TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025077112
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-19
出願番号2023189058
出願日2023-11-06
発明の名称溶液製膜フィルムの製造方法及びフィルム
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B29C 41/52 20060101AFI20250512BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】クレータ状の品質欠点が少なく、例えばガスバリア性保護フィルムに用いられる場合において、安定した加工性が得られる溶液製膜フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリマー溶液をシート状に成形する溶液製膜フィルムの製造方法であって、予め溶媒を満たしたろ過器に該ろ過器の入り口側からポリマー溶液を充填する工程を有し、前記工程における該ろ過器の入り口側から充填するポリマー溶液の粘度が2000poise以上である溶液製膜フィルムの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリマー溶液をシート状に成形する溶液製膜フィルムの製造方法であって、
予め溶媒を満たしたろ過器に該ろ過器の入り口側からポリマー溶液を充填する工程を有し、
前記工程における該ろ過器の入り口側から充填するポリマー溶液の粘度が2000poise以上である溶液製膜フィルムの製造方法。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記工程における該ろ過器の入り口側から充填するポリマー溶液の供給速度が20kg/hr以上200kg/hr以下の範囲で変化させる請求項1に記載の溶液製膜フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記工程において、ポリマーの供給速度の変化が、ポリマー溶液を供給速度20kg/hr以上50kg/hr以下から、段階的に100kg/hr以上200kg/hr以下まで供給速度を上げて、再び段階的に20kg/hr以上50kg/hr以下まで下げるというサイクルを2サイクル以上行う請求項2に記載の溶液製膜フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記ポリマーが芳香族ポリアミドである請求項1または2に記載の溶液製膜フィルムの製造方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載の製造方法により溶液製膜されたフィルム。
【請求項6】
前記ポリマーが芳香族ポリアミドである請求項5に記載のフィルム。
【請求項7】
フィルム厚さが10μm以上30μm未満である請求項5に記載のフィルム。
【請求項8】
フィルム表面に存在する短径0.1mm以上のクレータ欠点個数が7個/1000m

以下である請求項5に記載のフィルム。
【請求項9】
請求項5に記載のフィルムを有するガスバリア性保護フィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、クレータ状の品質欠点が少なく、例えばガスバリア性保護フィルムに用いられる場合において、安定した加工性が得られる溶液製膜フィルムの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
溶液製膜法には、乾式法や湿式法、乾湿式法などが知られている。一般に、溶液製膜では、ポリマー溶液をスリットダイからドラム、エンドレスベルト、キャリアフィルムなどの支持体上に流延させてシート状にし、得られたシート状の膜から溶媒を乾燥させる乾燥機と、この乾燥機で製造されたシートを液体中に浸してシートに含まれる溶媒を抽出する溶媒抽出処理装置と、この溶媒抽出処理装置により溶媒を完全除去あるいは溶媒濃度を低減させたシートを幅方向に広げる横延伸機と、この横延伸機により得られたフィルムをロール状に巻き取る巻取機とを備えた製膜機によりフィルムが製造される。
このような溶液製膜法においては、ポリマー溶液中に空気等の気体を含んでいると、ポリマー溶液を前記支持体に流延させた直後に、それまで加えられていた圧力の解放による該気体の膨張が起こり、フィルムを貫通する孔になったピンホール欠点および/またはフィルムを貫通する孔には至っていないが、フィルム表面上に噴火口の様に見えるクレータ状の欠点となる。
近年のフィルムの安定供給性の要望に伴い、ピンホール欠点およびクレータ欠点の改善に対する要求が特に強くなってきており、フィルムの表面にピンホール欠点およびクレータ欠点が生じやすい溶液製膜フィルム製造において特に問題が顕在化している。また、ガスバリア性保護フィルムを用いる電子部品の電子機器モジュール実装工程において歩留まりが低下する問題も抱えている。
【0003】
このピンホールまたはクレータ欠点の原因となる気泡を減少させる技術として、特許文献1では、ポリマー溶液中の3μm以上の異物をろ過器で除去すること、ならびに溶液製膜工程で用いられる乾燥空気の塵埃度を5,000以下とすること、さらには、ポリマー溶液中の気泡を除去するため、脱泡工程を設けることで、ピンホールを抑制することが提案されている。
【0004】
