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公開番号2024169844
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-06
出願番号2023086642
出願日2023-05-26
発明の名称おむつ、およびおむつの製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類A61F 13/514 20060101AFI20241129BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】 表面タッチとフィット性に優れ、かつ、動作追従性に優れるおむつを提供すること。
【解決手段】 トップシート、吸収体、およびバックシートを有してなるおむつであり、前記バックシートが胴周り部および脚周り部のパーツから構成されてなり、前記胴周り部および前記脚周り部は、その少なくとも一方が
(1)面積率で30%以上が、捲縮繊維から構成されエラストマーを有する不織布から構成されていること、および
(2)無荷重時の厚みに対して、30%伸長時の厚み変化率が20.0%以下であること
を満足し、一方のパーツをパーツAと呼び、他方をパーツBと呼ぶとき、前記パーツAを前記おむつにおける上下方向へ50%伸長したときの伸長荷重が、前記パーツBを前記おむつにおける上下方向へ50%伸長したときの伸長荷重の0.90倍以下である、おむつ。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
トップシート、吸収体、およびバックシートを有してなるおむつであり、前記バックシートが胴周り部および脚周り部から構成されてなり、前記胴周り部および前記脚周り部は、その少なくとも一方が
(1)面積率で30%以上が、捲縮繊維から構成されエラストマーを有する不織布から構成されていること、および
(2)無荷重時の厚みに対して、30%伸長時の厚み変化率が20.0%以下であること
を満足し、前記胴周り部および前記脚周り部のうち、一方のパーツのみが上記(1)および(2)を満足する場合には当該パーツをパーツA、他方をパーツBと呼び、また前記胴周り部および前記脚周り部のいずれもが上記(1)および(2)を満足する場合にはおむつにおける上下方向へ50%伸長したときの伸長荷重が低い方のパーツをパーツA、他方をパーツBと呼ぶとき、前記パーツAを前記おむつにおける上下方向へ50%伸長したときの伸長荷重が、前記パーツBを前記おむつにおける上下方向へ50%伸長したときの伸長荷重の0.90倍以下である、おむつ。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記パーツBが、
面積率で30%以上が捲縮繊維から構成されエラストマーを有る不織布から構成されていること、および
無荷重時の厚みに対して、30%伸長時の厚み変化率が20.0%以下であること
を満足する、請求項1に記載のおむつ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のおむつを製造する方法であって、
前記おむつの製造方法は、
バックシートを製造する、バックシート製造工程と、
前記バックシートに吸収体およびトップシートを積層させる、積層工程と、
を含み、
前記バックシート製造工程は、
捲縮発現型複合繊維を捕集ベルト上に捕集してスパンボンド不織布層を形成し、その上に少なくとも1層のエラストマー層を積層させた後に一体化させて積層不織布を得る、製布工程と、
前記製布工程で得た積層不織布の少なくとも一部を、ギア付きのローラーで少なくとも1方向に延伸加工する、延伸工程と、
延伸加工した前記積層不織布を前記パーツAのシートとして、前記パーツAのシートの一部と前記パーツBのシートの一部とが重なるようにして貼り合わせる、貼り合わせ工程と、
を含む、
おむつの製造方法。
【請求項4】
前記延伸工程における延伸方向が前記おむつの左右方向となるように、延伸加工した前記積層不織布を前記胴周り部のシートとする、請求項3に記載のおむつの製造方法。
【請求項5】
前記延伸工程における延伸方向が前記おむつの上下方向となるように、延伸加工した前記積層不織布を前記脚周り部のシートとする、請求項3に記載のおむつの製造方法。
【請求項6】
前記延伸工程における延伸方向が前記おむつの左右方向となるように、延伸加工した前記積層不織布を前記胴周り部のシートとする、請求項5に記載のおむつの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、おむつ、およびおむつの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
紙おむつにおいて、胴周り部および脚周り部は伸縮できるような構造を有しており、排泄物のもれやおむつのずれを防止する役割を担っている。一般的にこれらの伸縮部位には、引き延ばした弾性糸を不織布素材に貼り付け、弾性糸の長さが戻ることで不織布素材がひだ状のいわゆるギャザーを形成した素材が用いられてきた。しかしながら、排泄物のもれ防止のために着用時にギャザー状の不織布を押しつぶす必要があるため、弾性糸で体を強く締め付けざるを得ないことに加え、ギャザーによる高い厚みのために柔軟性が低いものであった。
【0003】
