付与してから上記被膜を取り除くまでの時間が0.5秒以上100秒以下である、上記[1]~[3]のいずれかの被膜除去方法。
[5] 上記被膜が硬化型シリコーン樹脂を含む、上記[1]~[4]のいずれかの被膜除去方法。
[6] 上記洗浄液を含む被膜の複素粘性率が500Pa・s以上5000Pa・s以下の状態で上記被膜を取り除く、上記[1]~[5]のいずれかの被膜除去方法。
(【0011】以降は省略されています)
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