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公開番号2025018529
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023122312
出願日2023-07-27
発明の名称二軸配向ポリエステルフィルム
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20250130BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】磁気記録媒体、特に磁気記録テープのベースフィルムとして用いた際に読み取り、書き込み時のエラーが少なく、繰り返しドライブ内で走行させた際に磁気ヘッドへ与えるダメージを抑制できる磁気記録媒体用の二軸配向ポリエステルフィルムを提供することにある。
【解決手段】磁気記録媒体用の二軸配向ポリエステルフィルムであって、磁性層が形成される表面A上に融点が1600℃以上の無機粒子を核とした0.5μmを超える高さの突起が0個以上1個以下/1000m2である二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
磁気記録媒体用の二軸配向ポリエステルフィルムであって、磁性層が形成される表面A上に融点が1600℃以上の無機粒子を核とした形状解析レーザー顕微鏡測定を用いて解析した基準面から0.5μmを超える高さの突起が0個以上1個以下/1000m

である二軸配向ポリエステルフィルム。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記表面Aの表面平均粗さSRaAが0.5nm以上5nm以下であって、前記表面Aの他方の表面Bの表面平均粗さSRaBが5nm以上12nm以下である請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項3】
前記表面Aを形成するA層と、他方の表面を形成するB層の少なくとも2層から構成される請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項4】
総厚さが3μm以上5μm以下である請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項5】
前記二軸配向ポリエステルフィルムを構成するポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰り返し単位とするポリマーである請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は磁気記録媒体のベースフィルム用の二軸配向ポリエスエルフィルムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
フィルム(特にポリエステルフィルム)はその優れた機械特性、電気的性質、寸法安定性、耐熱性、透明性、及び耐薬品性などから、各種工業材料用途、包装材料用途に使用されており、データストレージに用いられるテープ状の磁気記録媒体、すなわち磁気記録テープのベースフィルムとしてもその有用性はよく知られている。
【0003】
磁気記録テープの構成としては、走行性を高めるべく二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面に表面が粗いバックコート層を、そのバックコート層とは反対面に平滑な磁性層を設ける構成が一般的である。磁気記録媒体の分野では、常に記録容量の高容量化が求められ、更なる高容量化を達成するために磁気記録テープの寸法安定性の向上、薄膜化、磁性層表面の平滑化に関する検討がなされてきた。
【0004】
前記高容量化の検討のうち磁性層表面の平滑性を高めるためにはベースフィルム上に設ける磁性層自体を平滑な設計とすることはもとより、添加粒子の小径化などベースフィルムの磁性層を設ける側の面を平滑化することも有効であることが知られている(例えば特許文献1~3)。磁気記録テープへの信号の記録、再生は、通常磁気記録テープをドライブ内で走行させ、磁気記録テープの磁性層が設けられた面を磁気ヘッド上で摺動させることにより行われるため、磁性層側の表面平滑性を高めることは磁気記録テープの磁性層側表面と磁気ヘッドとの間隔(スペーシング)を狭めることになり電磁変換特性の向上に有効である。
【0005】
また、製造過程で磁気記録媒体としてロールの状態で保存する場合、バックコート層表面に形成されている突起が磁性層表面に転写し、平滑な磁性層表面にくぼみを形成させることで磁性層表面の平滑性が低下するため、磁性層表面を平滑とするだけでなく、バックコート層表面の粗面化を制限することも磁性層面の平滑化に有効であることが知られている(例えば特許文献4)。その他、ロール状態で保存した際にベースフィルムの薄膜化に伴いベースフィルム中に含まれる異物や添加粒子の再凝集物等の大きな粒子が平滑面に突き上げられ、磁性層表面になだらかなうねりを発生させて磁性層表面の平滑性が低下、ひいてはエラー信号が発生するといった場合もあり、これを防ぐには、ベースフィルム中の異物を低減させることも有効である。具体的には、ベースフィルムの製造工程において、溶融ポリマーを押し出す際に高精度のフィルターを用いて異物を除去する方法をとるなどされている(例えば特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-49731号公報
特開2010-250910号公報
特開2016-192247号公報
特開2020-164807号公報
特開2021-111431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の特許文献に記載の方法を用いてベースフィルムの表面を設計し、製造工程においてベースフィルム中の異物を取り除く方策をとったとしても、磁気記録テープへ信号を記録、再生する工程において磁気ヘッドが傷つき、ダメージを受ける場合があるという課題が生じた。
【0008】
今日では高容量化に伴い磁性層表面が平滑になることでスペーシングが狭まっていることや、磁気記録テープそのものの厚みも薄くなり、テープ長さも長尺化しているため、ベースフィルム中に残存した異物がシステムへ影響を与えやすくなってきている。前述のように磁気記録テープへの信号の記録、再生のプロセスにおいて磁気記録テープを磁気ヘッド上で繰り返し摺動させるため、ベースフィルム内に含まれる硬度の高い粗大な粒子に起因したテープ表面上の突起は磁気ヘッドに接触する。突起が存在することによるテープの読み取り、書き込みエラーだけでなく、突起を形成する粒子が硬いと磁気ヘッドを構成する素材に対してもダメージを与えてしまい、テープを使いまわした場合には次々にドライブを破壊することになりかねず、その存在量を制御する必要がある。
【0009】
これら事情に鑑み、本発明はフィルム中に添加している粒子の凝集物またはベースフィルム中に含まれる硬度の高い異物を核とした突起の個数を所定の範囲とすることで、磁気ヘッド上に繰り返し摺動させても磁気ヘッドへダメージを与えず、かつ磁気記録テープのエラー信号の発生の少ない磁気記録媒体のベースフィルム用二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによれば上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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