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公開番号
2025000692
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-07
出願番号
2024158781,2024513915
出願日
2024-09-13,2024-02-09
発明の名称
積層体
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B32B
15/08 20060101AFI20241224BHJP(積層体)
要約
【課題】多様なインキからなる印刷層との高い密着性を示し、かつ高いガスバリア性を示す積層体を提供する。
【解決手段】基材フィルムの少なくとも一方の面に、金属層および/または無機化合物層と、被覆層とをこの順に積層した積層体であって、発光ピークの発光強度Xと、基準ピークの発光強度Yの比率X/Yが、5以上300以下である積層体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
基材フィルムの少なくとも一方の面に、金属層および/または無機化合物層と、被覆層とをこの順に積層した積層体であって、被覆層側から以下の測定条件で測定した発光ピークの発光強度Xと、基準ピークの発光強度Yの比率X/Yが、5以上300以下である積層体。
<測定条件>
積層体の被覆層側を1×10
-4
mol/Lの4-Nitro-7-piperazino-2,1,3-benzoxadiazoleのTHF(テトラヒドロフラン)溶液に60℃30分接触させた後、積層体をTHFに2度浸漬洗浄し、その後15mm×15mmに切り出し、発光スペクトル測定において、470nmにて励起し、520~550nmに見られる発光極大のピーク強度を算出。
<基準ピーク>
1×10
-5
mol/Lの4-Nitro-7-piperazino-2,1,3-benzoxadiazoleのTHF溶液を、光路長10mmの石英ガラス製セルを用いて積層体と同様に測定。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記被覆層が、水溶性樹脂と金属アルコキシドの加水分解物および/またはその重縮合物を含む請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記被覆層の厚さが200nm以上600nm以下である、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項4】
前記金属層および/または無機化合物層がアルミニウムを含む、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項5】
前記積層体の水蒸気透過率が1.0g/m
2
/day以下、かつ酸素透過率が1.0cc/m
2
/day以下である、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項6】
被覆層に含まれる金属元素の総mol量に対して、被覆層が(メタ)アクリロイル基を0.25mol%以上1.25mol%以下含む請求項2に記載の積層体。
【請求項7】
前記積層体の被覆層側から以下の測定条件で測定した発光ピークの発光強度Xと、基準ピークの発光強度Yの比率X/Yが、18以上100以下である請求項1または2に記載の積層体。
<測定条件>
積層体の被覆層側を1×10
-4
mol/Lの4-Nitro-7-piperazino-2,1,3-benzoxadiazoleのTHF溶液に60℃30分接触させた後、積層体をTHFに2度浸漬洗浄し、その後15mm×15mmに切り出し、発光スペクトル測定において、470nmにて励起し、520~550nmに見られる発光極大のピーク強度を算出。
<基準ピーク>
1×10
-5
mol/Lの4-Nitro-7-piperazino-2,1,3-benzoxadiazoleのTHF溶液を、光路長10mmの石英ガラス製セルを用いて積層体と同様に測定。
【請求項8】
前記基材フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムである請求項1または2に記載の積層体。
【請求項9】
前記被覆層をFT-IR-ATR法(全反射フーリエ変換赤外分光法)で測定して検出される下記ピーク強度P1とP2の比P1/P2の値が3.5以上8.0以下である、請求項1または2に記載の積層体。
P1:1,050~1,080cm
-1