近年、紙おむつ等の衛生材料においては着用快適性向上への要求が高まっており、上記課題を鑑み、伸縮部位の素材改良が盛んに検討されている。伸縮部位には、伸縮性および好適な通気性といった基本的な特性に加え、凹凸のある体の形状に素材がフィットできるように、厚みが薄く、柔軟性に優れる素材が求められている。また、触感も快適性に影響するため、伸縮部位の肌に触れる素材には、表面タッチに優れることが求められる。
【0004】
さらに、着用者の動作時におむつが突っ張らないことも重要な設計の一つである。特にかがむ・立ち上がるといった動作では、着用者の皮膚は体の前後に大きく変形することが知られていることから、おむつの各部位で体の前後方向に対する伸長特性を制御することで着用快適性を好適にすることができる。
【0005】
これに対し特許文献1には、脚周りおよび胴周りにおいて弾性部材と伸縮性アウターシートを、弾性部材との伸長を解除した後のそれらの脚周り方向における収縮寸法が略同一になるように調整して貼り合わせることで、伸長可能ながらも、厚み方向へ起伏することなく実質的に平坦である素材とした、パンツ型の使い捨て着用物品が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-148607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の技術では、脚周りおよび胴周りの一部がギャザーなしで伸縮可能であるため、該当箇所のフィット性には優れるものの、弾性部材がない領域では伸長応力が高いため、体の凹凸にフィットすることが難しい。さらに、かがむ・立ち上がるなどの大きな動作をした際には動作追従性に劣り、素材が突っ張る等、着用快適性を損ねるものであった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、おむつにおけるバックシートが良好な伸縮性と柔軟性を有し、表面のタッチに優れかつ、動作追従性を有している、着用快適性に優れるおむつおよび、その製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた。その結果、おむつのバックシートにおいて、特定の構造からなる薄地で伸縮可能な不織布を用い、さらに、バックシートの部位ごとに伸縮特性が異なる設計とすることで、フィット性、表面のタッチと動作追従性を両立でき、着用快適性に優れるおむつが得られるという知見を得た。本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものである。
【0010】
本発明およびその好ましい態様は、以下の構成からなる。
[1] トップシート、吸収体、およびバックシートを有してなるおむつであり、前記バックシートが胴周り部および脚周り部のパーツから構成されてなり、前記胴周り部および前記脚周り部は、その少なくとも一方が
(1)面積率で30%以上が、捲縮繊維から構成されエラストマーを有する不織布から構成されていること、および
(2)無荷重時の厚みに対して、30%伸長時の厚み変化率が20.0%以下であること
を満足し、前記胴周り部および前記脚周り部のうち一方のパーツのみが上記(1)および(2)を満足する場合には当該パーツをパーツA、他方をパーツBと呼び、また前記胴周り部および前記脚周り部のいずれもが上記(1)および(2)を満足する場合にはおむつにおける上下方向へ50%伸長したときの伸長荷重が低い方のパーツをパーツA、他方をパーツBと呼ぶとき、前記パーツAを前記おむつにおける上下方向へ50%伸長したときの伸長荷重が、前記パーツBを前記おむつにおける上下方向へ50%伸長したときの伸長荷重の0.90倍以下である、おむつ。
[2] 前記パーツBが、
面積率で30%以上が捲縮繊維から構成されエラストマーを有する不織布から構成されていること、および
無荷重時の厚みに対して、30%伸長時の厚み変化率が20.0%以下であること
を満足する、上記[1]に記載のおむつ。
[3] 上記[1]または[2]に記載のおむつを製造する方法であって、
前記おむつの製造方法は、
バックシートを製造する、バックシート製造工程と、
前記バックシートに吸収体およびトップシートを積層させる、積層工程と、
を含み、
前記バックシート製造工程は、
捲縮発現型複合繊維を捕集ベルト上に捕集してスパンボンド不織布層を形成し、その上に少なくとも1層のエラストマー層を積層させた後に一体化させて積層不織布を得る、製布工程と、
前記製布工程で得た積層不織布の少なくとも一部を、ギア付きのローラーで少なくとも1方向に延伸加工する、延伸工程と、
延伸加工した前記積層不織布を前記パーツAのシートとして、前記パーツAのシートの一部と前記パーツBのシートの一部とが重なるようにして貼り合わせる、貼り合わせ工程と、
を含む、
おむつの製造方法。
[4] 前記延伸工程における延伸方向が前記おむつの左右方向となるように、延伸加工した前記積層不織布を前記胴周り部のシートとする、上記[3]に記載のおむつの製造方法。
[5] 前記延伸工程における延伸方向が前記おむつの上下方向となるように、延伸加工した前記積層不織布を前記脚周り部のシートとする、上記[3]に記載のおむつの製造方法。
[6] 前記延伸工程における延伸方向が前記おむつの上下方向となるように、延伸加工した前記積層不織布を前記脚周り部のシートとする、上記[5]に記載のおむつの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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