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公開番号2024175669
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-18
出願番号2024088577
出願日2024-05-31
発明の名称スパイラル分離膜エレメント
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B01D 63/10 20060101AFI20241211BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】スパイラル分離膜エレメントを運転したときの供給側流路の流動抵抗やファウリングを低減しながら、供給側流路材の飛び出しやテレスコーピングを抑制できる分離膜エレメントを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のスパイラル分離膜エレメントは、集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備え、前記スパイラル分離膜エレメントの集水管の軸方向に対して垂直な断面において、集水管の中心と任意の外周を結ぶ直線上に位置する前記分離膜と前記供給側流路材によって形成される供給側流路Fについて、外周側と内周側の供給側流路の高さが外周側と内周側の間の中央部の流路高さより大きいことを特徴とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備えるスパイラル分離膜エレメントであって、
前記スパイラル分離膜エレメントの集水管の軸方向に対して垂直な断面において、前記集水管の中心と任意の外周を結ぶ直線上に位置する前記分離膜と前記供給側流路材によって形成される供給側流路Fについて、外周側と内周側の供給側流路の高さが外周側と内周側の間の中央部の流路高さより大きいことを特徴とするスパイラル分離膜エレメント。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記スパイラル分離膜エレメントの外径が4インチ以上であることを特徴とする請求項1に記載のスパイラル分離膜エレメント。
【請求項3】
前記供給側流路Fについて、外周側の供給側流路高さD

と内周側の供給側流路高さD

に対して外周側と内周側の間の中央部の供給側流路高さD

の比D

/D

、D

/D

がそれぞれ0.750以上0.950以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のスパイラル分離膜エレメント。
【請求項4】
請求項1または2に記載されるスパイラル分離膜エレメントを用いた流体分離装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、不純物を含む種々の液体から不純物を分離するため、特に海水の淡水化、かん水の脱塩、超純水の製造または排水処理などに用いるためのスパイラル分離膜エレメントに関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
海水およびかん水などに含まれるイオン性物質を除くための技術においては、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして、分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントによる分離法に使用される分離膜は、その孔径や分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜および正浸透膜に分類される。これらの膜は、例えば海水、かん水および有害物を含んだ水などからの飲料水の製造、工業用超純水の製造、並びに排水処理および有価物の回収などに用いられており、目的とする分離成分及び分離性能によって使い分けられている。
【0003】
分離膜エレメントとしては様々な形態があるが、分離膜の一方の面に原水を供給し、他方の面から透過流体を得る点では共通している。分離膜エレメントは、束ねられた多数の分離膜を備えることで、1個の分離膜エレメントあたりの膜面積が大きくなるように、つまり1個の分離膜エレメントあたりに得られる透過流体の量が大きくなるように形成されている。分離膜エレメントとしては、用途や目的にあわせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、平膜集積型などの各種の形状が提案されている。
【0004】
例えば、逆浸透ろ過には、スパイラル分離膜エレメントが広く用いられる。スパイラル分離膜エレメントは、集水管と、集水管の周囲に巻き付けられた分離膜ユニットとを備える。分離膜ユニットは、供給水としての原水(つまり被処理水)を分離膜表面へ供給する供給側流路材、原水に含まれる成分を分離する分離膜、及び分離膜を透過し供給側流体から分離された透過流体を集水管へと導くための透過側流路材が積層されることで形成される。スパイラル分離膜エレメントは、原水に圧力を付与することができるので、透過流体を多く取り出すことができる点で好ましく用いられている。
【0005】
分離膜エレメントを用いて供給水を処理する際に、供給水中の汚れ物質(ファウラント)が膜面や供給側流路材に付着し、膜面閉塞や圧力損失の増大を引き起こし、分離膜エレメントの性能を低下させる。圧力損失が増大すると、分離膜エレメントの入り口側と出口側で圧力差が生まれ、巻回体の巻きズレ(テレスコーピング)や供給側流路材の飛び出しやズレが生じることがある。テレスコーピングや供給側流路材のズレが生じると、供給側流路材と膜が擦れて性能低下の原因となったり、外観不良の原因となったりする場合がある。そこで、テレスコーピングを防止するための巻回シートや接着剤の硬度を上げることによる供給側流路材の飛び出し抑制が提案されている。
【0006】
具体的には、特許文献1では、巻回体の軸方向中央付近から両端側に広がるように略対称に単数又は複数のシートを巻回させることでテレスコーピングを低減させた分離膜エレメントが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2004-322016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記した分離膜エレメントは、分離膜エレメント全体の供給側流路高さが最適化されておらず、分離膜エレメントの性能を十分に発揮できていない場合があった。また、汚れ物質が多く含まれる供給水では、分離膜エレメントに大きな差圧が付いて供給側流路材がズレて飛び出してしまったり、テレスコーピングが生じる場合があった。そこで、本発明は、分離膜エレメントの構造を制御することで、流動抵抗を低減し、ファウリングを抑制しながら、供給側流路材の飛び出しやテレスコーピングを防止できる分離膜エレメントを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明およびその好ましい態様は、以下の構成からなる。
(1)少なくとも集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備えるスパイラル分離膜エレメントであって、前記スパイラル分離膜エレメントの集水管の軸方向に対して垂直な断面において、前記集水管の中心と任意の外周を結ぶ直線上に位置する前記分離膜と前記供給側流路材によって形成される供給側流路Fについて、外周側と内周側の供給側流路の高さが外周側と内周側の間の中央部の流路高さより大きいことを特徴とするスパイラル分離膜エレメント。
(2)前記スパイラル分離膜エレメントの外径が4インチ以上であることを特徴とする上記(1)に記載のスパイラル分離膜エレメント。
(3)前記供給側流路Fについて、外周側の供給側流路高さD

と内周側の供給側流路高さD

に対して外周側と内周側の間の中央部の供給側流路高さD

の比D

/D

、D

/D

がそれぞれ0.750以上0.950以下であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のスパイラル分離膜エレメント。
(4)上記(1)~(3)のいずれか1項に記載される分離膜を用いた流体分離装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によって、長期間エレメントを運転しても、エレメント構造が崩れにくく、安定した透水性や脱塩率といった分離性能を発現することができる分離膜エレメントを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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