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公開番号2025021430
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-13
出願番号2024109985
出願日2024-07-09
発明の名称スパイラル分離膜エレメント
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B01D 63/10 20060101AFI20250205BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】
分離膜エレメント作製段階での膜傷付きを防止し、性能低下を抑制できる分離膜エレメントを提供することを課題とする。
【解決手段】
本発明のスパイラル分離膜エレメントは、少なくとも集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備えるスパイラル分離膜エレメントであって、前記スパイラル分離膜エレメントの集水管の軸方向に対して垂直な断面において、集水管の中心と任意の外周を結ぶ直線上に位置する前記分離膜と前記供給側流路材によって形成される供給側流路Fについて、内周側の供給側流路の高さが外周側の流路高さより大きいことを特徴とする。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備えるスパイラル分離膜エレメントであって、前記スパイラル分離膜エレメントの集水管の軸方向に対して垂直な断面において、集水管の中心と任意の外周を結ぶ直線上に位置する前記分離膜と前記供給側流路材によって形成される供給側流路Fについて、内周側の供給側流路高さD

が外周側の流路高さD

より大きいことを特徴とするスパイラル分離膜エレメント。
続きを表示(約 180 文字)【請求項2】
前記供給側流路Fについて、前記外周側の供給側流路高さD

に対する前記内周側の供給側流路高さD

の比が1.050以上1.150以下であることを特徴とする請求項1に記載のスパイラル分離膜エレメント。
【請求項3】
請求項1または2に記載されるスパイラル分離膜エレメントを用いた流体分離装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、不純物を含む種々の液体から不純物を分離するため、特に海水の淡水化、かん水の脱塩、超純水の製造または排水処理などに用いるための分離膜エレメントに関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
海水およびかん水などに含まれるイオン性物質を除くための技術においては、近年、省エネルギーおよび省資源のためのプロセスとして、分離膜エレメントによる分離法の利用が拡大している。分離膜エレメントによる分離法に使用される分離膜は、その孔径や分離機能の点から、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜および正浸透膜に分類される。これらの膜は、例えば海水、かん水および有害物を含んだ水などからの飲料水の製造、工業用超純水の製造、並びに排水処理および有価物の回収などに用いられており、目的とする分離成分及び分離性能によって使い分けられている。
【0003】
分離膜エレメントとしては様々な形態があるが、分離膜の一方の面に原水を供給し、他方の面から透過流体を得る点では共通している。分離膜エレメントは、束ねられた多数の分離膜を備えることで、1個の分離膜エレメントあたりの膜面積が大きくなるように、つまり1個の分離膜エレメントあたりに得られる透過流体の量が大きくなるように形成されている。分離膜エレメントとしては、用途や目的にあわせて、スパイラル型、中空糸型、プレート・アンド・フレーム型、回転平膜型、平膜集積型などの各種の形状が提案されている。
【0004】
例えば、逆浸透ろ過には、スパイラル分離膜エレメントが広く用いられる。スパイラル分離膜エレメントは、集水管と、集水管の周囲に巻き付けられた分離膜ユニットとを備える。分離膜ユニットは、供給水としての原水(つまり被処理水)を分離膜表面へ供給する供給側流路材、原水に含まれる成分を分離する分離膜、及び分離膜を透過し供給側流体から分離された透過流体を集水管へと導くための透過側流路材が積層されることで形成される。スパイラル分離膜エレメントは、原水に圧力を付与することができるので、透過流体を多く取り出すことができる点で好ましく用いられている。
【0005】
スパイラル分離膜エレメントは、一般的に裁断した分離膜シートを折り畳み、次いで供給側流路材としてネットを裁断して、折り畳まれた分離膜の供給側の面に挟み込み、分離膜リーフを作製した後に、得られた分離膜リーフの透過側面に、有孔集水管側で開口した封筒状になるように接着剤を塗布した後、透過側流路材を積層して1組の分離膜ユニットとし、有孔集水管にスパイラル状に巻き付けることで作製されるが、これらのエレメント作製段階で分離膜が傷つき、分離膜エレメントの脱塩性能低下を引き起こすことがあった。
【0006】
そこで、分離膜エレメントの作製工程における分離膜性能低下を抑制する方法が提案されている。具体的には特許文献1では、分離膜表面にアニオン性ポリビニルアルコールを含有する保護層を有する複合半透膜を用いる方法が提案されている。また、特許文献2では、分離膜の折りたたみ工程で分離膜表面を傷つけにくい方法として、相互の距離が変動可能な一対の挟持部材の間に、挿入部材により膜の折り返し部を押し込んだ後、押し込まれた部分を前記挟持部材で挟み込んで折り目を形成する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
WO17/057692号公報
特開2005-270921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記した分離膜エレメントは、分離膜および分離膜エレメントの製造および後処理工程が複雑になり、工業的な安定生産を行う上で十分な方法であるとはいえない。例えば特許文献1で記載される方法では、保護層付き複合半透膜を用いて作製したスパイラル分離膜エレメントの使用に際し、該エレメントに洗浄水を通水して、スキン層上の保護層を除去する工程が必要になり、それに伴う多量の廃液処理が必要となる。また、特許文献2で記載される方法では、折り目部分の傷つき防止には効果があるものの、それ以外の部分で分離膜と流路材が接触する箇所の傷つき抑制効果が十分であるとはいえない。そこで、本発明は、分離膜エレメントの構造を制御することで、分離膜エレメント作製段階での膜性能低下を抑制できるスパイラル分離膜エレメントを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明およびその好ましい態様は、以下の構成からなる。
(1)少なくとも集水管と、分離膜と、供給側流路材と、透過側流路材とを備えるスパイラル分離膜エレメントであって、前記スパイラル分離膜エレメントの集水管の軸方向に対して垂直な断面において、前記集水管の中心と任意の外周を結ぶ直線上に位置する前記分離膜と前記供給側流路材によって形成される供給側流路Fについて、内周側の供給側流路の高さD

が外周側の流路高さD

より大きいことを特徴とするスパイラル分離膜エレメント。
(2)前記供給側流路Fについて、外周側の供給側流路高さD

に対する内周側の供給側流路高さD

の比が1.050以上1.150以下であることを特徴とする上記(1)に記載のスパイラル分離膜エレメント。
(3)上記(1)または(2)に記載されるスパイラル分離膜エレメントを用いた流体分離装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によって、スパイラル分離膜エレメントの膜性能低下を抑制し透水性や脱塩率といった分離性能に優れたスパイラル分離膜エレメントを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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