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公開番号2024168936
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023086009
出願日2023-05-25
発明の名称液晶ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08L 67/00 20060101AFI20241128BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】薄肉な成形部品でもバリが少なく成形可能であり、かつ低異方性である成形部品を得ることが可能な液晶ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供すること。
【解決手段】液晶ポリエステル樹脂(A)と、液晶ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、ミルドファイバー(B)1~100重量部を含む液晶ポリエステル樹脂組成物であって、液晶ポリエステル樹脂(A)が下記構造単位(I)~(VI)を含む液晶ポリエステル樹脂であって、下記式(a)~(e)を満たし、ミルドファイバー(B)の液晶ポリエステル樹脂組成物中での平均繊維長が1~100μmである、液晶ポリエステル樹脂組成物。
1≦[I]≦20 ・・・(a)
2≦[II]+[III]≦35 ・・・(c)
25≦[IV]≦75 ・・・(b)
2≦[V]≦35 ・・・(d)
0.01≦[VI]≦10 ・・・(e)
([I]~[VI]は、液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対する、下記各構造単位(I)~(VI)の含有量(モル%)を示す。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
液晶ポリエステル樹脂(A)と、液晶ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、ミルドファイバー(B)1~100重量部を含む液晶ポリエステル樹脂組成物であって、液晶ポリエステル樹脂(A)が下記構造単位(I)~(VI)を含む液晶ポリエステル樹脂であって、下記式(a)~(e)を満たし、ミルドファイバー(B)の液晶ポリエステル樹脂組成物中での平均繊維長が1~100μmである、液晶ポリエステル樹脂組成物。
1≦[I]≦20 ・・・(a)
2≦[II]+[III]≦35 ・・・(c)
25≦[IV]≦75 ・・・(b)
2≦[V]≦35 ・・・(d)
0.01≦[VI]≦10 ・・・(e)
([I]~[VI]は、液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対する、下記各構造単位(I)~(VI)の含有量(モル%)を示す。)
TIFF
2024168936000008.tif
217
146
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記[V]および[VI]が、下記式(f)を満足する、請求項1に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
0.003≦([VI]/[V])≦0.15・・・(f)
【請求項3】
前記ミルドファイバー(B)の累積繊維長分布曲線より得られる累積度85%繊維長(D85)と累積度15%繊維長(D15)の比(D85/D15)が2.0~4.0であることを特徴とする、請求項1に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物からなる成形品。
【請求項5】
成形品が、コネクタ、コイルボビン、カメラモジュールのレンズ保持部品およびカメラモジュールのアクチュエータ部品からなる群から選択されるいずれかである請求項4に記載の成形品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。より詳しくは、液晶ポリエステル樹脂組成物、ならびにそれを用いて得られる成形品に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
液晶ポリエステル樹脂は、耐熱性、流動性および寸法安定性に優れるため、それらの特性が要求される電気・電子部品に用いられている。このような電気・電子部品は、近年の機器の小型化や軽量化に伴い、形状の薄肉化と複雑化が進んでいる。特に、薄肉かつ複雑な成形部品は、高剛性が求められており、多種多様な充填材を含有する液晶ポリエステル樹脂組成物が提案されているが、一般的な繊維状充填材は、成形品表面の平滑性が悪化することや充填材の配向に伴い成形収縮が発生する。そこで、成形収縮や成形品表面の平滑性の改良のために、無機充填材を配合し、曲げ弾性率を規定した液晶ポリエステル樹脂組成物(例えば、特許文献1)、重量平均繊維長を規定した繊維状充填材を配合してなる液晶ポリエステル樹脂組成物(例えば、特許文献2)、繊維状充填材を配合し、曲げ弾性率を規定した液晶ポリエステル樹脂組成物(例えば、特許文献3)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-104527号公報
特開2018-104506号公報
特表2016-523291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1~3に示された発明では、精密コネクタなどの薄肉な成形部品を成形するために、各樹脂の推奨条件以上の高温で射出成形すると、金型の合わせ面の隙間や突き出しピンなどの隙間から樹脂が溢れる現象、いわゆるバリが生じることにより、不良品が生じ生産性が低下する課題があった。また、液晶ポリエステル樹脂は剛直で折れ曲がりにくい分子構造を持つため、分子の絡み合いが少ないことにより、僅かな剪断応力によりMD方向(流れ方向)に配向し、MD/TD(流れ方向/直角方向)の強度差が生じることから、異方性が大きいという課題もあった。
本発明の課題は、薄肉な成形部品でもバリが少なく成形可能であり、かつ低異方性である、液晶ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の構造単位を有する液晶ポリエステル樹脂に対して、特定の平均繊維長を有するミルドファイバーを含む、液晶ポリエステル樹脂組成物により、上記した課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、以下の構成を有する。
(1)液晶ポリエステル樹脂(A)および、液晶ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、ミルドファイバー(B)1~100重量部を含む液晶ポリエステル樹脂組成物であって、液晶ポリエステル樹脂(A)が下記構造単位(I)~(VI)を含む液晶ポリエステル樹脂であって、下記式(a)~(e)を満たし、ミルドファイバー(B)の液晶ポリエステル樹脂組成物中での平均繊維長が1~100μmである、液晶ポリエステル樹脂組成物。
1≦[I]≦20 ・・・(a)
2≦[II]+[III]≦35 ・・・(c)
25≦[IV]≦75 ・・・(b)
2≦[V]≦35 ・・・(d)
0.01≦[VI]≦10 ・・・(e)
([I]~[VI]は、液晶ポリエステル樹脂(A)の全構造単位100モル%に対する、下記各構造単位(I)~(VI)の含有量(モル%)を示す。)
【0006】
TIFF
2024168936000001.tif
217
151
【0007】
(2)前記[V]および[VI]が、下記式(f)を満足する、(1)に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
0.003≦([VI]/[V])≦0.15・・・(f)
(3)前記ミルドファイバー(B)の累積繊維長分布曲線より得られる累積度85%繊維長(D85)と累積度15%繊維長(D15)の比(D85/D15)が2.0~4.0であることを特徴とする(1)または(2)に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
(4)(1)~(3)のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物からなる成形品。
(5)成形品が、コネクタ、コイルボビン、カメラモジュールのレンズ保持部品およびカメラモジュールのアクチュエータ部品からなる群から選択されるいずれかである(4)に記載の成形品。
【発明の効果】
【0008】
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、薄肉な成形部品でもバリが少なく成形可能であり、かつ低異方性である成形部品を得ることができる。特に、小型の電気・電子部品用途などを成形する際に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ミルドファイバー(B)の累積繊維長分布曲線の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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