特許文献2では、ポリマー溶液を前記支持体に流延する工程において、流延したポリマーと支持体との隙間を狭める方法が提案されている。
【0005】
特許文献3では、ポリマー溶液を加熱しながら撹拌することで、ポリマー溶液の粘度を下げ、ポリマー溶液中の気泡を脱気し易くする方法が提案されている。
【0006】
特許文献4では、予め溶媒を満たしたろ過器に該ろ過器の入り口側からポリマー溶液を充填して製膜を行うことで、ポリマー溶液中に溶存する空気等の気体の圧力解放による膨張を抑制し、ポリマー溶液中の気泡を大幅に抑制する製膜方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2001-23148号公報
特開2002-210765号公報
特開2015-168194号公報
特開2019-59229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の特許文献に記載の技術により、ピンホール欠点は改善することができる。しかしながら、前述の特許文献に記載の技術を用いても、ポリマー溶液中に含まれた気体が、ポリマー溶液表面に出るまでの時間で熱により膨脹し、表面に大きなクレータ欠点をつくるというクレータ欠点の発生を充分に改善することができなかった。この課題は、フィルム厚みを10μm以上とした場合に顕著にみられる。また、フィルム表面にクレータ欠点が発生した部分はガスバリア性が低下するためフィルムをガスバリア性保護フィルムに用いる場合、大きな課題となる。
【0009】
本発明は、溶液製膜フィルムにおいて問題となる表面のクレータ欠点について、その発生原因であるポリマー溶液中の気泡を大幅に抑制する製膜方法を提供することを目的とする。またかかる製造方法により、フィルム表面のクレータ欠点の品質欠点が少なく、例えばガスバリア性保護フィルムに用いられる場合において、歩留まりが良いフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の構成からなる。
(1)ポリマー溶液をシート状に成形する溶液製膜フィルムの製造方法であって、予め溶媒を満たしたろ過器に該ろ過器の入り口側からポリマー溶液を充填する工程を有し、前記工程における該ろ過器の入り口側から充填するポリマー溶液の粘度が2000poise以上である溶液製膜フィルムの製造方法。
(2)前記工程における該ろ過器の入り口側から充填するポリマー溶液の供給速度が20kg/hr以上200kg/hr以下の範囲で変化させる(1)に記載の溶液製膜フィルムの製造方法。
(3)前記工程において、ポリマーの供給速度の変化が、ポリマー溶液を供給速度20kg/hr以上50kg/hr以下から、段階的に100kg/hr以上200kg/hr以下まで供給速度を上げて、再び段階的に20kg/hr以上50kg/hr以下まで下げるというサイクルを2サイクル以上行う(2)に記載の溶液製膜フィルムの製造方法。
(4)前記ポリマーが芳香族ポリアミドである(1)~(3)のいずれかに記載の溶液製膜フィルムの製造方法。
(5)(1)~(4)のいずれかに記載の製造方法により溶液製膜されたフィルム。
(6)前記ポリマーが芳香族ポリアミドである(5)に記載のフィルム。
(7)フィルム厚さが10μm以上30μm未満である(5)または(6)に記載のフィルム。
(8)フィルム表面に存在する短径0.1mm以上のクレータ欠点個数が7個/1000m2以下である(5)~(7)のいずれかに記載のフィルム。
(9)(5)~(8)のいずれかに記載のフィルムを有するガスバリア性保護フィルム。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東レ株式会社
織物
1か月前
東レ株式会社
分離膜
2か月前
東レ株式会社
シート
2か月前
東レ株式会社
織編物
6日前
東レ株式会社
吸着材料
1か月前
東レ株式会社
濾過方法
18日前
東レ株式会社
複合半透膜
5日前
東レ株式会社
多孔質構造体
1か月前
東レ株式会社
積層フィルム
1か月前
東レ株式会社
水電解用隔膜
1か月前
東レ株式会社
炭素繊維織物
1日前
東レ株式会社
CPUソケット
18日前
東レ株式会社
CPUソケット
18日前
東レ株式会社
生体成分吸着材料
2か月前
東レ株式会社
有機EL表示装置
2か月前
東レ株式会社
不織布および衣料
1か月前
東レ株式会社
フィルムの製造方法
2か月前
東レ株式会社
シート状物の検査方法
1か月前
東レ株式会社
車両用衝撃吸収構造体
5日前
東レ株式会社
再生ポリエステル繊維
1か月前
東レ株式会社
多層積層複合断面繊維
1か月前
東レ株式会社
ポリオレフィン微多孔膜
1か月前
東レ株式会社
炭素繊維シートの製造方法
1か月前
東レ株式会社
積層体およびその製造方法
1か月前
東レ株式会社
フィルム及びその製造方法
1か月前
東レ株式会社
芯鞘複合モノフィラメント
2か月前
東レ株式会社
ポリエステル繊維の製造方法
27日前
東レ株式会社
編物、詰め物および繊維製品
2か月前
東レ株式会社
ポリエステル樹脂の製造方法
2か月前
東レ株式会社
ポリプロピレン系樹脂フィルム
7日前
東レ株式会社
半導体モールド用離型フィルム
6日前
東レ株式会社
ポリエステルフィルムの製造方法
1か月前
東レ株式会社
不織布およびワイピング用シート
1か月前
東レ株式会社
人工皮革および人工皮革の製造方法
1か月前
東レ株式会社
ポリエステルフィルムとその製造方法
1か月前
東レ株式会社
感光性樹脂組成物、硬化物、表示装置
27日前
続きを見る