に存在する最大ピークの強度
P2:920~970cm
-1
に存在する最大ピークの強度
【請求項10】
前記被覆層が、水溶性樹脂と、金属アルコキシドの加水分解物および/またはその重縮合物に加え、金属元素Mを含み、飛行時間型2次イオン質量分析計(TOF-SIMS)により測定される、金属元素Mに由来するフラグメントイオンのピーク強度mと、Si-O結合を有するセグメントに由来するフラグメントイオンのピーク強度sの比率m/sが、0.05以上10.00以下である、請求項1または2に記載の積層体。
<測定条件>
一次イオン種 :Bi
+
(2pA、50μs)
加速電圧:25kV
検出イオン極性:positive
測定範囲 :100μm×100μm
分解能 :128×128
エッチングイオン種:O
2+
(2keV、170nA)
エッチング面積:300μm×300μm
エッチングレート:1sec/cycle
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷層との密着性に優れた積層体に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)
【背景技術】
【0002】
食品、医薬品、日用品などの包装材料には、内容物の劣化防止のために酸素バリア性や、水蒸気バリア性が求められる。これらバリア性包装材料として、ポリエステル等の樹脂フィルムにアルミニウム等の金属層や、金属酸化物層を積層したバリアフィルムが用いられてきた。特に、金属酸化物層を積層した場合は、透明フィルムとなるため視認性がよく、食品の包装においては電子レンジ加熱が可能になるなど利便性が高いため、広く用いられている。これらフィルム上に文字や絵柄など表示目的の印刷処理を施したり、他の樹脂フィルムと貼り合わせることで様々な用途の包装材料に適用している。
【0003】
さらにガスバリア性能の悪化を防止する目的でガスバリア層の上に保護層を積層することも行われており、一般には保護層上に印刷がなされる。
【0004】
こうした保護層に対する印刷は、印刷性、保護層への密着性に優れることから、軟包装印刷で主流のグラビア印刷が用いられている(特許文献1)。しかし、グラビア印刷は、溶剤を大量に含むインキを使用していることから、インキ溶剤の乾燥や排気処理に多量のエネルギーが必要となり、環境負荷も大きい。
【0005】
一方近年、活性エネルギー線、特に電子線(EB)照射によりインキを硬化させる、EBフレキソ印刷やEBオフセット印刷を、軟包装印刷で実施する試みがなされている(特許文献2)。一般に、軟包装印刷ではロールトゥロールで印刷するため、インキの速乾性が重要であり、活性エネルギー線硬化型の印刷方式は、溶剤をほとんど含まないことによる環境面での利点に加えて、熱エネルギーを使用せずに乾燥工程を短縮するため、省エネかつ高い生産性を有するものである。また電子線照射による硬化は、透過性に優れ、またインキ中の光重合開始剤が不要となるため、印刷物臭気や内容物への開始剤分解成分の移行のおそれが低減され、内容物保護という安全面からも優れている。
【0006】
しかしながら、アクリレートが主成分である活性エネルギー線硬化型インキは、保護層に対する密着性が低い。そのため、保護層にも(メタ)アクリレート基を有するケイ素アルコキシドを導入することで、活性エネルギー線硬化型インキとの密着性に優れる積層体が報告されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2018/3596号
国際公開第2019/69736号
特開2022-20129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献3に記載の発明では、(メタ)アクリレート基を有するケイ素アルコキシドの導入量が非常に多く、活性エネルギー線硬化型インキとの密着性は得られるものの、親水性の強いビニルアルコール系樹脂や、分子量の小さいケイ素アルコキシド等のその他保護層の成分を鑑みると、疎水性が強く分子量も大きい(メタ)アクリレート基を多く導入することは、膜中の空隙を増加させ、内容物の劣化を抑制するほど緻密に硬化できないためにバリア性を得るには十分ではなく、改善の余地があった。さらに、(メタ)アクリレート基を有するケイ素アルコキシドの導入量が非常に多いために、活性エネルギー線硬化型以外の乾燥型インキ(媒体である溶剤や水を熱乾燥)に対する密着性が低下する課題があった。
【0009】
そこで本発明では、多様なインキからなる印刷層との高い密着性を示し、かつ高いガスバリア性を示す積層体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の好ましい一態様は以下の通りである。
(1)基材フィルムの少なくとも一方の面に、金属層および/または無機化合物層と、被覆層とをこの順に積層した積層体であって、被覆層側から以下の測定条件で測定した発光ピークの発光強度Xと、基準ピークの発光強度Yの比率X/Yが、5以上300以下である積層体。
<測定条件>
積層体の被覆層側を1×10
-4
mol/Lの4-Nitro-7-piperazino-2,1,3-benzoxadiazoleのTHF(テトラヒドロフラン)溶液に60℃30分接触させた後、積層体をTHFに2度浸漬洗浄し、その後15mm×15mmに切り出し、発光スペクトル測定において、470nmにて励起し、520~550nmに見られる発光極大のピーク強度を算出。
<基準ピーク>
1×10
-5
mol/Lの4-Nitro-7-piperazino-2,1,3-benzoxadiazoleのTHF溶液を、光路長10mmの石英ガラス製セルを用いて積層体と同様に測定。
(2)前記被覆層が、水溶性樹脂と金属アルコキシドの加水分解物および/またはその重縮合物を含む(1)に記載の積層体。
(3)前記被覆層の厚さが200nm以上600nm以下である、(1)または(2)に記載の積層体。
(4)前記金属層および/または無機化合物層がアルミニウムを含む、(1)~(3)のいずれかに記載の積層体。
(5)前記積層体の水蒸気透過率が1.0g/m
2
/day以下、かつ酸素透過率が1.0cc/m
2
/day以下である、(1)~(4)のいずれかに記載の積層体。
(6)被覆層に含まれる金属元素の総mol量に対して、被覆層が(メタ)アクリロイル基を0.25mol%以上1.25mol%以下含む(2)~(5)のいずれかに記載の積層体。
(7)前記積層体の被覆層側から以下の測定条件で測定した発光ピークの発光強度Xと、基準ピークの発光強度Yの比率X/Yが、18以上100以下である(1)~(6)のいずれかに記載の積層体。
<測定条件>
積層体の被覆層側を1×10
-4
mol/Lの4-Nitro-7-piperazino-2,1,3-benzoxadiazoleのTHF溶液に60℃30分接触させた後、積層体をTHFに2度浸漬洗浄し、その後15mm×15mmに切り出し、発光スペクトル測定において、470nmにて励起し、520~550nmに見られる発光極大のピーク強度を算出。
<基準ピーク>
1×10
-5
mol/Lの4-Nitro-7-piperazino-2,1,3-benzoxadiazoleのTHF溶液を、光路長10mmの石英ガラス製セルを用いて積層体と同様に測定。
(8)前記基材フィルムがポリオレフィン系樹脂フィルムである(1)~(7)のいずれかに記載の積層体。
(9)前記被覆層をFT-IR-ATR法(全反射フーリエ変換赤外分光法)で測定して検出される下記ピーク強度P1とP2の比P1/P2の値が3.5以上8.0以下である、(1)~(8)のいずれかに記載の積層体。
P1:1,050~1,080cm
-1
に存在する最大ピークの強度
P2:920~970cm
-1
に存在する最大ピークの強度
(10)前記被覆層が、水溶性樹脂と、金属アルコキシドの加水分解物および/またはその重縮合物に加え、金属元素Mを含み、飛行時間型2次イオン質量分析計(TOF-SIMS)により測定される、金属元素Mに由来するフラグメントイオンのピーク強度mと、Si-O結合を有するセグメントに由来するフラグメントイオンのピーク強度sの比率m/sが、0.05以上10.00以下である、(1)~(9)のいずれかに記載の積層体。
<測定条件>
一次イオン種 :Bi
+
(2pA、50μs)
加速電圧:25kV
検出イオン極性:positive
測定範囲 :100μm×100μm
分解能 :128×128
エッチングイオン種:O
2+
(2keV、170nA)
エッチング面積:300μm×300μm
エッチングレート:1sec/cycle
(11)前記基材フィルムが、リサイクル由来のフィルムである、(1)~(10)のいずれかに記載の積層体。
(12)包装材料用途に用いられる、(1)~(11)のいずれかに記載の積層体。
(13)電子線硬化型インキの印刷に用いられる、(1)~(12)のいずれかに記載の積層体。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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